Sarah

17年前に初海外でドイツ留学。その後もドイツに通い続けている人。ジェンダーやキャリア、…

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17年前に初海外でドイツ留学。その後もドイツに通い続けている人。ジェンダーやキャリア、パートナーシップに興味があります。

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ドイツとの出会い

初上陸2007年夏、初めてドイツに降り立った。私は子供の頃に海外旅行に行ったことがなかったので、それが初めての海外旅行だった。かろうじて飛行機だけは高校生の時に修学旅行で乗ったことがあったものの、人生二回目の飛行機、初めての国際線。初めてのトランジット、初めての海外の空港。目的地はドイツ、1年間の交換留学だった。 当時この話を誰にしても驚かれ、ロンドンからデュッセルドルフへの機内で隣り合わせたフィンランド人にもびっくりされたのは良い思い出。(ついでに人生初の外国人からのナン

    • ドイツの好きなところ

      ドイツに来てから2週間が経ち、再び私は空港にいる。 約2年ぶりのドイツ滞在は、思いの外移動の繰り返しとなった。 先々週末は大学時代の親友に会いにロンドンに向かった。 実に6年ぶりの友人との邂逅は想像以上に楽しく、そして幸せなものだった。完全に私の趣味に付き合わせ、キューガーデン、ナショナルギャラリー、テートモダン美術館とひたすら歩くコース。 そして先週末はコペンハーゲンに向かった。 こちらもまた、友人に会うことが主目的だった。 直前にはドイツの他都市にも出張していたので

      • どこで死ぬか

        2022年春、まだコロナの影響が残るドイツを7年ぶりに訪れた。 その時に感じたのはほのかな後悔と、思った以上に強いノスタルジアだった。 どうやら私はこの国に住みたいと思っているらしい。 そんな自分に気づいて驚くと同時に、襲ってきたのはものすごい「恐怖」だった。 もう一回ドイツに住みたい、と思っている。 どうやって?仕事は見つかる?家は借りれる?・・・そして何より私の頭を占めたのは、私はどこでどうやって死ぬの?という問いだった。 今から考えれば、あまりに飛躍していてびっく

        • 部屋とゲームと私

          子供の頃、我が家にはテレビゲームがなかった。 親の方針でもあり、また、私も含めて子供たちもそれほど興味を持たなかった。みんなが夢中になっているから、友達の家でやったこともあったけど、さほどのめり込むこともなかった。 だから、いわゆる「ゲーマー」ではない。 子供の頃からゲームをする習慣は私にはない。 一方で、スマホが普及するようになって、そんな私にもゲームは身近なものとなった。 ポケモンGOはリリース日にダウンロードしたし、今も続けている。…と言うと多くの場合びっくりされ

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          自由であり続けること

          何を書こうか考え続けていたらひと月が経っていた。 最近の私はというと、とりあえず生きている、という感覚である。 否、「頑張って」生きているのだろう。 一月の記憶があまりない。 父が亡くなって、あれよあれよと日々はすぎ、十一月からは年末休みを目指して何とか仕事を回した。ようやく休みに入った、と思ったらあっという間に正月は終わり、仕事に戻った。 去年の四月に突然言い渡された異動は全く望んでいたものではなかった。だが会社の財政事情に絡む話だったので、背に腹は変えられず受け入れた

          自由であり続けること

          ポストモダンに馴染めない

          幼い頃から、向上心の強い子供だった。 昨日より今日、今日より明日が良い日になると、信じて疑わなかった。もっと正確に言うと、そうである「べき」だと思っていた。 勉強にしても、習い事にしても。 頑張れば頑張るだけ前進するのだと思っていた私にとって、常に「目標」は遠い未来に存在するものだった。 若いうちに活躍する人を見ても全く何とも思わなかった。 憧れるどころか、むしろ可哀想にすら思った。 この人たちはこの先どうするのだろう、と。(今から思うと余計なお世話だが。) いつしかそ

          ポストモダンに馴染めない

          「愛犬家」の定義

          自分のことを愛犬家だと思ってきた。 動物はみんな好きだけれど、その中でも犬は格別。猫派か犬派かと聞かれたら、犬派だと答えてきた。子供の頃からずっとそうだったけれど、実は大人になるまで犬を飼ったことはなかった。 もちろん、飼いたいと親にねだったことは何度もある。 だがその度に、「お世話できないでしょ」と言われるのが常だった。共働きの家庭では、親自身が飼いたいと思わない限り、犬を飼うのはなかなか難しいのが現実だろう。 子供たちが皆大人になり、犬の世話をきちんとできる年齢になっ

          「愛犬家」の定義

          恋の仕方

          先日誕生日を迎え、晴れて37歳となった。 あまりに「大人」な年齢で我ながらびっくりする。 あと3年で40と言われても全くピンとこない。 一方で、この1年の密度はあまりに濃すぎて、36歳を迎えた日のことは遥か遠くのことに感じる。 一年前、私は微かな絶望と少しばかりの希望を抱いていた。 人生こんなもんだろうか、という思いに苛まれると同時に、「これは特別なんじゃないか」と感じられる出会いがあって、これから自分の人生がどうなるのか全くわからなかった。 ほんのり甘い12月を過ごし、

          恋の仕方

          体は全部知っている

          体は全部知っている。 犬が亡くなって数日した頃、ちょっとした腹痛を感じるようになった。 腹痛の位置もそれほど心配になるような場所ではなかったし、痛みもさほど強くなかったので、そのうち治るだろうと思っていた。この痛みは精神的なものから来るのだろうと推察もできたので、それほど心配していなかった。 だが、痛みは数日しても弱まらず、それどころかどんどん強くなった。 朝起きた瞬間に痛みを感じ、体を動かすことすらままならなくなって、ようやく私は病院に向かった。その頃には、病院までの5

          体は全部知っている

          家族の理由4

          父が死んだ。 このことを書くのに、10日以上の日が経った。 心情的に書けなかったという側面もあるが、それ以上に、物理的に書く時間を取れなかった。人が死ぬとこれほどやることがあることを、初めて知った。 前回家族が亡くなったのは20年も前のこと。 祖父が死んだとき、私はまだ女子高生だった。 当然戦力にはならず、ただぼんやりしていたように思う。 さらに言うと、実は葬儀の途中にインフルエンザを発症し、以降は寝込んでいた。 今回は葬儀のやり方から、お客様の対応、法的手続きなど、家

          家族の理由4

          こころとからだ

          父の状態がまた一段階進んだ。 良い方向ではなく、悪い方向に。 声が出にくくなったのが始まりだった。 それまでは足が動かない以外は至って元気だったため、車椅子に乗って生活していた父だったが、声が出なくなるとほぼ同時に全身を倦怠感が襲うようになり、徐々に起き上がることも辛くなった。 ものを持つ力もみるみる弱り、今ではもうベッドから起き上がることもできない。倦怠感を和らげるための薬は、結局は意識レベルを低下させることになり、判断力も落ちる。病院に移送させるならこれが最後のタイミ

          こころとからだ

          「どんな人」と働きたいか?

          愛犬を亡くして一週間。 体調は思わしくなく、ついに先週は医者にかかってしまった。 わかりやすい自律神経の乱れによるもので、漢方を飲みながらリラックスするしかない・・・と分かっているけれど、不調を抱えて生活するのは決して心地よいモノではない。 それでも日常は続く。木曜にはビジネスランチが入っていた。 私が面倒を見ているドイツ人同僚が外部の有識者に会いたいというので、その人を知っている「エライ人」に連絡をし、相手の連絡先を教えてもらい、会いたいと連絡をした。彼は普段関西方面に

          「どんな人」と働きたいか?

          さようなら、ありがとう

          「もしかするともしかするから、今日は早めに帰ってきた方がいいかも」 母からそう連絡があったのは金曜の夜のこと。 待ち合わせに遅れている友人を待っている時のことだった。 東京は土砂降りの雨が降っていて、友人の乗っているタクシーはまだ渋滞にはまっている。まだ会えてもいないのにどうしようと思ったけれど、あまり大袈裟でない母が言うからにはきっと余程のことだろうと、急いで友人にラインを送った。 「申し訳ないのだけど、今日の約束はキャンセルさせてもらえる?犬の状態が急変したの。」

          さようなら、ありがとう

          文章を書くということ

          週に一本noteを書く、と決めてから9ヶ月が過ぎた。 その間に家を引っ越し、配置換えがあり、犬が倒れ、父が入院・退院した。 「週に一本」の自分との約束はたまに守られなくなってしまったけど、「週に一本分」の約束は破られていない。 昔から「三日坊主」の気持ちがわからない。 一度始めたことをずっと続けることだけは得意なのだ。 ひとまず今年は週に一本を目標に書き続ける、それが自分との約束だ。 そもそもなぜ私がnoteを毎週書くことを自分に課しているかというと、自分の「内なる欲求

          文章を書くということ

          コロナ狂想曲

          ここ一週間ほど、夕方になると近所に雀の大群が集まる。 どこからともなく複数の群れが集まってきて、大群になり、電線に並んでピーチクパーチク力の限り鳴いている。 何をしているのかはよくわからないのだが、鳥がひたすら集まってくる様はヒッチコックの映画『鳥』を思い起こさせる風景で、なんだかとても面白い。無論、若干の不気味さもあるのだが。 いずれにせよ、「連日」夕方になると「部屋から」この不思議な光景が見える。 そう、私はこの一週間ずっと家にいた。 なぜか?コロナに罹ってしまった

          コロナ狂想曲

          家族の理由3

          以前とても面白い記事を読んだ。 NASAでは、宇宙飛行士がミッションに参加している間に家族が受けられるサポートがある。そして、これを受けられる「家族の範囲」は明確に定義されており、「直系家族(immediate family)」と呼ばれる。 シャトルの打ち上げを特別室から見学できるのも、宇宙飛行士に何かが起きたときに連絡が入るのも、この「直系家族」だけのようだ。では「直系家族」に誰が入るかというと、それは配偶者と子供だけ、なのだそう。 ここが日本でいう「一親等」と大きく

          家族の理由3