サラビ

アルツハイマー型認知症の父の成年後見人をしている長女、自営業者。成年後見人になってから…

サラビ

アルツハイマー型認知症の父の成年後見人をしている長女、自営業者。成年後見人になってから親の代の遺産相続問題に始まり、独り暮らしの母の入院、遠距離介護問題と、次々と襲う介護にまつわるアレコレをほぼノンフィクションで。お金が絡むと人は変わるを体感中。

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【親と介護と私】 はじめまして、サラビです。

【親と介護と私】 はじめまして、サラビです。

はじめまして、サラビです。
女ばかり姉妹の長女で、自営業者。認知症の父親の成年後見人をやっています。

サラビはスワヒリ語で「蜃気楼」という意味。

親の介護問題が次々と襲ってくる今、蜃気楼のように、今まで見てきたものが光の屈折で出来ていたものだったのでは…?とすら思う今日この頃です。
子どものころは、親はいつまでも生きていて、老いることなく、私が死ぬまでそこにいる…みたいな錯覚を起こしていたし。

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【親と介護と私】怒涛のダブルケア+仕事で死にそう…

【親と介護と私】怒涛のダブルケア+仕事で死にそう…

気づいたらずいぶんと更新が滞っていた。
書きたいことはたくさんあるのに。

あれから色々ありまして……。

まずはめでたいことからお伝えすると、私の娘が出産し、現在里帰り中です。
娘は多少うざいときがあるけど、孫は可愛い。
新生児は本当に可愛い。

小さくて温かくて、生命力を抱きしめている感覚。
幸せだ。

そんなタイミングで、今度は母が「また」入院した。
娘が出産した数日後のことで、正直
「なん

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【親と介護と私】介護でやっかいなのは親よりもむしろ兄弟姉妹ではなかろうか?

【親と介護と私】介護でやっかいなのは親よりもむしろ兄弟姉妹ではなかろうか?

母の介護で最近つくづく思うのが、母より妹たちとの関係が難しいなということ。
「あれ?妹たちってこんなんだったっけ?」と思うことが本当に色々ある。

母にとって、子どもが3人いる。
これは以前、介護の手が3人あるということで、心強いものだと思っていたけれど、いやいや、そうじゃないなと最近思うようになった。

姉妹といえど性格も違うし、今はそれぞれに環境が違い、価値観も違う。
今まではそれが特にどうと

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【親と介護と私】病気の母は、私に「私の未来」を考える機会をくれている

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朝早くに電話が鳴り、寝ぼけて出ると母からだった。

弱々しい声で「腰が痛くて立てない、辛くてたまらない。病院に連れて行って欲しい、頼みます」と。

実は前日の夜は寝付けず、朝の4時くらいにやっと寝たので、朝早くの電話は頭が回らなかったけど、なんとも辛そうな声なので、「わかった」と慌てて支度をして行くと、

あんなに死にそうな弱々しい声で電話してきた「立てない」と言っていた母は、ちゃんと立っていた(

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【親と介護と私】繰り返す母の体調不良に、後見人として考えること

【親と介護と私】繰り返す母の体調不良に、後見人として考えること

長い入院生活をやっと終えて、母が退院してきた。
最初のころは退院できた喜びと、もう入院したくない思いとで、筋力が落ちないように意識して歩いたりしていたから、なかなかよい感じだと思っていたら…。

突然母がぎっくり腰になってしまった。
腰が痛いと寝返りも打てず、立つ、しゃがむなどの動作もいちいち痛いと言う。
私もぎっくり腰になったことがあるから、その辛さはよーくわかる。

いやー、もう次から次へと病

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【親と介護と私】自分が入院して、親の心細さがちょっとは分かった気がした

【親と介護と私】自分が入院して、親の心細さがちょっとは分かった気がした

うちの母が入院して、そろそろ半年にもなろうかという夏の終わりに、なんと今度は自分が入院することになってしまった。

もともと持っている持病があるのだけれど、それももう10年以上も発症していなかったので、まさかこれで入院とは…と自分でもびっくり。

ただ、以前発症していたころから10年以上経って、自分の年齢も環境も変わっているからか、「身体が辛いことに対して、心の耐性が伴わなくなっている」ということ

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【親と介護と私】親が認知症・後見人になる?ならない?

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うちの父は認知症で、もう誰のことも覚えていないし、自分の名前も分からない。そんな父の後見人になったのは、祖母からの父への相続が控えていたからというのが一番の理由だけれど、「失敗は繰り返さない」という教訓もあった。

後見人になることでのメリット・デメリットはどちらもあるが、不動産や証券などの財産があるなら私は「やっておいた方がいい」と断言する。なぜなら、後見人を面倒くさがった結果、大変な目に遭って

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【親と介護と私】「遺産分割調停」の書類が届く

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ポストの中に、分厚い封筒が入っていた。
裁判所からだった。
それは「遺産分割調停」がおこなわれる旨の書類で、期日までに記入して送り返すように書かれてあり、すでに調停の日も決まっていて、裁判所に来るようにとのこと。

はぁ…、また始まるのか。

うちは父が認知症で、長女である私が後見人。
被相続人の祖母が亡くなったとき、父はもう自分の名前も分からず、妻や娘たちの顔も名前も分からなくなっていた。
そん

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人生において、親との関係が変わるとき、というのがある。
それは、親と子の力関係の変化ともいえる。

まず、就職や結婚などによって親から独立し、生計を別にするとき。

これまで衣食住から学費など、親の庇護の元にいるときは、どんなに親と喧嘩をしても結局は守られている分、立場的には弱かった。
でも親から独立することで、ある程度立場が対等に近づくという感じになる。親との距離感が構築されていく。

次に自分

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