見出し画像

【親と介護と私】「遺産分割調停」の書類が届く

ポストの中に、分厚い封筒が入っていた。
裁判所からだった。
それは「遺産分割調停」がおこなわれる旨の書類で、期日までに記入して送り返すように書かれてあり、すでに調停の日も決まっていて、裁判所に来るようにとのこと。

はぁ…、また始まるのか。

うちは父が認知症で、長女である私が後見人。
被相続人の祖母が亡くなったとき、父はもう自分の名前も分からず、妻や娘たちの顔も名前も分からなくなっていた。
そんな状態の父の代わりに、後見人である私が、父の兄弟たちと遺産分割協議をおこなうことに…。

まぁ、揉めに揉めて、まったく協議にならない。
姪である私に「お前の父親は…」とか、言われてもどうしようもないことを延々と聞かされる。
80代の父の兄弟だから、もうエエ年したおじぃとおばぁ達が、子どものころからの父へのうっぷん(何年前の話?)を協議のたびに言うわけですよ。
だいたい年寄りは何度も同じことを言うしね。「もうそれ聞いた!」という話を何度聞いたことか(笑)

結局、全然建設的な話ができなくて放置状態になっていたら、突然裁判所からの調停の通知が来たってわけです。
申立人は、父と叔父1人を除く、兄弟たち…。


調停の日程が記されたそれには、「仕事で忙しいの理由は原則として受け付けない」とあり、何がなんでも来なさいね、という圧が。

仕事もなく、1日全部まったり自由に使える老人たちと違って、こっちは自営業なわけですよ。
1日潰すってことの重みが全然違うんですけど。

亡くなった祖母がよく言っていた。
「人間、暇だとロクなこと考えない」と。
それ、息子たちによーくよーく言い聞かせておいて欲しかった(笑)

この問題を考えるたびに、生きている者が「当然の権利」と財産を分割しろと言っているけれど、財産というものを築いて来た亡くなった人たちは、それをどうして欲しいと思っているのか、と気になる。

今日はお盆。
ご先祖様たちが帰って来ている。
ご先祖様たちは、この状態をどのように見ているのだろうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?