蚕都Grants

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京都府北部の綾部市を中心に精神・発達障害のあるメンバーと一緒に養蚕などの文化を再考しています。 「マジョリティに合わせない働き方」を研究し、障害者の経済的自立を目指します。 webサイト:https://santogrants.studio.site/

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  • 言い出しっぺのチラシ裏

    SIFの雑記帳です。

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    蚕都GrantsのTwitterの中の人「きの」が書いた文章が格納されています。

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    蚕都Grantsのリーダー久馬が、蚕の飼育をレポートにしてまとめています。

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障害の「超社会モデル」または「脱社会モデル」?

インペアメントとディスアビリティ どちらの概念も日本では明確に別けて考えられることが少ないと思いますが、本来はインペアメント=身体的機能の特徴、ディスアビリティ=社会的環境による障壁といった意味を持っています。 自己理解や支援をする上で「個人の努力で克服するもの/社会の責務として解決すべきこと」といったように別けて考えるととても合理的で、障害者の社会生活が円滑になり自立に役立つ機能は確実にあります。 しかし、精神・発達障害においては、インペアメントとディスアビリティを別け

    • 「ごめんなさい」が通じる関係性

      精神障害のある方を対象とした就活の支援をする仕事をしていたときに感じたことです。 言葉の捉え方が違い、不意に傷つけてしまうことがありますよね。 ぼくの場合、一度に10名ほどの仲間(利用者さん)の前で講義をすることもあったので、10名全員を傷つけない言葉を選ぶ努力はしましたが、きっと傷ついた方もおられたと思います。 福祉支援界隈では「傾聴」が大切だと言われています。それは間違っていないとは思いますが、中には「議論」や「助言」を求める方もおられます。 そうなると余計にぼくは「

      • ゆき

        雪が降っています。 ぼくの住まう京都府北部にも雪がどんどん積もって、多いところでは1メートル近く積もってるんじゃないでしょうか。わかりませんが。 雪って「ゆき」って書いた方が今日はハマる気がします。なぜだか。 ええなあ「ゆき」このゴシック体の「ゆき」ええなあ。 ぼくは寒いのは苦手ですが、やっぱり雪が降るのが好きで、雪景色も、雪道を走るのも、雪かきをするのも好きです。好きとは?実は「好き」とはどういうことかよくわかっていないので、時間が過ぎることもスケジュールも仕事も何も考え

        • Good Job!Digital Factory×EDO-1×蚕都Grants スペースを終えて

          Good Job!Degital Factoryのスペースにお招きいただきました。 先日、Good Job!Degital Factory(以下GJDF)のスペースにお招きいただき、EDO-1の川谷さんとご一緒して2023年の振り返りと2024年の抱負を語らせていただきました。グッドジョブのスペースカレンダーをご覧いただいてもお分かりいただけると思いますが、とんでもない実績のある方々が名を連ねる中にうちも入っててビビりながら挑戦させていただきました。 蚕都Grants20

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          そっちの方が勇気がいる

          蚕都Grantsをやっていると「勇気がある」というニュアンスのお褒めをいただくことがあり大変嬉しいのですが実はあんまり自覚がないのです。 それよりも冬の冷たいとわかっている便座に座る方が勇気がいる。 さっき、コンビニの便座が(故障かわかりませんが)冷たくておしりに不意打ちを受けて、予定が調和せず若干具合がわるくなった久馬です。 こんばんは。 さてさて 仕事しようと思っても自宅では環境的に難しくて外に出ています。車内でやっていると不審者に思われそうで不安でして。 はじめは近く

          そっちの方が勇気がいる

          Fukuchiyama Magazineを読んで思うこと。

          綾部市のお隣の福知山市で発刊された『Fukuchiyama Magazine Vol.2』を拝読しました。 創刊された時期も蚕都Grantsの『Picky』と同じ頃で、コンセプトも似ているところがあるので注目していました。創刊号は入手できていませんが、デザインも内容も明瞭で読みやすく素晴らしいと思いました。またメンバーや友人や家族と一緒に紹介されているお店に行ってみようと思います。 中でもプロデューサーの吉田さんの巻頭のご挨拶には共感いたしました。 「人口が減少する中、(

          Fukuchiyama Magazineを読んで思うこと。

          大晦日に思うこと

          インターネットって、知覚?知?に強く影響したんだな。と思います。 当たり前と言われればそうかもしれないけど、意外と自覚している人は少ないのではないかと思います。 インターネットが登場してから、個人に情報の質や量がシャワーのように降り注ぐようになりました。あらゆる接点から他者に接する機会が爆発的に増えました。 それによって、自分の持ってる属性の輪郭がハッキリしてきたのかな?と思います。 ブロックチェーンが誕生したこれから先に、一体何が起こるのでしょうか。 ぼくは群の解体と

          大晦日に思うこと

          養蚕レポ「羽化〜種とり」

          種を頂戴するために、メスかと思われる大きめの繭と小さめの繭をそれぞれ3つずつ確保しておきました。先日、無事に羽化しました。オスの方が4日ほどはやく羽化しました。 オスもメスも繭から出てくるときは、繭の糸と糸を繋いでいるセリシンという成分を自身の体内で生成した体液(コクナーゼ)で溶かして穴を開けてでてきます。 オスはメスが近くに来てフェロモンを感じとった瞬間から羽をばたつかせていました。小さいから身体なのに離れてるメスを感知しててすごい。。 交配の画像の左部分にベージュのシ

          養蚕レポ「羽化〜種とり」

          養蚕レポ「古民家調査」

          昨日は蚕業遺産研究会の方々、京都府立丹後郷土資料館学芸員の方に、蚕都Grantsの古民家をご見学いただきました。 養蚕をやっていたことは祖父母から聞いていましたが、改めて養蚕のための機構がいくつか見当たりました。 下画像は蚕架(さんか)と呼ばれる養蚕用の棚をたてるための柱を差し込む機構が残っていました。養蚕は古くからありましたが、この柱を差し込むための部材は洋釘(明治5年以降に日本に流入。それまでは和釘が主流でした)と呼ばれる釘で打ちつけられていました。少なくとも明治5年

          養蚕レポ「古民家調査」

          LocalDAOの当事者

          写真は養蚕農家の古民家の屋根裏で、このnoteとはそれほど関係がありません。 先日、NishikigoiNFTを発行しLocalDAOのモデルケースとなるであろうCrypto Villageのセミナー「デジタル関係人口の作り方」をメンバーと拝聴しました。 その後半の質疑応答の中で、私の「DAOによって人間がかわるキッカケはありますか?」という旨の大変わかりにくい質問に対し、高瀬さんは山古志に関わられるデジタル村民の方々について、「当事者意識を持って…云々」とご返答ください

          LocalDAOの当事者

          養蚕レポ「まゆかき」

          今日は養蚕の先生の作業場でまゆかきをお手伝いしました! 薄いまゆ、2頭でひとつのまゆをつくったたままゆ、お蚕さん不在のおばけまゆ、お蚕さんはいろんなまゆをつくっていました。 おばけまゆというのは正式名称ではありませんw 涼しい秋晴れの日光に透かしてみるとまゆの中よ様子も伺えました。質の良くないものは取り除きました。 うちで育ったお蚕さんのまゆも取り外しました。 そのあと、毛羽取り(まゆのまわりについた糸を取り除く)もお手伝いさせていただきました。 動画にして撮ってみまし

          養蚕レポ「まゆかき」

          養蚕レポ「5令〜上蔟」

          うちのお蚕さんも無事に上蔟(じょうぞく)することができました。ちゃんと数えると27頭でした。上蔟とは、蔟(まぶし)と呼ばれる繭をつくるための道具で格子状になっています。 回転蔟とよばれる蔟をお借りしています。回転蔟とは上に登っていく習性のあるお蚕さんが、蔟の上まで登り詰めるとクルッと180度回転して、また登りながら繭をつくる位置を探せる仕組みになっています。 うちで飼っているお蚕さんは、黄色い繭をつくりますが業界では緑とされる繭をつくる品種だそうです。 近々、繭を外す作業

          養蚕レポ「5令〜上蔟」

          発達障害情報マガジン『Picky』創刊!

          10/2本日は『Picky』の創刊号発刊日です! ご支援ご協力いただきました皆様のおかげさまで、ついにPickyを創刊することができました!感謝申し上げます! また、取材へのご協力ご寄稿賜りました皆様ありがとうございました。 精神・発達障害当事者が主体となって発刊される情報誌は、綾部市ではおそらく初めての試みです。お読みになられた方々がどのようにお考えになるかとても関心がありますので、ぜひともGoogleフォームにてご感想をお寄せいただけると幸いです。Googleフォームの

          発達障害情報マガジン『Picky』創刊!

          養蚕レポ「4〜5令」

          うちのお蚕さんはやや成長が遅れ気味のようですが、無事に4回目の眠を終えて5令に入りました。 涼しくなってきたので、室内が生育適温程度になって温度管理が楽になりました。桑の葉は先生から分けていただいたり、近くの野桑を採りに行ったりしています。大きくなると、給桑の量もどんどん増えていきます。これが数千〜数万頭となると……。たしかに人手がいりますね。 そして先ほど改めて数えてみると、正確な頭数は29頭でした。 いまのところ一頭も病気等の異常はなさそうです。 余談ですが 一度、

          養蚕レポ「4〜5令」

          養蚕レポ「3令2〜4日目」

          着々と大きくなるお蚕さんたちを養蚕家の先生?(先生と呼ぶのが良さそうなので、勝手に先生と呼んでいます)見ていただきました。やはり少し身体が小さいけどおそらく問題はなさそうです。 桑の葉の調達は先生から少し分けていただいたり、自分で山桑/野桑を探しています。おかげさまで、車を運転していても「あ、ここにも桑がある」とか見分けがつくようになってきました。養蚕あるあるかもしません。 しかし、山桑/野桑はやはり養蚕には使いにくいということがわかってきました。とくに秋蚕の場合は、季節的

          養蚕レポ「3令2〜4日目」

          養蚕レポ「3令1日目」

          うちのお蚕さんたちも無事に眠があけて3令に入りました。 脱皮した古い皮膚?がたくさん落ちていました。 新しい桑の葉を置いてあげると、すごい勢いでムシャムシャと食べ始めます。でも、しばらくして確認すると動かなくなります。でもでも、次の給桑の時には8割くらいは食べて葉がレースのようになっています。 もっと食べるものなのか、こんなものなのか不安になりますが、そんな時は養蚕家の方に質問してどうにか育てております。 もしちゃんと食べていないのだとしたら考えられることは、 ・一定量食

          養蚕レポ「3令1日目」