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奥さんのカナダ愛、大爆発 in マンチェスター

僕と奥さんがまだ付き合っていたころ、

週末も大学の図書館に引きこもっていた彼女なのですが、

研究がひと段落した週末に、ドライブデートをする予定を立てました。


彼女に「どこか行きたいところがあるの?」か聞いたら、


マンチェスター


と即答したので、


サッカーでもみたいのかと思ったのですが、

「サッカーよりも素晴らしいものがマンチェスターにあるのだ。」

と満面の笑みを見せたので、

何のことだろうと思ったのですが、


研究以外のことになるとすんごーーーーーく優柔不断の彼女ここまで即答で行きたいというので、あまり何も聞かないことにしました。

(ああ今思えばこんなに自由にいろんなところへ行き来できていたなんて、)



そして当日、ナビにアドレスを打ち込む彼女(いつもなら絶対にしない)。

慣れない作業に何度か失敗しながらも、

とりあえずここへ行ってくれというので、運転を始める僕。


しばらくして、「目的地に着きました。」とナビが叫ぶ。

しかし、ついた場所はなんだかよくわからないなにもない駐車場のような平地で戸惑う僕。


横からただならぬ気配を感じる。

荒々しい息遣いの彼女は「そのまま真っすぐ!もうすぐ見えるはず!」と叫ぶ。

「えっ、えっ?」と動揺しながらも運転を続ける僕。


「きゃああああああ!左に曲がってお店に入って!!!」と絶叫する彼女。

「えっ、えっ、えっ?ファーストフード?」とまたも戸惑う僕。



「OMG!!!!YEEEEEEEEEEEEEEEEEES BABY!!! I MISSED YOU!! 



と叫ぶ彼女。

(助手席または後部座席にお座りの皆さま、運転中のドライバーに向かって叫ぶのは本当に危険なのでどうぞお控えください。)


戸惑いながらも、ウィンカーを出す僕。

そして無事左折、駐車完了。


目の前にあったのは、マクドナルドみたいな、ドライブスルーが付いたファーストフードのお店で、


Tim Hortons


と書かれた看板が立てられていました。

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そこでようやく気が付いたのです。彼女のカナダ愛が爆発していることに。


Tim Hortons (ティムホートンズ)は、カナダ人がこよなく愛するコーヒーとドーナッツのお店で、

日本のコンビニのようにほんとうに沢山あるお店で、一度カナダに行ったことある人ならだれでも知っているお店だと思います。

また、カナダ出身のジャスティンビーバーもよくTim Hortonsに通っている姿がみられたり、

ドラマ、How I met my mother (ママと恋に落ちるまで)でも、主要登場人物の一人のカナダ出身のロビンにまつわる話でたまにTim Hortonsが出てくるような、「カナダと言えば!」のようなお店です。


さてさて、うんちくはここらへんで、視線を彼女に戻しましょう。


カナダ人魂に火が付いた彼女は、

「きゃああああああああああ!!!」と叫び続け、もう興奮が抑えられない様子。

シートベルトがなかなかほどけず身体が半分震えている(カナダ版武者震いか禁断症状か何なのか)。

彼女を少しなだめ、

とりあえずお店では静かにしようねー

他のお客さんにめいわくになるからねー(僕のほうが数歳年下)

といいながら彼女の身体を支えながら入店、レジの前へ。


呪文のように注文していく彼女。

なんだか沢山注文しているようだけど、僕は横でそっと見守る。


そしていつもは渋る支払いも、カードを豪快に取り出し、

いつもは他人にそっけない彼女が、満面の笑みで店員と交流する。


Tim Hortons のちからおそるべし。


さて、彼女が購入したものを発表します。





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どう考えても、






買いすぎやろ !!!



と思ったのですが、

コーヒーは明日用も含めているらしく、

Tim bits (丸い小さいドーナッツ)は、

一つは研究室のお土産で、一つはルームメートたちへのお土産のようなので、彼女的には常識の範囲内のようです。


奥さんのカナダ愛、そしてTim Hortons愛をみて、

イギリスからはなれて生活したことない僕にとって、なんだか少しだけうらやましい気持ちになりました。

僕が違う国で生活したら、イギリスの何を恋しく思うのかな、、、、、

と思ったりしてみたり。



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