終わらせるのは一瞬。

それまでに
どれほどの眠れない夜と覚めたくない朝を迎えたのだろう。

キラキラした時間もあったはず。

誰も悪くない。
悪くない。

だけどつらい人しかいないな。

終わった苦しみと
始まった苦しみ。

みんなが幸せでいる事ってそんなに難しい事なのかな。。

いつも通りの朝が来た。

いつもの時間に起きて
顔を洗って
洗濯機を回して
ラジオを聴きながら
お弁当の準備。
連絡帳を書いて
保育園の準備をして
子どもを起こす。

スイッチ１つで電気がついて
蛇口を捻れば水が出る。
食べるものがあって
みんなが笑顔。


十分しあわせ。

喉が痛い。

明日の仕事が憂鬱で仕方ない。

喋りたくない。

食べたくない。

飲みたくない。

昨日はご飯も美味しかったし、言いたいことも散々言えた。

いつも幸せだったんだな。
気付かせくれてありがとう、夏風邪。



hitomi

【さびしかったこと】

「ママ、ひとりで大丈夫！」

1人で診察室へ。

「頑張ったよ！」

手のひらには小さな歯。
嬉しそうな歯抜けの笑顔。

泣くと思ったのにな。
頼もしくなったな。
なんだか寂しいな。

そんな今日。


hitomi

【しあわせなこと】

空が白むと
トテトテと小さな足音。
背中に感じる温かさ。
耳元で聞こえる小さな声。

「ままはぁと♡」

ままはぁとは
ままだいすき。

いつもありがとう。

今日もいい日になりそう。

hitomi

【ふつうなこと】

昨日キヌさんが歌ったことを
喜んでくれた担当ナース。
歌ったたんやろ〜と嬉しそうに
キヌさんに声をかける。

「それがどうしたん？」

キヌさんにとっては
ふつうなこと。

ふつうっていいな。

今日もいい日だった。


hitomi