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《七十二候》蟋蟀在戸‥きりぎりすとにあり・【特別編/由志園天竺牡丹】


『蟋蟀在戸‥きりぎりすとにあり』
           10月18日から22日頃


昔はコオロギのことをキリギリスと呼び
キリギリスのことを
ハタオリと呼んでいたそうです。


古語辞典を開き読んでみると
いつからか今の呼び名に変わったようですが
そのはっきりした時期も理由も謎に包まれ



鳴き声からそうなったのか
コオロギとよばれていたキリギリスが
ハタオリと改名したため
「コオロギ」の名をもらったのか‥。笑


憶測に過ぎない改名の謎について語る事も
秋の夜長に響く虫たちの声に
耳を澄ますことも‥この時期ならでは
風流な秋の楽しみ方のような気がします。


寒露の末候‥『蟋蟀在戸』は
戸のあたりで蟋蟀(コオロギ)が鳴く頃という意味ですが、蟋蟀は秋の虫たちの総称だったようです。


七月在野八月在宇九月在戸十月蟋蟀入我牀下

豳風ひんぷう(七月)詩経

 



七月は野に在り 八月は軒下に在り     九月は戸口に在り
十月蟋蟀たちは我が床の中に入り込む


七月は野で遊び回り
八月は暑さをしのぐように
日陰へ身を潜め


九月は雨風などを避け
戸口にいたのでしょうか。

そして十月はこれからやってくる厳しい寒さに
向け、暖を取るため家に入り込んでいたのでしょうか。
昔の人々にとって、コオロギは今よりずっと
身近な存在だったのかもしれませんね。


コオロギが民家に近づき
戸口にやってきたいと願うほどに
寒くなってきましたよ‥。

わたしたちもそろそろ冬を乗り越える
準備を始める頃ですね。



夜、外に出ると
リーリーリーリー
コロコロコロ‥。
ピッピッ。ジージー‥と
虫たちの鳴く声が響いています。


夜の方が感覚が研ぎ澄まされ
意識がギュッとそこに凝縮されたように
集中し、秋の声がよりダイレクトに耳に入ってくるように感じます。



週に何度か同じ道を歩いたり
走ったりするのでよく分かるのですが
日によっては心配になるほど
小さく弱々しく消え入りそうに‥。


また日によっては
大音量の大合唱のように。



変温動物のため、体温が変化すると活動が活発になったり鈍ったりするので
気温が上がると鳴き声のテンポも速くなり
逆に気温が15度ぐらいになると鳴かなくなるようです。 



虫の合唱が聞こえる気温は
22度から26度くらいだとか。

虫たちもそのくらいの気候なら
気分もよく自分たちの声に酔いしれながら
鳴いているのかもしれませんね。


夜の澄んだ空気の中
あんな風に歌えたら気持ちいいかも‥。




さて、虫の声と同じくらいのこの時期に
鼻をくすぐる金木犀の香り。


あーまたこの季節が来たんだなぁと
その姿からその香りから教えてくれます。


金木犀はわたしの家の庭にも
咲いているのですが
隣の家やご近所さんの庭から香る金木犀の方が甘い香りを放っている気がしてしまうのはなぜでしょう。隣の芝生は青いですね。笑





実は10月のはじめ頃に一度咲いた後
強風に煽られ
悲しく散ってしまった金木犀なのですが
また数日前から返り咲いたように
甘い香りと共に戻ってきてくれました。

秋の風に乗りふわっと漂う香り。
心癒されますね。





先日、ある場所で撮影していると‥



一瞬通りすぎたのですが‥


振り返り二度見、三度見。
葉っぱの上にカエル🐸がちょこんと
座っていました。



そしてその日はさらに
カタツムリ🐌にも遭遇し





こんなところで会えるなんて‥と
驚きと共に笑顔になりました。
一歩外へ出るといろんな出逢いがありますね。





ꕤ*.゚ꕤ*.゚

                ꕤ*.゚ꕤ*.゚


特別編 由志園天竺牡丹】



わたしがこの時期
楽しみにしていることのひとつ。


島根県大根島にある牡丹園『由志園』で
池泉天竺牡丹=ダリアが
10/15から開催されています。






由志園は春夏秋冬、それぞれの楽しみがあり
先日、年間パスポート四回目の更新をしたのですがそれほどまでに何度も通ってしまうほど
飽きない魅力があるのです。


手入れの行き届いた日本庭園に
四季折々のイベント。


今回は、少しずつ少しずつ色づき始める
紅葉の気配をバックに
日本一の牡丹の産地松江市大根島と
有数のダリアの苗産地、宝塚市上佐曽利の
美しいコラボレーション。


10万輪のダリアが浮かぶ姿は圧巻です。

 










この日は暑いくらいの秋晴れで
綺麗だね。素敵だねと
多くの人々の声が聞こえてきました。


秋空の下で、ダリアもにっこり
明るく微笑んでいるようでしたよ。



池泉天竺牡丹
11/6まで開催中です。





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