利休堂(裏千家の御祖堂)

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「利休堂(りきゅうどう)」

裏千家にある祖堂。

三千家(表千家・裏千家・武者小路千家)では祖である千利休をそれぞれで祀り、「御祖堂」とも呼ばれています。

裏千家4代の仙叟宗室が元禄3年(1690年)の利休100年忌を期して営んだのが最初であると伝えられます。

その後、天明8年(1788年)の大火で失われるも利休像は無事であったため、寛政2年(1790年)の利休200年忌に際して、今日庵又隠の奥にある宗旦銀杏の下に再建されたそうです。

現在のものは、天保9年(1838年)に11代玄々斎による利休250年忌に向けた一連の増改築工事(この時、咄々斎溜精軒も完成)によって建立されたものだそうです。

屋根は茅葺(かやぶき)で南向きに立ちます。腰障子三枚の貴人口を上がると、内部は三畳中板の茶室で、炉は台目切りとなっています。

客座の二畳の奥が板敷きの上段で、さらに円窓の奥が利休像を安置する壇となっています。円窓は完全な円ではなく、下部にやや弦を見せているのも特徴です。

円窓上部の横長の下地窓は利休像の目の高さとなっており、別名「雪見窓」とも呼ばれるそうです。

上段の西脇には同じ高さのレベルで踏込床型式の板床。客座との境には太い柱が立ちます。

中板の前が床脇の壁(袖壁)にあたり、縦に長い下地窓に下方吹抜けと一見すると台目構えのような構成です。

その吹抜け上部の壁留の竹は点前座前面にまで伸びており、その竹にのるように蛤棚(はまぐりだな)を釣っています。

ちなみに、前の利休堂(利休200年忌のもの)は奥待合(内腰掛)として使われているそうです。

「裏千家住宅」として敷地内の茶室群は国の重要文化財に指定されています。

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