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男の子、女の子。

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恋とか愛とかしたかった。
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#ショートショート

お前の幸せだけは祈らない

「早く野垂れ死んだらいいのに」
そう呟いてスマホを置いた。大嫌いな男はまだしぶとく生きているようだ。

その男は、半年前にこう言った。
「飽きたから別れてほしい」
平日、昼間のサイゼリヤでの出来事だった。周りの卓はランチタイムで賑わっている。この卓だけ葬式のような静けさだった。いや、葬式の方がまだ音がある。ここだけ無音だった。
あまりの衝撃で言葉を忘れてしまった。突いて出たのは「ぁ…あぅ、あ?」

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恋ではなく興味だと思っていた

恋ではなく興味だと思っていた

「それ美味しい?」
別にその飲み物に興味はなかった。大量の生クリームにチョコチップの混ざった甘そうな代物。そんなものはどうでもいい。僕は君に興味がある。

毎週水曜日、3時限目。

君は窓際、前から4列目に座って気だるそうにそれを飲んでいる。いつも同じで飽きないのだろうか。席も、飲み物も。
確かに、席に飽きるも飽きないもない。僕だっていつも同じ席だ。生憎、ゲームのやりすぎで目が悪くなってしまったか

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目が合ったら考えてあげる

目が合ったら考えてあげる

この人は、いつもいつだって顔色が悪い。
箸を持っただけで指が折れそうだし、一度寝たらもう一生目を覚まさない気さえする。

…まあ、そんなことはないんだけど。
なんなら、今朝目が覚めてからずっとスマホとゲームコントローラーの往復を繰り返している。その横で目が覚めてから掃除洗濯、今はお昼ご飯の準備をしている私。掃除と言ったがするところがほぼない。大体いつもスッキリしている。この人の部屋が綺麗なのは、休

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忘れた名前

忘れた名前

「けー、おー…わ、い?違うな。」

リップに刻印された読めない名前。
ピンクの文字は擦れている。
頭二文字。その先がわからない。

かろうじてわかる、ハートマーク。

蓋をあける。
もう少しで使い切れそうなボルドー。
それを見ながら呟く。

「もうこんな色塗らないって〜。どうしよ。」

困った末に、鏡の前。
『たまには、いいか。こんな色も。』
厚くもなく、薄くない平凡な唇にサッとひく。

思い出し

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身代わり

身代わり

あの恋を忘れるために好きになった。
ただそれだけ。

ぬちゃぬちゃした音とザラザラした感触が嫌いだ。気持ち悪い。
こっちを見た時のジトりとした瞳に寒気がする。
影ができるほど長いまつ毛に嫉妬した。
頼りなく丸い背中に傷跡をつけた。
『お前は身代わりだぞ』という小さな反抗だった。

それでも、あなたの何もかも失ったままの格好で、永遠について語る様だけが酷く美しかった。
薄い身体に寄り添うと、どうでも

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天の邪鬼なふたり

天の邪鬼なふたり

朝か昼かわからぬ時間。

ばたばたとお風呂場へ向かう君。

朝シャンには遅いし、今日は特段汗をかくほど暑くはない。

窓からは心地よい風がふき、陽気もぽかぽかとしてる。

まるで青空の下にいるようだった。

僕は、また眠気に襲われぼーっとしていた。

すると、

「ねえ、このシャンプー金持ちのオバサンみたいな匂いじゃない!?」

君は、「嗅げ!」と言わんばかりにシャンプーを僕の鼻に近づけていた。

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