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「それでも、前に進む。」

これは、葛藤を抱えながら就活している大学生と、東京で働くクリエイティブディレクターとのリアルな交換日記です。今の就活生が感じる心の揺らぎと、社会人からのさりげないエールをお楽しみください。

前回までの就活交換日記

学校の企業説明会に参加したという愛さん。実際に働いている方と話す際には社会人としてふるまうことに緊張したものの、食わず嫌いせずこれからも挑戦の回数を増やしていきたいとのこと。

そんな愛さんに対し北さんは「社会人ってなんだろう?」と問いかけます。いや、もはや社会人ですと。相手の方や企業をリスペクトしつつ、過度に自分を消そうとはしなくていいんじゃないかなあ、とエールを送りました。

#03の就活交換日記はこちらから。

今週は、学校の企業説明会に参加してきたという愛さんの日記から始まります。

登場人物

大学生の愛さん(仮)
地方文系大学に通う就活生。留学経験がある。ひょんなことから北さんと出会い、交換日記を始めることになった。様々な心の葛藤を抱えながらも等身大に就職活動を行おうと奮闘中。

クリエイティブディレクターの北さん
コピーライター歴、約20年。長年採用広報に携わってきた経験から、採用のクリエイティブをもっと面白くしていきたいという熱い思いを持っている。宣伝会議コピーライター養成講座で、求人広告クラスの講師も担当。

愛さんの今週の日記
「それでも、前に進む。」

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【2020年12月某日】
今週は学校の授業が佳境に入り、就活にあまりパワーを使うことができませんでした。ESを書いたりOB/OG訪問をしたりなど就活的作業はあまりはかどらなかったのですが、数年後・十数年後の未来の自分の暮らしぶりを想像する時間が多かったと思います。もちろん、自分の頭の中だけでの想像なので現実からは少し浮足立った想像だったかもしれません。しかし未来の自分を具体的に考えることがなってきた今だからこそ、過去の自分の足元が固く落ち着いて、いま身の回りにあって手が届くものから何をすれば面白くなるだろうか という方向に思考が変化してきたような感覚です。「自分ではない、他の、もっとすごい自分」という実態のない霧のようなものをつかもうとして必死だった自分を受け入れて、そんな自分を引き連れて前に進んでいこうという前向きな気持ちになれたような気がします。

ちなみに、最近星野源のエッセイ「そして生活は続く」を読みました。画面の向こう側で楽しそうにキラキラと表現を楽しんでいるように見える有名人が携帯電話の未払いを夜の12時に急に思い出すなんて妙に人間臭い生活の一コマを覗き見たことで、なんだか等身大の自分で生きていても良いのだなと腑に落ちたような心持でした。

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北さんからの就活エール
「自分が先か、生活が先か。」

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今週も日記、ありがとう。自分の未来を想像する時間はとても大切だと思います。想像していると、行動も無意識にそのイメージに引っ張られるため、気づくと現実へと近づいていくものです。愚痴ったり、嘆いたりばかりしている人は結局、その自分のダメなイメージに行動が引っ張られ、現実も変わらないのだと思います。

でもって最近思うのは、ポジティブな想像ができるのは、生活にある程度のゆとりがあるからなのかなあと思ったりもします。このゆとりは別にお金に限ったことではないけれど、もし、お金がないことで心までゆとりがなくなるのであれば、やはり、ある程度の収入は必要なんだと思う。逆に、お金を使ったり、貯めたりしなくても、心にゆとりを持てる人は収入にこだわる必要はないと思う。そういう人は若いうちから、自分のやりたいことを常に優先して動いたほうがいいし、そうしたほうが最終的に生活も満足ゆくものになると思います。でも、そうでなければ、自分と生活のバランスを見ながら、就職活動をするといいかもね。ただ、昔と違って、会社を選ぶことや仕事を頑張ることとお金を稼ぐことが、必ずしも一致しなくなっているのも事実。この辺りの話は長くなりそうなので、また、別のところでお話しますね。

ちなみに、実家暮らしの大学生にしてみたら、就職活動は人生の中で初めて、お金というものとも真剣に向き合う機会なのかもしれないですね。いろいろ悩み、迷い、もがいてみてくださいな。


編集:家洞 李沙(Fanclub)


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