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昭和が浅くなっている
動悸がして
どうだろう
昭和が浅くなっている
ひどい手汗で
これから人前にたつそんな
夢をみる予感
あのときのひと
目線だけが遺って
誰だっけ?
とびこんだほうがましだと
おもうけどなぜ
できないの?
生きていることだって
優先席なのになぜ
ゆずれないの?
これから夢をみる予感
いやな夢みるいい予感
どこからが手足か氷かわからない
また
助けて だれかの
動悸がして
昭和が浅くなっている
お出ししなかった、つきだしの夢
『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』を書いたときに、詩にはじめてふれる子でも読める(「わかる」ではない)はんいにこだわったため、たくさんの好きな詩がこぼれた。
後悔だらけだったがしょうがない。
二年ぐらいたって、幸運にもまた詩をあつかった連載をはじめることができた。それが「ポエトリー・ドッグス」で、あの詩も入れられるかも、この詩も紹介できるかもと、夢がふくらんだ。
ジャンルにこんがらがって
たとえばSFというのはジャンルだろう
ミステリや学園もの、冒険ものなんていうのもそうだとおもう
詩や絵本というのもジャンルだ
児童書や児童文学に携わっていてよくかんがえるし
いつもおどろくのは
児童書や児童文学というのは「それをぜんぶやっていいのだ」ということ
それってジャンルなのかな
メタジャンルだなんていってもいみがないけど
むしろある種の認識のしかたや断層にちかいものだと
いまはお
えーえんの補助線 〜 笹井宏之の歌を読む(4)
笹井宏之さんの歌を鑑賞する、パート4です。
ぼくは詩人なので、短歌の鑑賞というには詩人目線すぎるかもしれません。
序論、本論、結論というていではなく、一首評(のようなもの)を重ねていくかたちで、笹井さんの創作物がなぜ「ああいうふう」に見えるのかを感じとっていきたいとおもいます。
4 変換するうつわ
*えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力を下さい
笹井さんの表現にはパフォーマティブと
[余白計画] ライ麦畑を聞いてきた
先日、「文芸漫談・ライ麦畑でつかまえて」を観にいってきました。
文芸漫談というのは、奥泉光さんといとうせいこうさんが、さまざまな課題図書について、おもしろおかしく語る、講義のようなフリートークのようなステージです。初めて観たんですが、もうシーズン4だそうです。会場は、新宿文化センター。
ぼくは、十代のときに野崎孝さんの訳で読んで、それきり何十年も読み返していません。ですがその本はもう手もとにな
詩 ・ my name is
土から生えてきたみたいに
そこにいた
気がついたらね
おもいだせるものはなにも
なくて 実がしぼんじゃった
くるみみたいに頭がカラカラ鳴った
記憶もないのに
ことばだけはあった すべてを失っても
ことばだけ忘れないのは
なんでだろう
はじめにことばありき っていうの
「はじめにことばありき!」って
いいたいためにちがいない
ぼくの名前は
なんていってみても
出てこない my name is