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記事一覧
詩 ・ my name is
土から生えてきたみたいに
そこにいた
気がついたらね
おもいだせるものはなにも
なくて 実がしぼんじゃった
くるみみたいに頭がカラカラ鳴った
記憶もないのに
ことばだけはあった すべてを失っても
ことばだけ忘れないのは
なんでだろう
はじめにことばありき っていうの
「はじめにことばありき!」って
いいたいためにちがいない
ぼくの名前は
なんていってみても
出てこない my name is
詩 ・ ウサギのクラブに入らないか?
ひとは耳から生まれた
なんていっても
のれんにアディオス
いちぶのひとは
耳から生まれたのに
それをしらずに
死んでいく by 生きていく
テラピアと
ピラルクしか
魚のいない国に行きたいの?
ふかひれで聴くだなんて真相を
知りたいの?
川をわたるまえに
クロークに毛皮をあずけて
ほんぽうなうたを
うたうきみは まるで
ウサギのクラブに
入るみたい
当面の
こだわりをすてて
研修医をへ
詩 ・ なけなしの全能感を小出しにして
なけなしの全能感を小出しにして
空に歌ってる
音符は毛ばだって
くすくす笑うLR
なけなしの粘土を勇気にして
連絡橋に立っている
ボロが出ないようにって
背すじを接木して
谷はさかさの山頂だって
はげましてくれたひとの声も忘れて
なけなしの全能感で
小商い
ひどいゆめだったねって
あの声がいってくれないかなって
拾いあげて
泥を払って
なけなしの
つめの半月くらいの
くるぶしソックスくらい
詩 ・ バロメーター
バロメーターをひねると
ちょっと国が亡ぶ
だからバロメーターというのだ
神保町には岬があって
そこに牧歌的なひとが立つ
何かを眺めてる
ケジャンを食べている
バロメーターはなんだか
不審な顔で座っている
花のように
険しい目つきで
詩 ・ ケツァルコアトル探偵社
入社しました!
東銀座にあって
このたび
ホールディングスまがいの
へんまななえ
じゃなくてへんな名前
「いやな夢を見てもう生きものでいたくない」事件
「風当たり強め中学」事件
「ケンタッキー五臓六pパック」事件
「残り香狂伯爵」事件
「(株)居留守」事件
名だたるそれらを
解決したのです!
わたくしも導きたい
そしてもういわせない
けっしていわせはしない
貴社などと
なにをもってしても
詩 ・ 船だ、逃げろ
そういっておわる
小説があったね
ゆすり蚊とゆずり葉の
キメラ生物だった
あの日
あなたもわたしもね
展開が多いものがたりのように
白くてあたりまえな雪がふる
人工感情を移植してね
パイプだらけで生きようって
西も東も計算できない
ゆっくりとおるだけの通り魔
悪い予感が在野にあるね
そことおるからあけてって
いったのに 夫婦で待ってるのに
もう幾年たっただろう
ひとつの期待に
人生のすべてが収納さ
詩 ・ スプーンをひかげにいれろ
スプーンをひかげにいれろ
みなさんせんごがくる
それはにどめのおおきなせんごだ
rain と vain のあいだ--
みなさん(にゃあ)せんごがくる
このくには生き抜きにくいくにだ
むかし
と
わたしたちがいうとき
そこにあるのはかちかち
ただのかちかち
スプーンをひかげにいれろ
UVに耳をすませ
可聴域のそとで
こめがもちになる
わたしたちは
わたしたちのしらないば
詩 ・ 未来への気配
ときおり春の風がふいて
みじんになった世界が
ほほにあたる
都市のなかに惑星があると
信じる気もちがわいてきたら
未来の気配がしてきました
暴風雨のなかに
とんでいく猫
しめっぽかった
野生の話
ふあふあしたものが
今日だけは
ぬれぞうきんのように手にふれたら
チップをおく番号を
こころの地図で数えて
倒錯したお酒を
すこしのんで
かっけのけんさみたいに
ぴょんとはねるこころ
すがたの定まらな