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2020

2021になっても
街角の旗には2020
TOKYOが
いたるところで凍てついていて
FREEZE!
うごくなということばは
温暖化でなくなったの
しってる?
あの子もしななかった
デザート!なんていわれて
スイーツとまちがえて
2020のまま
時はとまって
もう動きだすことはなくて
ベンガル虎がベンガル
だけだとおもうなよ なんて
捨て台詞で廃びた
ディスタンスってのは
なんだ 空間じゃなくて
時間のことだったんだ
私と私の
ディスタンス
子どものときのオレとわたし
ぎっしりとことばをつめて
プチプチみたいに
個人発送して
とり戻せなくなったのは
時だということに
気づいたときには
動きださない
それもまた時になって
繰り返すのでも
突き進むのでもなく
ただマトリョーシカのように
入れ子になっていく時は
折り畳んでいくうちに
ひらいていく
プレゼントの箱の
大河のようなプチプチ
緩衝材の
干渉をゆるくして
それが本当のディスタンスだと
見しらぬ部屋で
ただ一人泣く。

わかっていないなら
もう一度来る。

頭を撫でて
頭を撫でてほしかった
だけなのに
その距離は
子どもの頃のように
甘やかで
レジンブロックに入っている
もうひらけないのかなと
おもったときには
ことばの出てくる
底を
見定め直して
時は動かない
おまえは美しくもない
宛先に
心当たりのない
置き配が
夜に動いている

               (詩「2020」#2)






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