マガジンのカバー画像

熱闘!見沼菜園クラブ&旬のお野菜情報

118
半農予備校・菜園起業大学を運営する野菜栽培レッスンプロが、菜園起業のモデル事業として運営しているのが「地元野菜宅配サービス・野菜のマイクロマーケット」です。その野菜生産拠点である…
運営しているクリエイター

2023年3月の記事一覧

苗の周りだけ除草方式で時間短縮?他

苗の周りだけ除草方式で時間短縮?他

2月まきの大根、ゴボウ、ニンジンが順調に発芽して育っています。同時に草も育ってきています。

今回、ちょっと考えてみて、「苗の周りだけ除草」を試してみました。

雑草は、「人間による擾乱を受ける環境に適応している植物」なのだそうです。

「擾乱」と言うのは、かき乱すと言う意味です。

例えば、「畑を耕す」とか「草を取る」とかと言うのは、人間の側からすると、農業をしていることになりますが、植物の側か

もっとみる
「根っこのないホウレンソウ」は意外と売れるかもしれない

「根っこのないホウレンソウ」は意外と売れるかもしれない

畑に植えられている野菜は、一株全部が「きれいな葉」ではありません。

そもそも、葉は新葉として出た後、生長し、成熟葉になります。その後は、老化葉になって枯れていきます。他方で次々と新葉が出て、成熟葉になっていきます。

いわゆる葉物野菜は、成熟葉が一定の枚数になっているものを収穫して出荷しています。

出荷時に、黄色くなった老化葉がついていると、店頭でみる消費者は「黄色い葉がついている」=「不良品

もっとみる
畑の雑草観察は、1反あたり4ヶ所程度の「定点観測」にすることにしました

畑の雑草観察は、1反あたり4ヶ所程度の「定点観測」にすることにしました

畑の野菜と雑草の観察、各畝で1枚づつ写真を撮り、畝を右・中・左と3つに分けて、雑草の被度階級を記録する方式でやってみました。

3反(3000平米)の畑に、100本以上ある畝について、右・中・左と3枚づつ写真を撮る方式に比べると、かなり「観察作業速度」はあがりました。最後の方は息切れ気味でしたが、とにかく、ほぼ全部の畝の記録をつけることができました。

しかし、かなり時間がかかりました。2時間以上

もっとみる
気候変動で直面するのは畑での野菜の「足」の早さかもしれない

気候変動で直面するのは畑での野菜の「足」の早さかもしれない

昨日は、地元野菜宅配サービス・野菜のマイクロマーケットのお野菜お届け日でした。

まだ、少しはホウレンソウや小松菜が採れるかなと期待していましたが、かなりトウ立ち(花芽がつくこと)が進んでいて、あまり収穫できませんでした。

また、10月まき大根もかなり花芽をつけていて、根っこの部分に「ス」が入り始めていました。(大根は花芽をつけだすと、葉や根に蓄えた養分を花芽に向かって転流するようになり、根に「

もっとみる
野菜栽培を始めた頃に協力してくれた人と再会する、効率的な農園の野菜や雑草の観察記録の残し方など

野菜栽培を始めた頃に協力してくれた人と再会する、効率的な農園の野菜や雑草の観察記録の残し方など

昨日は、としまNPO推進協議会主催の「えんがわ市」で野菜を販売しました。僕が野菜農家の「師匠」に弟子入りしたのが21年前。その頃に野菜の販売にご協力いただいた方に会場で再会しました。

まだ地域でいろいろ活動しているとの事、今後、改めてご協力いただけることになりました。

動いていると次々と出来事が起こりますね。

農園の野菜や雑草の観察記録をTumblrを使って残していこうと思ったのですが、実際

もっとみる
新興国が世界経済の中心となる時代の農業、草刈り作業と「優占種」雑草の変化を捉えた農作業、ニラやネギを地下茎タイプの草と捉える菜園デザイン等

新興国が世界経済の中心となる時代の農業、草刈り作業と「優占種」雑草の変化を捉えた農作業、ニラやネギを地下茎タイプの草と捉える菜園デザイン等

1990年代、日本は中東和平多国間協議の環境問題作業部会議長国でした。僕は中東によく環境調査にでかけました。

当時話題になっていたのは、日本がヨルダンに作った肥料工場です。

JA全農は、1996年、日本ヨルダン肥料株式会社を設立し、現地の工場を作りました。JA全農は、2011年にヨルダンから撤退、その後、中国のリン工場の株式を取得したとの事です。

リン肥料の原料となるリン鉱石は世界的に偏在し

もっとみる
備中鍬による畝立て法の改善、ニンジンの秋まきの時期、阿賀野市の牛ふん堆肥について質問して分かったことなど

備中鍬による畝立て法の改善、ニンジンの秋まきの時期、阿賀野市の牛ふん堆肥について質問して分かったことなど

この間、備中鍬による畝立て法を試しています。

畝を立てようとする場所に、雑草が生えている場合、平グワや犂だと草の根を掘り起こしながら、耕すのはかなり難しく、効率があがりません。

備中鍬の場合、草の根ごと掘り起こして、耕せるので効率がよいのではないか?

そう考えて、備中鍬を購入し、この間使ってきました。使ってみると、確かに草の根ごと掘り起こせます。除草+耕起+畝立てと言う合計でみた場合、作業時

もっとみる
半農生活のための農法・・・溝底育苗は成功するか?

半農生活のための農法・・・溝底育苗は成功するか?

半農生活で簡単に出来る野菜栽培法の確立と言うのも重要な課題です。

現在、見沼菜園クラブで取り組んでいる方法は、溝底での育苗です。

幅50センチから1メートルぐらい、深さ30センチ程度の「溝」を作り、その中にポットやセルトレイを置いて苗を育てる方法です。

こうすることで地上の気温変化の影響を受けにくくなる、真冬、真夏でもそれなりに育苗出来るのではないかと考えたわけです。

半農生活の場合、毎日

もっとみる
畑の雑草観察、保温の状況によりで生えている雑草の種類が違うので種類ごとに発芽・生育適温があるのだろうと思う、備中鍬による畝立て法の工夫、西鶴文学に出てくる野菜の漬物のことなど。

畑の雑草観察、保温の状況によりで生えている雑草の種類が違うので種類ごとに発芽・生育適温があるのだろうと思う、備中鍬による畝立て法の工夫、西鶴文学に出てくる野菜の漬物のことなど。

井原西鶴の好色一代男に「いま日が暮れて間もなき夜食、まづ蓋をあければ小豆食、『これはおもしろい、鯖きざみて穂蓼置き合わすこそ心にくし』と思えば、湯を飲むまで香の物を出さず」と言う描写が出てきます。

日が暮れてすぐの夜食の蓋をあけると小豆飯だった。これは面白い、鯖を刻んで穂蓼(タデの穂)が付け合わせてあるのはよいと思ったところ、湯を飲むまで香の物が出てこなかった

いくつか思うのは、雑穀を炊き合わ

もっとみる