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気候変動で直面するのは畑での野菜の「足」の早さかもしれない

昨日は、地元野菜宅配サービス・野菜のマイクロマーケットのお野菜お届け日でした。

まだ、少しはホウレンソウや小松菜が採れるかなと期待していましたが、かなりトウ立ち(花芽がつくこと)が進んでいて、あまり収穫できませんでした。

また、10月まき大根もかなり花芽をつけていて、根っこの部分に「ス」が入り始めていました。(大根は花芽をつけだすと、葉や根に蓄えた養分を花芽に向かって転流するようになり、根に「ス」が入ってきます)

カキ菜やのらぼう菜がかなり花芽をつけていたので、代わりにそちらを収穫して、お客さんにお届けしました。

ふと思ったのは、気候変動で直面するのは「畑における野菜の『足』の早さ」かもしれないと言うことです。

よく気候変動が農業にどう影響するかと言う予測で、気温が●●℃あがると、本州でいままで採れていた〇〇が栽培できなくなり、熱帯系の◎◎が栽培できるようになるみたいな話があります。

実は、2020年代のさいたま市は1980年代に比べて、11月-1月は最高気温のレベルが約1℃、2月は約3℃高い状態になっています。

ですから、「温暖化」はもう予想・予測の話ではなく、現実に起きている出来事と捉えた方がよいと思います。

それだけ暖かくなっていて、大根やホウレンソウが栽培できなくなっているかと言うと、栽培は出来ます。

ただ、今回感じたように、「畑で保たなくなってきている」と言うことはあります。生長が早くなっている分、畑での野菜の「足」が早くなってきているのです。

周囲の農家さんの様子をみていると、例えば、10月まきのホウレンソウはもうトウ立ちしていても、12月まきのホウレンソウは収穫出来ていたりします。

冬場の気温が高くなっているので12月にホウレンソウを種まきしても3月までに育つ、10月まきのホウレンソウがトウ立ちしていても12月まきはまだなんとか収穫できる状態のようです。

10月まき大根については、もっと根が太るはずと思わず、いったん抜いて、葉や吸収根を切り、土に「埋める」と言った処理をしてもよいかもしれません。(光合成や養分吸収が一時的に止まり、それ以上の生長をしなくなるので、トウ立ちが抑えられます。)

つまり、「暖かい冬」が野菜の生長を促進し、3月における「足」の早さにつながっているとすれば、その「足止め」をする栽培方法や農作業の工夫をすべきだと言うことです。

2週間予報は、ソメイヨシノが満開になった後、雨が降る日が増えるとしています。

気温は15℃以上を維持しているので日がさす時間帯があれば、光合成は活発に行われ、野菜の生長は進むでしょう。

通常、4月下旬から5月にお届け可能になる2月まきの春野菜が4月早々に収穫時季を迎えるかもしれません。

「暖かい冬」、「暖かい春」を前提にした野菜栽培のあり方を検討すべきと思います。

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