📚【出版】社会派ミステリー小説『PHASE』紙の本のご案内　（電子書籍は kindle unlimited 対象。⚠️この記事の後半は、フィクションの意義と思考停止の脅威についての話）

悠冴紀著の社会派ミステリー小説『PHASE』上巻

【内容紹介】

「僕らの生きるこの扉なき世界は、平和のヴェールに包まれた戦場なのかもしれないね」

この世界の裏側で、何かがすでに動き出していた。

対カルト教団の熾烈な情報戦を描いた、切り口鋭い社会派ダーク・ミステリー。

「私たちは一体どの時点から、道を誤っていたのだろう」

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失踪した弟を捜して調べを入れはじめた姉の絵梨は、番組制作会社に勤めていた弟の足取りから、あるカルト教団の存在に行き当たり、“相転移計画” と呼ばれる危うい目論見を知るが、事件に深く関わりを持つ謎の男『Ｊ』との接触により、やがて思いも寄らない泥臭い攻防戦に巻き込まれていき……。

「俺みたいな奴が出てくるのは、他のあらゆる平和的手段が失敗に終わったときだと思えばいい」

「本当の怪物は、どっち？」

推し進める者と止めようとする者、別な思惑を胸に忍び寄る者……。切れ者タイプの登場人物たちがアンダーグラウンドで衝突し合い、葬られた真実を暴き出していくも、歴史は再び、繰り返されてしまうのか──？

まさかのどんでん返しで二転三転する、疾走感のあるノンストップ・サスペンス。

「真実や現実など、誰も本当には知りたがっていない。人々の多くは、自分好みの幻を真実だと言ってくれる者を捜しているだけ。そういう者が組織化する大きな力の一部となることで、大義名分を味方につけ、個々人の罪の意識を麻痺させながら、仮面の下で膿んできたものを爆発させたがっているのだ」

「こんな世界は、もう要らない」

哲学的な掘り下げでペルソナ社会の闇に斬り込んでいく、物議を醸す問題作。

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※2016年に同出版社より刊行したヨーロッパ舞台の『JADE ～表象のかなたに～』は、本作『PHASE』で人気を博した一部の登場人物たちを活かしてのスピンオフ作品であり、シリーズ第二弾に当たります。更に、その『JADE ～表象のかなたに～』の後日談的なストーリーで構成された作品『翡翠の神話ミュートス』は、事実上のシリーズ第三弾に当たる作品です。

この作品『PHASEフェーズ』は、2012年に文芸社から出版した過去作品（文庫本）を、上下巻に二分冊して加筆修正した社会派のミステリー小説ですが、今回一番の違いは、単行本（正確にはＡ５）にサイズアップした点です。老眼世代の方々から、文庫本の文字サイズでは読みづらいという指摘が複数あったもので(^_^;)　（私自身はというと、元々が近視の乱視なので、近付きさえすれば小さい文字でも難なく読めるんですけどね👀）

さて、先ほどから記事内に貼り付けて掲載しているこれらの画像👆が、今回再出版した小説『PHASEフェーズ』の実物画像です。予告通り、表紙自体に光沢はあるけどカバーなしの洋書仕上がり。いかがでしょうか？

文庫本とは違い大きめのフォントで甦りましたので、「それなら読んでみよう」と思ってくださる方は、この機に是非ご購読ください▼

📖「PHASE　上巻」

📖「PHASE　下巻」

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⚠️ところで、すでに何度か注意書していますが、小説家としての私は基本的に、多くの人たちに美しいとか正しいとか思われがちなものを、更に美辞麗句を尽くして賛美するような無難な書き手ではありません。「これは大いに問題ありで書き応えがありそうだな」と思う人物や物事にあえて目を向け、寓話やリスク・シミュレーションという形で問題提起をしたり、「それはさすがにどうよ！？😰」と疑問に思われるような際どい展開（物議を醸す内容）で後味の悪さを残したり、一見どんなに魅力的に見える人物や事柄でも、何一つ完全には美化できない印象を残したりする、違和感重視の書き手です。なので、自分自身が真っ当すぎて、捻りのきいた表現やブラックユーモアなどの言葉遊びが理解できない、というタイプの人が読むと、文字通りに不健全な世界を描いただけのショッキングな内容と映り、不快に思われる場合があります。特に宗教的な善悪の概念を色濃く持つ人などは、「この手の作品の後ろにあるのは反社会的な悪意に違いない。人様をいたずらに不安にさせたり怖がらせたりして楽しむ、倫理観の壊れた悪質な作者だ」と解釈し、著作者に敵意を抱くことすら有り得ます。

実際、以前このnote上で、宗教用語・スピリチュアル用語満載の投稿をしているのに心理学と言い張り、一見それと気づかせない言葉巧みなマインド・コントロールで、人様を思考停止に導こうとする教祖様気取りの胡散うさん臭くさい人物が、この作品を読んでブチ切れ、フィクション作品を通して現実の存在である作者を罵倒する、という筋違いな事件が起きました。「だからそもそもフィクションですって💢」という話ですが、絶妙にその本人にそっくりな人物（＝まさにカルト教団の教祖）が登場してきて、自分の信じるものを片端から全部引っくり返すようなことが作中に記されていたため、価値観の違いから、相手（つまり私）を全否定しなくては気が済まなくなった模様です。

作品に対する講評という形であれば、たとえどんなに酷評であっても受け取る価値が大いにありますが、フィクション小説を自己啓発本や宗教の経典みたいなものと捉え違えたり、登場人物イコール作者と勘違いしたりした上で、書き手の人間性を狭義に決めつけ、誹謗中傷をし始めるような輩は、そもそもフィクションや小説という言葉の意味すら理解できないド阿呆と思われます。（確かハリポタの作者も、あそこまでわかりやすく飛躍したファンタジー作品なのに、「子供たちを惑わす悪魔の書だ。こんなものを世に出してはいけない」とか真顔で言う宗教色の濃い人たちに、非難の的にされていましたね💧）　まして、フィクション小説の中に、自分の価値観とあわないことが書いてある気がしたからといって、「貴様は考え方の根本からすべて完全に間違っている！　正しいのは私のこういう考え方だ！」とばかりに怒りをあらわにし、思想矯正のようなことまで始める人は、末期レベルの「自分は正しい病」患者です。（←しかもこういう奴に限って、人様に対しては「正しいとか間違っているとか判断するな」なんて偉そうに説教していたりするから、滑稽こっけいです💧　虐待加害者がニュースで自分の類似例を見聞きして、「自分の子供にあんなことをする人がいるなんて、理解できない。悪い人がいるもんだね〜」とか言うアレと、同じですね。）

寓話やリスク・シミュレーションというのは、本来、「こんなことはなるべく実際には起きてほしくない」とか「こんなことをしていると、いつか大変なことになりますよ」と思うようなことを、実害のないフィクションの中であえて描いて、普段は見落されがちな「今そこにある危機」や、その他様々なタイプの罠や落とし穴や問題点について考える機会を得てもらうことで、転ばぬ先の杖としてもらう警告の類いに入ります。ですが、自分自身がまさにそういう罠を散りばめ、人様を言葉巧みに宗教だか何だかの自分の世界に引きずり込もうとしている立場の人から見れば、そりゃまあ私のような書き手は天敵に相違なく、叩き潰すべき極悪人という位置付けになるんでしょうね😓

そもそもの疑問として、なんでまたそんな奴が私みたいな捻くれ者に興味を示して、作品を読む気になどなったのだろう？　一体何を期待していたのだろう？　という話ですが、まあ、思考停止を美徳としているような人物というのは、こちらがいくらこういう注意書をして判断材料を与えたところで、判断、、しよ、、うと、、しな、、い、のが最大の特徴なのです。判断とはまさに、思考、、する、、こと、、ですから。相手が何者であるかを見極めようとすることも一切なく、「これも何かのご縁♪　出会うべくして出会ったに違いない♪」と運や巡り合わせに委ねるばかりで、こちらの「NOノー❌」や「あんたは無理！👊」といった意思表示を、一切尊重してくれません。（意思というのも思考判断の一種ですから、彼等思考停止教の信者や教祖にとっては、丸っきり無意味なのです。）

私の作品の場合、ジャンル自体からして「ノワール」であったり「サスペンス」であったり、不自然と知りつつ あえて「ミステリー」の前に「ダーク」という一語をくっつけて、「ダーク・ミステリー」などと自称しているくらいですから、判断力のあるまともな人間なら、楽園のような理想の世界を描いた清く正しく美しい物語などでは有り得ないと、一目瞭然でわかるはずなんですけどね💧　清廉潔白で無難な人物ばかりが登場してきて、人に優しい癒し系の展開しかしない真っ直ぐな話、なんてものが、「ノワール」や「サスペンス」や「ダーク・ミステリー」に分類されるわけがないでしょうに🤣

そんなわけで、皆さんも、縁や運や見えない何かのお導きとやらに委ねるばかりでなく（←ある程度までは肩の力を抜いてそういう見方も取り入れていいと思うけど、やはり何事もバランスが大事ですから！）、ちゃんと自分の目で見て、ものを考え、道を選ぼうとする判断責任を放棄しないようにしましょうね～ A^_^;)　でないと、避けられたはずのリスクを避けられずに自分自身が痛い目にあったり、ついでに身近な人たちまで巻き込んで迷惑をかけたり、「知っているのに分かっていない」という間抜けな態度の数々で、悪気がなくてもトラブルばかり招くような人間に成り果ててしまうかもしれませんよ😰

─── いやあ、思考停止って、やっぱり傍迷惑で危険ですね～💣

私はこれからも、臭いものに蓋をせず、むしろとことん臭いところを掘り下げて足元に潜む問題や闇を抉り出す形で、多角的に立体的に、陰影のある物語を書き続けていこうと思います。たとえベクトルを逆に向き変え、委ねるだけの思考停止へと向かうことが、色々な不都合な意識から自分を解放し、今この瞬間を楽に生きられる最短の道なのだとしても、一生そんなままで済ませられるはずがなく、うやむやにしてきた多くの問題が、いずれ必ず背中に追い付いて立ち行かなくなる日が来るであろうことを、私は知っているから。

……あ、こんな話ばかりしていると、何やら小難しそうな印象を受けるかもしれませんが、私の作品（小説）はエンタメ要素もそこそこあって、教科書的な堅苦しさは特にありません。なので、単に刺激的なスペクタクルとして楽しんでくれている読者も、一定数います。その場合は大抵、小難しい部分（← 哲学的な掘り下げや警句や教訓など）を、すべて登場人物たちの魅力の一部と見なすか、あくまで作品を締まりのある仕上がりにするための構成要素やカラーと捉えてくださっているようです。だから安心してご覧ください。

勉強嫌いの子供がそのまま大人になった、みたいな感じの人たちが、よく「文学」や「作家」や「小説」という一語を聞くだけで、条件反射的にイヤ～な表情を浮かべて、苦手意識をあらわにしてきたり、肩書きだけで何故か勝手にコンプレックスを抱いて「作家先生だからって偉いと思うなよ」と、揚げ足取りのマウンティングで猛攻撃をしてくることが、ここ日本ではよくあるのですが、別に、上から目線で作者の考えを教え諭して導いてやろう、なんていう押しつけがましいものではありません（笑）　小説は、宗教でも自己啓発本でも学校の勉強でもありませんから。

フィクションであるからこそ、最終的に作品をどう捉えるかは読み手次第。そして物語全体に対する印象や反応の仕方には、読み手それぞれの経験から来る感性や価値観、趣味嗜好などが反映されるものです。（たとえば「家族愛がすべて！」というタイプの人が私の作品群を読むと、大抵は虚しさを覚え、「救いのない絶望的な話だった」という反応になりがちだし、「シニカルな言い回しに痺れる！」というタイプの人が読むと、「痛快で楽しかった！」という反応になる (^_^;)　そこから読み手それぞれの人物像、つまり何を大切に思い、何を恐れているか、どういう生き方をしてきたか、などといったことが窺い知れるわけで、それはそれで面白いものです♪）

作者の立場からできることは、あくまで警告止まりか、読み手それぞれの心に揺さぶりをかけて、ちょっとした刺激を与えるところまでです。（目的意識が過剰になり、意図的に人様の意思を操作しようとしたり押し付けたりするレベルになると、それこそまさに独善的な洗脳術ですから。そうならないためにフィクションという形を選んだ、といってもいい。）以前投稿した村上春樹さんのスピーチの内容にも通じる話ですが、思考や感情を麻痺まひさせてしまいがちな、システマティックでパターン化された仕事人生や日常生活における、魂の錆び付き防止みたいなもの、とでも言っておきましょうか。

──ああ、なんかものすご〜く長くてクドい注意書（？）になりましたね。失礼しました🙇　まあそんなこんなで、大いに読み手を選ぶクセの強い作風ですが、皆さんにも楽しんでもらえると幸いです💦

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