見出し画像

まいにち易経_0620【助けを求めて吉】馬に乗りて班如たり。婚媾を求めて往けば、吉にして利ろしからざるなし。[03䷂水雷屯:六四]

六四。乘馬班如。求婚媾。往吉。无不利。

六四は、乗馬班如《はんじょ》たり。婚媾こんこうを求む。往けば吉、利あらざるなし。


大臣(六四)が、君主(九五)を補佐するために馬で出発したものの、自分の能力不足を感じて途中で引き返す。能力不足を補うため、優秀な部下(初九)を抜擢して共に君主を支えれば全てがうまく進んで行く。

ある企業の新人研修に招かれた老易学者が、
未来のリーダーを担うポストZ世代の若者たちに向かって語る

『水雷屯』六四は、大臣が君主を補佐するために馬で出発したものの、自分の能力不足を感じて途中で引き返す様子を描いています。ここで重要なのは、大臣が自らの力不足を認識し、それを補うために下位の優秀な部下を抜擢するという点です。これにより、全てがうまく進むという教えが込められています。リーダーとしての皆さんは、新しい挑戦や困難に直面することが多いでしょう。その際、全てを一人で解決しようとするのではなく、自分の限界を認識し、他の人々の力を借りることが重要です。

『水雷屯』六四の教えは、謙虚さと協力の重要性を強調しています。自分の力だけで何とかしようとするのではなく、他の人々と協力し合うことでより大きな成果を得ることができます。これは、リーダーシップにおいて非常に大切な要素です。また、新しい知識や方法を取り入れることの重要性も教えています。現代のビジネス環境は常に変化しており、過去の成功方法が通用しないこともあります。そのため、リーダーは常に学び続け、新しいアプローチを取り入れる柔軟性を持つことが求められます。

デジタル変革が進む中、伝統的なビジネスモデルでは立ち行かなくなった企業も多いです。しかし、新しいテクノロジーを積極的に取り入れ、変化に対応した企業は成功を収めています。このように、新しい知識や方法を取り入れることで、組織は成長し続けることができるのです。

ここで、現代のリーダーシップにおける具体的な教訓をいくつか挙げてみましょう。

自己認識と謙虚さ:リーダーは自分の強みと弱みを正確に認識することが重要です。これにより、自分だけで解決できない問題に直面したとき、適切に助けを求めることができます。
チームワークの促進:効果的なリーダーシップは、チーム全体の協力を促進します。メンバーそれぞれの強みを活かし、全員が一丸となって目標に向かうことで、より大きな成果を達成できます。
継続的な学び:リーダーは常に学び続ける姿勢を持つべきです。新しい情報や技術、方法論を積極的に取り入れ、変化に柔軟に対応することが求められます。
適材適所:チームメンバーのスキルや特性を理解し、適材適所で役割を割り当てることが重要です。これにより、チーム全体のパフォーマンスが向上します。

皆さんが将来のリーダーとして成長するためには、今日お話しした易の教えを心に留めておいてほしいと思います。謙虚さと協力の精神を持ち続け、新しい知識と方法を積極的に取り入れることで、どんな困難にも立ち向かい、成功を収めることができるでしょう。


参考出典

何とかしなければと馬に乗ったものの、自らの力不足を知って、地位が下の英傑に助けを求めるのは吉である。
これは新しい物事の始め、また新たな改革を行う時は新しい知識や方法が必要であることを教えている。
班如はんじょ」とは引き返すこと。「婚媾こんこう」は婚姻を意味するが、ここでは下位の人に助けを乞うという意味。

易経一日一言/竹村亞希子

#まいにち易経
#易経 #易学 #易占 #周易 #易 #本田濟 #易経一日一言 #竹村亞希子 #最近の学び #学び #私の学び直し #大人の学び #学び直し #四書五経 #中国古典 #安岡正篤 #人文学 #加藤大岳 #水雷屯
#創作大賞2024 #オールカテゴリ部門


この記事が参加している募集

#最近の学び

181,685件

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?