湿布を貼る程治らない〜9割の人が知らない正しい貼り方と副作用〜

病院で貰ったから
肩が凝ったから
そんな理由で気軽に、何も考えずに、湿布を貼っていませんか?
手軽に貼れる湿布ですが間違った貼り方をすると、かえって悪くなってしまう事も!
今回はそんな手軽な湿布の正しい使い方と間違った使い方による意外と怖い副作用について書いていこうと思います。

湿布の効能...説明できますか?

まず皆さんに想像して欲しいのですが、あなたが「湿布」を貼る時ってどんな時ですか?ぶつけた時?ひねった時?肩凝り?腰痛?...。そしてあなたが貼ったその湿布、なんで貼ってるのか、説明出来ますか?

「そんなの痛いからに決まってるだろ!」

という返事が返ってきそうですが、それでは説明として足りないのです。
痛いから貼る→貼ったら体がどう変化する→結果どうなるか
ここまで流れを追って理解していきましょう。分かりやすく箇条書きにすると

①血管が縮む
②血液の流れる量、勢いが減る
③筋肉、神経へ送られる酸素の量が減る
④神経の働きが鈍り痛みが感じにくくなる

となります。「なんだ!最終的に痛みが感じにくくなるなら痛いから貼るで正解じゃん!」そう思った方も多いと思いますが①〜③の部分もしっかりと考えなくてはなりません。ここを理解しているかどうかで「痛み」を感じながら生きる時間が長くなるのか、大幅に短くなるのかが決まります。あなたの人生を痛みに振り回されないように、しっかり理解しましょう。

①血管が縮む
湿布を貼った時、湿布に含まれる消炎鎮痛成分が皮膚から吸収され、まず血管が縮みます。

②血液の流れる量、勢いが減る
血管が縮むと血液の流れる道が狭くなるので血液の流れる量と勢いが減ります。何故血管を縮めようとするのか。分かりやすく切傷で説明すると、皮膚と一緒に血管が切れ、そこから血が溢れ出てくる。この時、血管を水道管に見立てると、細い水道管と太い水道管では破裂した時に細い水道管の方が水の出る量と勢いが少ないですよね?出血が起きている時、血管も細くした方が失われる血液の量が少なく済み、早く出血が止まるという利点があります。だから血管を縮めようとするのです。
分かりやすく切傷で説明しましたが、内出血も同じ。打撲や骨折などで皮膚の下で出血を起こした時(内出血)も血管を縮める事で出血量を減らし、早く出血を止めるのに湿布を貼るのは有効な方法なのです。
ここで注意が必要なのは慢性的な肩凝りや腰痛。肩凝りや腰痛って炎症が起きてる状態なのでしょうか?そして内出血は起きていますか?起きていないですよね?という事は湿布を貼る事は本当に早く治すのに有効な方法なのか。これは湿布の副作用にも繋がる所なので副作用の部分で詳しく解説します。

③筋肉、神経へ送られる酸素の量が減る
④神経の働きが鈍り痛みが感じにくくなる
血管が縮むと出血の量が抑えられるのは理解しやすいかと思いますが、それと同時に筋肉、神経へ送られる酸素の量が減る、ここも理解する必要ががあります。血液は酸素を全身に運ぶという重要な働きがあります。神経へ酸素が送られないと働きが鈍り痛みが感じにくくなる。ここだけ見るといい面しか見えませんが、酸素が供給されにくくなる事による副作用、ここが一番重要な部分、この記事を書いて僕が一番伝えたい部分です。この後の副作用の項で詳しく説明します。

こんなにある意外と怖い副作用

そもそも湿布に副作用がある事を意識していない方が多いのですが、湿布も薬、効果がある分副作用もしっかりあります
湿布が副作用を引き起こす原因はズバリ血管を縮める事。血管を縮めると血液によって運ばれる酸素の量が減り、副作用として症状が出るのです。供給される酸素の量が減る事でどんな副作用が出るのか、部位ごとに説明していきます。

①皮膚
長年に渡り湿布を貼り続けた部分は酸素不足と代謝が落ちることにより皮膚が真っ黒になります。人によっては全く同じ部位に貼り続けるので腰などが四角い形で黒くなっていて、意識してみると医療従事者ではなくてもすぐに湿布の跡だと分かるほどです。

②神経
感覚が鈍くなる。そして本来怪我を治すのに安静にしていなければいけないのにも関わらず、痛みを感じない為に無理をしてしまう。結果湿布の効果が切れた時に貼る前より酷い痛みに襲われる。
「朝起きたら腰が痛くて動けなかったけど湿布を貼ったら治っちゃったよ!」
という方が時々いますが、僕からすると
「骨折したけど部分麻酔打ったから治っちゃったよ!」
と同じ意味に聞こえます。
湿布を貼ったら治った。
これがいかにおかしな事を言ってるか分かりましたか?

③筋肉
筋肉も血流量が減る事で酸欠を起こします。この状態を一般的に「コリ」と表現します。感の良い方はもう分かったかと思いますが、酸欠状態であるコリに湿布を貼る。これもおかしいですよね。コリを解消するには筋肉に沢山酸素を送らなければいけない。酸素を送るには血流量を増やさなければいけない。湿布を貼る事で血管を縮めてしまってはコリは酷くなる一方なのです。これが湿布による筋肉への副作用です。

④体温
血液の役割として酸素を運ぶ以外には熱を運ぶというものもあります。血液の流れが悪くなるという事は体を巡る熱の量も減る。つまりは体温の維持がしづらくなります。体温が下がる、内臓の働きが悪くなる。そんな事も副作用として考えられますよね。
「湿布を貼ってるのは部分的なんだから貼った場所にしか影響でないでしょ?」
と思われた方、湿布に含まれる薬は血液によって全身に運ばれます。貼った場所だけに効果と副作用が出るなんて事はないのですし、その他の薬や飲み薬も痛い所だけに効くなんて事は無いので覚えておきましょう。頭痛薬などをあまり飲み過ぎない方が良いのもこの辺りの理由からですね。

何故病院で湿布を処方するのか

ここまで湿布の怖い部分を沢山お話ししましたが、では何故病院に行くと多量の湿布が処方されるのか。ストレートに言ってしまうと病院が儲かるからですね。処方するというのは販売しているようなものですから、沢山処方すればその分のお金が病院に入るんですね。しかも保険を使うことにより患者さんが負担するのは3割(75歳以上に至っては1割)ですからどんなにたくさん処方しても患者さんが負担に感じる事はほとんど無く、苦情になったり敢えて拒否する事もないですからね。そして一時的にでも痛みを感じなくなり治った気がする。治療をする事なく治ったように思って貰えてお金にもなる。病院も慈善事業でなないですからこれ程おいしい話はないでしょう。
※医療費削減が話題になり、湿布の処方量に関しての規制がかかってきてますが、それでも沢山の湿布が処方され続けてるのが現状です。湿布は貰ってるんじゃなくて医療費で買っている。医療費削減や健康保険料が高すぎると問題になっている今、保険の使い方を少し考えて頂けたら嬉しいです。

冷湿布と温湿布の違い

最後に湿布の話をするとよく受ける質問を。「コリを温めると血液循環が良くなって楽になりますよね?だったら温湿布を貼れば良いんじゃないですか?」
答えはNGです。温湿布は患部を温めると勘違いしている方が多いですが、暖かく感じるのは湿布表面にカプサイシンという唐辛子パウダーのようなものがついており皮膚表面が温かく感じているだけなのです。実際は冷湿布と同じく血管が縮む事により患部を冷やしていますので、この記事を読んだ皆さんは今後気を付けて下さいね。

湿布の正しい使い方

湿布は貼らない方が良いー!と書き続けたきたわけですが、勿論湿布を貼った方が良い場合は有ります。それは打撲や捻挫、骨折など「今」怪我をして内出血が起きたり腫れが出ている場合。この場合は「RICE処置」(いずれ別の記事で詳しく書きますね)と合わせて積極的に湿布を貼りましょう。1つ注意するとしたら湿布を貼る期間は1週間くらいまでにしましょうね、という事。あくまで内出血を抑えるため。腫れや内出血が治ってきたら湿布もそれ以上は貼らなくて大丈夫です。

慢性的な症状はどう対処するか

ここまで読んで頂いた方は「コリ」や「慢性痛」に対して湿布を貼らない方が良い事は理解して頂けたと思います。ではこれらの症状が出た場合はどう対処したら良いのか、それはズバリ血液循環を良くする事。温める、マッサージを受ける、温泉に入る、軽症の場合はこの辺りが効果的です。これらでも改善しない中度〜重症な物に関しては根本から循環改善をしてくれる治療院やそれに付随する施設を探しましょう。慢性痛に関してはしっかりと循環改善されるとその場で楽になる事が往々にしてあります。良い治療院の見極め方として、その場ですぐ楽になるか、それが持続するか、を自分の体で感じる事が出来るかで判断したら良いかと思います。

〜まとめ〜

湿布について詳しすぎるくらい長々とかいてしまったので分かりやすくまとめると

湿布は内出血や腫れが起きてる場合に長くても1週間以内を目安に貼る。

慢性痛に関しては湿布を貼るのではなく、血液循環を良くするような対処をする。

という事ですね。究極的に伝えたかった部分はこれだけです。この2点、是非覚えて下さいね。

クスリはリスク
一方の面だけでなく、反対から見た面(副作用)についてもしっかり考えて使いましょう。(クスリを反対から読んでね、笑)
今回は湿布について詳しく書きましたが、塗るタイプの消炎鎮痛剤やその他の飲み薬に関しても、処方されたから、薬剤師に勧められたからと安易に飲むのではなく、効能や副作用をよく理解した上で飲むようにしましょう。
(薬の説明書はよく読んだ方が良いですよ。)
(湿布の効能に治るという文字が無い事を自分の目で確認してみるのも良いですね。対処療法にしかならない事を知るのは大事な事)

この記事を最後まで読んでくださったあなたが痛みに対する正しい対処の仕方が出来るようになってくれたら嬉しいです。
そして僕は自分ではどうにもならない痛みやコリの改善をお手伝いするべく、これからも僕の元を訪れてくださる方への施術と、このような記事を書き続けていけたらと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。

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