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ねえ、忘れないでよ。

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ベーシストの想真と引きこもりの瑠衣。 ふたりは 思いもよらない出逢いを知って 思いもよらない別れを知る。 運命って信じますか? ねぇ、忘れないでよ。
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#ねえ忘れないでよ

理想と現実と真実と#09

~please noise~

「ソウマらしいと言えばソウマらしいよな。
あんなに嫌がってた髪も切って染めて
積年の想いが積もったアクセサリーまで捨ててまるで
人生最後の日ってわけじゃあるまいし。」

「ある種の決別、禊のカタチなんだろ、それが。」

「そうそう。だからソウマらしいんだって。
あのマンションの存在もそういうことしてたから
ずっと言えなかったわけで。多分さ、世間一般とズレてるんだよな

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天使の歌声#08

懸命に頭を下げた。

「お前の音に対する心のコンパスってそんなもんだったんだな。
呆れたよ。見たことも何も知らないそいつのため?
そいつのためだけに奏でたい?」

シンラも僕も本気だった。
トキオはブラックコーヒーをすすりながら、ただ聞いていた。

「そこにひとりでもいるなら全力で、鳴らす。それが僕たちの
演り方じゃなかったのか?」

「それはそうだ。だけど俺たちであって、ソウマのソロでの話じゃな

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大人になるということ#06

当然のことながら提携レーベルから
大バッシングを食らった。
「俺たちの音楽。俺たちの信条。今回のシングルの宣伝に関して
自費で負担してます。何か問題ありますか?」
シンラはいつも通り強気な発言を投げる。
ここはパートナーシップを結んだレーベルの【理事室】だ。
でも音に一片に対して触れられた
シンラは、僕たちは、そんなことどうでも
良かったんだと思う。

「自分たちのしたこと分かっているのかね?

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サブリミナルレター#05

3stシングル「恋文」は結果的に言うと惨敗だった。

でも大袈裟な言い方だが世界同時時刻ジャックは
異例の試みとして大きな反響を呼んだ。

FC加入者数およそ12万人。

ミリオンセールスを記録したこともある僕たちだけどその1割。

反響と言っても良くも悪くもと言ったところだ。

【Moon Raver はファンを捨てた。】
と囃したてるメディア。

スタッフからは
匿名掲示板でも似たような書き込

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リミテッドジャック#03

二人の妥協案はもうこの生活に限界が来たら海外にでも移住する。となったらしい。僕がチャットに夢中になっている間に気がつけば二人で次のシングルについて話し合っていた。スタ練に遅れてくる程の僕だから大体話し合いには相槌程度の参加しかしない。二人の総意に対して判を押すような役目を担っているのかもしれない。決して音楽への熱量が二人より希薄だとかそういう訳じゃない。ただ僕たちは自然とこうなっただけの話だ。

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普通の人になりたい#02

そのアプリを開いた。いや開いてしまった。

友達リクエスト?なんだこれ。
相手の性別も分からない。

性差がどうってわけじゃないけど。

とりあえず承認してみた。
なんだこのアプリ、フォレストポリス??

直訳で多分、警察の森?森の街?なんだろうこれ。

携帯をスリープにしてスタジオに向かう。

ただ時間を潰したくて楽器を流し見しに下北沢に来ていただけだった。

まあこの近くに頻繁に利用しているス

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忘れていることを忘れていた#01

人が行き交う。タクシーが往来する。

人の数だけ言語、性別、食文化、趣味、嗜好、価値観、性格、座右の銘。

人について知ろうと思ったら枚挙に暇がない。

こんなに急いでこの人たちはどこから来て、どこへ行くんだろう。

よくそんなことを考える。

東京という街は全国からなぜか人が集まってしまう。

夢や目標や憧れ。なんとなく上京したんだって

言ってみたくてなんて人もいる。

僕もそのうちの一人。

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