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新型コロナウイルスが流行したことで、「巣ごもり」という言葉が流行り、家の中で過ごす人が増えた。また、在宅勤務という新しい働き方もできたことで、座る時間がとても増えている。ということは通勤しない分、歩かなくなっている。発生から約2年半、勤務状況は変わりつつあるけど、変わらないのは年金暮らしの高齢者だ。

先日ある高齢者から「座っていると、ふくらはぎがむくんできて、だる重いんです」と言われた。「エコノミークラス症候群」になる可能性があると言ったら、病名も危険度もご存じなかった。飛行機に乗ることでなりやすいことからこんな病名になっているけど、家でも危険なのは同じだ。

【エコノミークラス症候群とは】
食事や水分を十分に取らない状態で、車などの狭い座席に長時間座っていて足を動かさないと、血行不良が起こり血液が固まりやすくなります。その結果、血の固まり(血栓)が血管の中を流れ、肺に詰まって肺塞栓などを誘発する恐れがあります。

ふくらはぎ等でできた血栓(けっせん=血のかたまり)は、血管の中を流れて脳まで到達した時、脳内の細い血管で詰まることにより、脳塞栓(のうそくせん)となる。死に至るのでとても危険だ。

脳梗塞(のうこうそく)には「脳血栓(のうけっせん)」と「脳塞栓(のうそくせん)」の2種類があります。

脳血栓
脳の動脈が硬くなり動脈硬化が進むと、血管が狭くなります。すると血液の流れが悪くなり固まりやすくなります。そうした状態が進むと血栓(血のかたまり)ができ、血管内をふさいでしまうことに。この状態を脳血栓といいます。

脳塞栓
脳塞栓とは、心臓弁膜症、不整脈などで血液の流れが悪くなりできた血栓が脳まで流れてきた血管をふさいでしまった状態のことです。これを「心原性脳塞栓症」といいます。

【それぞれの症状】
アテローム血栓症脳梗塞
睡眠中や起床時など安静にしているときに発症することが多いといわれています。片麻痺や言葉を正しく発することができない、言葉が出てこないなどの症状がみられます。

ラクナ梗塞
症状は比較的軽いことが多い。発症した後の回復も早いといわれていますが、何度も繰り返すと脳血管性認知症になる可能性もあります。

心原性脳塞栓症
日中行動しているときなど活動時に発症します。片麻痺や意識障害がみられ、重篤な症状になることが多いです。

私は時々、高齢者に「ご飯食べる時くらいは、立って食べたらどう?」と、言ってみる。すると「食べる時くらい、落ち着いて座らせてよ~」と言われる。「いやいや、一日中座ってるんでしょ? じゃあ、いつ立つの?」と言ったらみんな笑ってる。そう、笑ってごまかしてこの話は終わるのだ。だから何も解決しないまま終わるということになる。

不思議に思われることだけれど、立っているより座っている時の方が腰への負担が重い。本来、腰は座っている方が辛いはずなのだ。しかし足を考えると、座ってる方が楽なので、すぐに座ろうとしてしまう。

電車で高齢者が乗ってきた時、席を譲るべきか否か? 一般論としては席を譲る方が正しい。しかし、電車に乗ってる時こそ、立っていると体が揺れて足腰を鍛えることになるので、その方が本当の優しさだ。という考え方もある。だから、高齢者が電車等に乗る時は「座りたいのか、立っていても良いのか? という意思表示の札を付けておいてほしい」と考える。親切に席を譲ろうとしているのに拒否される高齢者が時々いる。意思表示があればお互い気持ち良くいくはずだ。

一説によりと「座ることは病気だ」と唱えている医師もいる。それが合っているかどうかは別として、座りっぱなしの日々が危険であることは間違いない。こまめに立ったり歩いたりして、とにかく体を動かしていただきたい。

コロナ禍で高齢者は本当に外へ出なくなった。「怖いから」という理由だ。熱中症にも怖いからという理由で夏は外へ出ない。冬は寒いから外へ出ない。春と秋は雨が多いから外へ出ない。「じゃあ、いつ出るの?」ということになる。結局動くことが邪魔くさいだけなのだ。「楽をする」という意味をはき違えていると私は思う。少しでも早くから運動習慣を付けた方が良いに決まっている。さあ、あなたならどうする?


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