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いつかのための詩集

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どこかで酒と出会うための詩集。
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#高校時代

あなたと涙は音楽となりて

あなたと涙は音楽となりて

あなたと涙は音楽となりて

今私を包んでいる気がした

夕方17時を知らせる鐘が

車のガラスを高音に染める

爆撃機のようなヘリの音が

心臓の皮と共鳴をした気が

したから今私が摘んでいる

おぼろげなあなたはくしゃ

くしゃに泣いている、明日

の朝には大洋の小舟同士ね

、なんて呟いて私達は難波

しだした、とたんに高波に

さらわれてしまって、岸壁

すらすすり泣きを続けてい

る、空は

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あの頃の僕は日常の日常性が苦しくて苦しくて苦しいそれを喜びに変えるしかない感じの童貞であった

あの頃の僕は日常の日常性が苦しくて苦しくて苦しいそれを喜びに変えるしかない感じの童貞であった

ぶん殴られていた

ぶん殴られていた

あれは体育館のにおい

なんだかミント

なんだか体臭

ぶん殴られていた

ぶん殴られていた

それはシトラスのにおい

本物は見たことがない

誰かの傍でだけかげていたにおい

ぶん殴られていた

ぶん殴られていた

雨が降っていた

窓が曇っていた

彼らは走っていた

僕は

僕は幾分か

夢を見ていた

アクアリウム

接したこともない人との会話

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虚空のとき

虚空のとき

誰にも理解されない光が

ときに誰かを照らしてくれて

そこでうずくまってしまった、私と

濡れた服を脱ぎ始めた君



つないで はがして 自由自在に

はじめてのことばかりを 自由自在に

うららかな キスは

唇を半分外して 虚空に

半分だけのサインを残して

最終的に

誰にも見られず

ガラス細工が無音で壊れるように

さらり



溶けていったよ

あの時に じゃあ

ブルーライオット・ユース

ブルーライオット・ユース

青を見た
 
君の横で

急に青だ

何だ青か

切な雨だ

青だ密だ

密な蜜だ

重ね心だ

手を重ね

層が爽だ

指が青だ

脚が青だ

服が青だ

笑が青だ

凛と喉が

青と君だ

遠い青だ

熱く青だ

手の熱だ

君の顔だ

空に抱く

実の虚だ

僕の青だ

初秋のデッサン 新政

初秋のデッサン 新政

【今日の投稿の3文まとめ】
①新政酒造のcolorsエクリュというお酒を詩にします
②ビビってます
③要は、酒を飲みながら「おれはこれを高校時代に飲みたかった」と言っています

酒を、その酒をその酒にあった形で表すためには詩で表すのがベストだ、と。

はい、私はそう思ってます。

それゆえなぜそう考えたかを『やわらかな日本酒リテラシーを求めて…』で書いてから実践しようと思ったのですが、書きたいので

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