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あの頃の僕は日常の日常性が苦しくて苦しくて苦しいそれを喜びに変えるしかない感じの童貞であった

ぶん殴られていた

ぶん殴られていた

あれは体育館のにおい

なんだかミント

なんだか体臭

ぶん殴られていた

ぶん殴られていた

それはシトラスのにおい

本物は見たことがない

誰かの傍でだけかげていたにおい

ぶん殴られていた

ぶん殴られていた

雨が降っていた

窓が曇っていた

彼らは走っていた

僕は

僕は幾分か

夢を見ていた

アクアリウム

接したこともない人との会話

パスポート

は、好奇心のかけら

ああ

きらきらしている

その瞳にこれから流れる

幾多の鮮血を予想している

幾多の

君の僕の鮮血

なぜだろう

廊下の端っこと隅っこで出会った僕らは

永劫接することもないのに

ぶん殴られていた

シトラス せっけん 髪のにおい

ぶん殴られていた

新緑 二の腕 紙のにおい

呆然としている君

慄然としている僕

出会っていない出会っていない

僕は

夢を見ていた

ぶん殴られていた

ぶん殴られていたんだ

ヘアゴム 長い爪 下手な化粧

魅入られて見誤る

ナチュラルな傑作

目に留まらぬ結晶のような手先

が、動いてく

今日も

明日も

昨日も動いて 傑作

ケラケラとした空笑い

浮かべながら

指先に今日もまどっている

まどっていたよ とか

僕に僕が告白する帰り道は

永遠

些末な

酒と2人のこども達に関心があります。酒文化に貢献するため、もしくはよりよい子育てのために使わせて頂きます。