あの日伝えたかったものの全て
放っておいたら悲しいくらい悲しいことがない。
きっといつも通りの毎日の中で蚕のように背中を丸めて歩く。歩く。
全てをいっぺんに変えてしまったあの日は、小さい子供が駄々をこねて破ってしまった一枚の絵のよう。それを無理やりセロテープでくっつけたから、「ハイどうぞ」なんて言われたところで日常に戻れるわけなんかない。
少しずつ、少しずつだけどあの日のことを逃げずにポツリと話せるようになってきた。あの日、あなたが伝えたかったものなんてきっとイージーだった。こんなにも複雑にしてくれること