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【読書】たのしいエッセイが読みたい!!「村上朝日堂」

村上春樹①

小説家「村上春樹」のエッセイ

「エッセイ」は面白いですよ。
特に作家さんのエッセイは、小説の作風とは全く違かったりして、書き手がほんとに悠々と書いているのがわかる。
(対して音楽家、ミュージシャンのエッセイは嫌い。面白いのあったら教えてください)

村上春樹さんは、国内外で絶大な人気を誇る小説家であるが、その作風からして好き嫌いがわかれる代表的な作家であることも、一度読んだ人ならわかるのではないだろうか。

海外の翻訳小説のような感覚で、独特な世界観なのでおそらく英語で読むともっと素晴らしいのだろうなと勝手に思う。だから日本よりも海外人気のほうが根強いのかなあなんて。

そんな村上春樹さん、小説では好みが分かれるかもしれないが、彼の「エッセイ」は爆推ししたい。
彼のエッセイだけは全巻読んでいる、なんて人もいるぐらいなんです。
それぐらい面白い!!!

以前「ラオスに何があるというんですか」という紀行文を読んだことがあるが、マジで海外に行きたくなる。
今回は1980年代にアルバイト雑誌に寄せられたコラムをあつめたもので、エッセイものでは村上春樹さんと長らくタッグを組むことになる「安西水丸」さんの挿絵が特徴の「村上朝日堂」を読んだ。

新潮文庫の100冊でも毎年取り上げられているシリーズなので、この親しみやすい絵を見たことがある人も多いのではないだろうか。

あらすじ

ビールと豆腐と引越しとヤクルト・スワローズが好きで、蟻ととかげと毛虫とフリオ・イグレシアスが嫌いで、あるときはムーミン・パパに、またあるときはロンメル将軍に思いを馳せる。そんな「村上春樹ワールド」を、ご存じ安西水丸画伯のイラストが彩ります。巻末には文・安西、画・村上と立場を替えた「逆転コラム」付き。これ一冊であなたも春樹&水丸ファミリーの仲間入り!?

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圧倒的な読みやすさ

であるこの本は、なんとひとつのお話が2ページで完結する。
そして安西水丸先生の絵がなんともラフすぎて笑える。
村上春樹さんが描いたんじゃないかってぐらいラフすぎる。
(番外編で、安西さんが文、村上さんが絵をかくお話があるが、村上さんの絵はもっとカオスだった)

この安西さんの絵が圧倒的読みやすさを後押ししている。
どこかで読んだレビューに、「これは大人向けの絵本だ」なんてコメントがあったが、なるほど頷ける。

この小説は昭和六十二年の刊行で、学生時代のお話なんかは当時学生運動真っただ中だったりで、そのあたりのエピソードは村上春樹の小説を読んでことがある人ならルーツを探ることができそう。

でも、かといって安西先生の挿絵付きなので緊張感もありゃしませんが、楽しく、ほほえましく読めるのも村上さんのエッセイにおける脱力感ならではだと思います。

村上さんのエッセイは文であると同時にちょっと話し言葉っぽいところがあって、それがとても真似したくなるんですね。

「~である」「~だ」
みたいな事ももちろんあるが、
「~です」「~してください」
みたいな言葉遣いがとっても斬新だと思った。(これがなかなかないんだって!)


村上さんのエッセイは、「エッセイってなんなの?!」って無意味に毛嫌いしている、または読んだことがない人にももちろんオススメだけど、たくさん読んだことがあるひとにもオススメです。
圧倒的におもしろい!
この一言に尽きます。



100円でいい事があります(僕に)