ルサンチman
黄色い線の外側
in the house
生ゴミはためたくない
教科書はいれたまんま
ぺっ
「それ、“ベイカーベイカーパラドクス”っていうらしいよ」 改札を抜けてすぐ、逆さまに落ちていくような裸体のモニュメントの周りでは、待ち合わせをする人でごった返…
「私の世界は、私を軸にして廻ってはいなかったのよ」 いつから勘違いしていたんだ? 否、いつからか気づいていたのだろう そうだ、気づいていないふりを続けるのは もう…
終電の人も疎らな駅から改札を抜けると 慣れ親しんだ街並みも冷たい空気に覆われ 知らん顔したかのような表情を僕に向ける マスクをつけたまま、眼鏡をかけると 自分の呼…
久しぶりに酒をのんだら 虚しさの臨界を越えた 酩酊 酩酊 先日僕はサングラス越しに 叔父がおちていくのをみた 彼は、生まれ育ったこの街に閉じこめられていた。 い…
「今日は部屋の掃除をしようと思っていたのになぁ」 しとしと ぴちゃん だるい体、心音と雨音 体温計は37度、微熱 少し肌寒い部屋、体温を蓄積した布団を剥いで ぐ…
午前2時39分 勝手口の戸を開け 命を縮める灯火に火をつける ふ、と息を吐き、ヤニ臭い暗闇を ぼやっと眺める 強く吸い込んではいけない 燻る心と同期させるように。 …
流れに身を任せたのがいけなかったのか? 背景は何色に見えていたのか とけ込めていたのだろうか 摩擦がゼロに近づくように 屈折しないでと願ったのに 僕を透して何を…
2019年7月19日 07:47
「それ、“ベイカーベイカーパラドクス”っていうらしいよ」 改札を抜けてすぐ、逆さまに落ちていくような裸体のモニュメントの周りでは、待ち合わせをする人でごった返している。「服の選択ミスったかもなぁ…」 蒸し暑さにやられ、シャツの中へ風を送り込みながらスマホを取り出す。聞こえてきたそのワードを検索すると、手持ちぶさたな午後の2時は終わり、3時が来る。 音と共に震えるスマホの画面に目をやる
2018年7月6日 19:26
「私の世界は、私を軸にして廻ってはいなかったのよ」いつから勘違いしていたんだ?否、いつからか気づいていたのだろうそうだ、気づいていないふりを続けるのはもうよそうじゃないか見て見ぬふりをしていた私を殺そうこれは突き立てられた私へのニヒリズム。半夏生の葉が白く染まるそれは取り繕った化粧を施すかのように表だけをみてくれ、と言わんばかりに真昼の月は、只々白くその素顔を晒すまるで裏
2018年1月1日 01:48
終電の人も疎らな駅から改札を抜けると慣れ親しんだ街並みも冷たい空気に覆われ知らん顔したかのような表情を僕に向けるマスクをつけたまま、眼鏡をかけると 自分の呼気で曇る視界街灯は綿毛のように、はたまた アメーバのようにも見えるこのレンズ越しの世界でも この道は歩きなれた道 迷うことはないさあ歩けよ 歩けしっかりと踏みしめろ二本の足で その足でいつか繋がる この道を走れ、
2017年10月12日 21:03
久しぶりに酒をのんだら虚しさの臨界を越えた酩酊 酩酊 先日僕はサングラス越しに叔父がおちていくのをみた彼は、生まれ育ったこの街に閉じこめられていた。いつのことだったろう3年、いやもう少し前だろうか夏の終わり、立て続けに台風にみまわれぐしゃりと倒れていた皇帝ダリアが花を咲かした11月のこと「死んでなかった、もう駄目だと思ってたんだけど、今年も咲いたね」縁側から庭を眺め
2017年6月14日 22:23
「今日は部屋の掃除をしようと思っていたのになぁ」しとしと ぴちゃんだるい体、心音と雨音体温計は37度、微熱少し肌寒い部屋、体温を蓄積した布団を剥いでぐらつきながら起き上がると、軋む体とベッドピントの合わない目をこすり、カーテンを少し開ける二日目のグレーのパーカーは、鉛色の空を取り込んだようだ同期する鼓動と秒針。冷蔵庫をあけ、ボトルの水を飲み引力に逆らわずソフ
2017年3月12日 03:51
午前2時39分勝手口の戸を開け 命を縮める灯火に火をつけるふ、と息を吐き、ヤニ臭い暗闇を ぼやっと眺める強く吸い込んではいけない燻る心と同期させるように。「ほうら、きえるよ…けぇるよ、消える」死神はニヤつく午前2時41分またこんな時間、早く寝ようと思ってたのに洗面所へ行き、歯を磨く重曹入りの歯磨き粉、しょっぱい黄ばみは取れない午前2時50分カビ臭
2017年3月5日 01:32
流れに身を任せたのがいけなかったのか?背景は何色に見えていたのかとけ込めていたのだろうか摩擦がゼロに近づくように屈折しないでと願ったのに僕を透して何を見た?誰を見てるの?何が見える、ねぇ、何を見てるの?みんな誰と話してるんだ君は誰と話してるんだ一体何と話しをしたんだ?透き通ったそこになにがあった?透き通ってたそこに、なにがあった?なにかあった?そ