餃子と四半世紀と、すこし。
餃子がすきだ。
野菜たっぷりの、我が家の餃子が。
夕飯の前、「餃子作るよー」と母の声がすると小さな私と弟はすぐに台所へ向かった。指先を水に浸し、薄皮の弧をすーっとなぞる。餡の配分は腕の見せどころ。はみ出ないように、それでいて少なすぎないように、そして余らずぴったり使い切れるように。手作り餃子の思い出は、今でも鮮明に浮かんでくる。
鶏ひき肉に刻んだ白菜とにらをたっぷり加えるから、肉汁感よりも野菜のシャキシャキした食感と甘みが口に広がる。フライパンにぎっしり詰めて焼いた餃子を