三島と川端のために足を伸ばした、あの日とつながる由比ヶ浜|鎌倉市
鎌倉文学館に、どうしても行きたかったのだ。
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太宰治が書くところの“女生徒”だった当時の私は、純文学に夢中だった。森鴎外、夏目漱石、中原中也——中でも一等好きだったのが三島由紀夫。国語の授業で作家を調べる自由研究のような課題があって、三島がお題となった回は時間を忘れるほど図書館で文献漁りに明け暮れた。川端康成と深い交流があったことを知ったのは、おそらくその時だろう。
何処で情報を得たのか、鎌倉文学館で三島と川端を取り上げる展示がある、と分かった私の足は最早止められ