Rui Sakano

AI利用した自分の将棋の分析や、科学の話などを気の向くままに書き連ねます。

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マガジン

  • 飛車落ち定跡研究

    将棋のハンデ戦である飛車落ちについて将棋AIを使って分析しています。定跡研究やプロの指導対局による自戦についての分析が中心です。

  • COVID19について

    超過死亡の分析を中心としたCOVID19についての分析

  • 裁判員に選ばれた

    2020年3月に裁判員裁判の裁判員に選ばれて、裁判員を経験しました。その経験について書いています。

最近の記事

女流棋士のプロ編入試験の試験料について

本日、第48期棋王戦コナミグループ杯予選で、"古森悠太五段"対"里見香奈女流四冠"の一戦が行われる。一棋戦の予選の一戦に過ぎないはずのこの対局に、静かな注目が集まっている。 理由は、里見香奈女流四冠がこの一局に勝てば、直近の棋戦(女流棋戦以外)での成績が10勝4敗となり、プロ編入試験の資格を得るからである。 (追記: 女流棋士が一般棋戦で初の本戦入りにもなることも、注目されている理由です。) これまでに棋士(女流棋士とは異なり、男女ともに資格のある将棋のプロ制度)となった

    • 初級者向けの女流棋士の棋譜集がほしい

      夏休み期間中、小学四年生と年長の姪にオンラインで将棋を教えました。 特に小学四年生の姪はテーブルマークこども大会オンライン夏対局に申し込んでしたので、夏休みに入ってから各1日30分程度を2週間程度でどうやって教えるかが課題でした。 以前、ねこまどの矢印付き駒、『ドラえもんの小学校の勉強おもしろ攻略 はじめての将棋』、『シナモロールとはじめる子ども将棋入門』をプレゼントしていたので、2人とも駒の動かし方は大体わかっていて、4年生の姪は棋譜が読めて、囲いの概念もわかっていまし

      • 旭川市の2020年12月の超過死亡

        本日、旭川市の人口動態のページを確認したところ、12月分が更新されていたので、超過死亡を調べました。 ※ 1月6日時点で旭川市より公表されているデータをまとめたものです。 まず、一年間の死亡数月間推移を2013年から2020年と、2013年-2019年の平均について次のグラフにプロットしています。 赤の太い実線が2020年で、黒の点線が2013年-2019年の平均です。また旭川市は人口が年々減少しているにも関わらず死亡数は増加していて、高齢化が進んでいるとものと考えられ

        • 飛車落ち戦記〜対北島忠雄七段

          ねこまどオンラインで北島忠雄七段による飛車落ちの指導対局を受けました。今回もたっぷりと感想戦に時間を割いていただき、教えていただきました。 ※太字の棋譜が実戦の進行になっています いつもどおり、遠山流を目指し右四間飛車+elmo囲いに構えます。 今回はこの局面で、△64銀と変化されました。前回の指導対局では53銀型で勝たせて頂いたので、変化してくださったのだと思います。 上手の△64銀も右四間飛車定跡の典型的な変化ですが、指す機会は少ない印象です。多くの定跡書では53銀

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        記事

          飛車落ち戦記~対瀬川晶司六段

          ねこまどオンラインにて瀬川晶司六段の指導対局を飛車落ちで受けました。瀬川先生には飛車落ちでこれまで1勝1敗です。ここで勝ち越して飛車落ち卒業に近づきたいところです。 まずはいつもどおり、遠山流"elmo囲い+右四間飛車"で駒組みを進めます。上手が駒組みに少し変化を加えて、次の局面を迎えました。 この88から▲66角と移動しただけの手は、少しぼんやりしているように見えるかもしれません。実際AIによると、▲25歩や▲45歩と仕掛ける手も有力のようです。しかし私はここで"上手の

          飛車落ち戦記~対瀬川晶司六段

          飛車落ち戦記~古森悠太五段

          ねこまどオンラインで古森悠太五段に飛車落ちの指導対局を受けました。古森先生の指導対局は二回目です。前回は負けたので、なんとか一矢報いたいと思って対局に挑みました。 いつものように駒組みをして▲45歩と仕掛けた局面です。 前回は古森先生が先に変化されて、繰り出した銀で玉頭を責められて負けたので、今回はどんな手で来られるのか楽しみにしていました。今回はこちらの望む形で受けてくださって、私が仕掛けたところです。 これまで、私のnoteでは▲45歩から仕掛ける順を書いていました

          飛車落ち戦記~古森悠太五段

          飛車落ちと角落ちの差についての考察

          将棋の手合(ハンデキャップ)である、角落ちと飛車落ちの妥当な棋力差について考察したいと思います。 一般には上位者との棋力差が3段で角落ち、4段で飛車落ちのハンデが良いとされています。つまり、この2つのハンデの差は1段程度として運用されてきました。ところが将棋AI(水匠2)に10億局面程度読ませた角落ちの初期配置の評価値は下手側に+857となり、一方で飛車落ちでは+923となりました。 一見するとほとんど差が無いように見えますが、果たして本当にそうなでしょうか。 私は、定跡

          飛車落ちと角落ちの差についての考察

          飛車落ち戦記~対黒沢怜生五段

          ねこまどオンラインにて、黒沢怜生五段に飛車落ちで指導対局を受けました。黒沢先生の指導対局を受けるのは二回目になります。 いつもどおり、遠山流の"elmo囲い+右四間飛車"で駒組みを進めますが、いつもとは少し異なった局面を迎えました。 この局面で下手がゆっくりした手を指すと、次に△65歩と突かれ、elmo囲いの弱点(玉の斜め前)を狙われる手が気になります。1手前に▲38金と上がって角の打ち込みに備えたこと、さらに上手陣の44の地点が通常より弱いことから、ここは仕掛けどきと考

          飛車落ち戦記~対黒沢怜生五段

          飛車落ち戦記~対北島忠雄七段戦

          ねこまどオンラインにて北島忠雄七段の指導対局を飛車落ちで受けました。 北島先生の指導対局は90分の二面指しなので、いつもとても丁寧に感想戦をしていただいています。 北島先生には飛車落ちで2連敗中なので、なんとしても一矢報いたい思いで、対局に挑みました。 さて、いつもどおり遠山流"エルモ囲い+右四間飛車"で駒組みを進めて、図の局面を迎えます。 上手が△24歩としているので、遠山流の理想的な仕掛けができます。 ▲45歩 △同歩 ▲25歩 △同歩 ▲45桂 △同桂 ▲22角成 

          飛車落ち戦記~対北島忠雄七段戦

          飛車落ち戦記~対遠山雄亮六段

          私の飛車落ち戦の愛用戦法"elmo囲い+右四間飛車"の提唱者である遠山先生に、ねこまどオンラインで指導対局を受けました。 直前にも遠山先生のオンライン講座を受講していて、プロ棋士の研究とその量の一端に触れ感嘆していたので、とても楽しみにしていました。 将棋は"elmo囲い+右四間飛車"を本家にぶつけようと駒組みを進め、次の局面を迎えます。 上手が△52玉と変化してきた局面です。 よくあるのは△62玉や△72玉と戦いの起こりそうなところから離れるのですが、玉を直接守備に使う

          飛車落ち戦記~対遠山雄亮六段

          飛車落ち戦記〜対青嶋未来六段

          ねこまどのオンライン指導対局会で青嶋未来先生の指導対局を飛車落ちで受けてきました。 序盤は愛用の遠山流の"elmo囲い+右四間飛車"で駒組みを進めます。 elmo囲いは、飛車の打ち込みに強い、79金のおかげで端攻めにも強いし端攻めもしやすい、76に桂を飛ばれたときに77銀と上がって受けやすい、などのメリットがあります。また右四間飛車は、飛車落ちの古典定跡を応用できることや、平手の居飛車の定跡を応用できることもメリットだと思います。 初手から △34歩 ▲76歩 △44歩 

          飛車落ち戦記〜対青嶋未来六段

          【超過死亡の分析】札幌市、旭川市の死亡数の推移(〜2020年6月)

          北海道の2都市、札幌市と旭川市の2020年6月中までの死亡数が発表されたので、超過死亡を調べCOVID-19の感染拡大について分析する。 データは札幌市、旭川市によって公表された統計データを用いている。各都市、各月中の1日あたり、人口10万人あたりの死亡数(死亡率)のグラフと表は次のようになる。注目すべきは、赤い実線の2020年データと黒の点線の2013年-2019年の平均のグラフである。 まず、これまでの分析では各月全体の死亡数の推移を見てきたが、月による日数の違いの影

          【超過死亡の分析】札幌市、旭川市の死亡数の推移(〜2020年6月)

          【超過死亡の分析】東京都の死亡数の推移(〜2020年5月)

          東京都の5月中の人口動態が発表されたので、超過死亡数の分析を更新する。 5月中の死亡者数は9316人で2013−2019年の平均並みである。2016年以降では最も少なく、高齢化や人口の増加とともに死亡数は年々増加する傾向にあることを勘案すると、今年の5月中の死亡数は少なく抑えられていると考えられる。 また、5月中に報告されたCOVID-19の感染中の死亡数は185人である[1]。東京都では7月4日までに325人が感染中になくなっていて、その半数以上が5月中に亡くなっている

          【超過死亡の分析】東京都の死亡数の推移(〜2020年5月)

          【超過死亡の分析】東京都の死亡数の推移(〜2020年4月)

          本日、東京都の2020年4月中の人口動態が発表されたので、いつもどおり超過死亡数の分析のため、東京都の死亡数の推移をグラフ化した。 次のグラフの赤い太線が今年の死亡数の推移である。点線が2013年から2019年の間の平均である。用いたデータは東京都のホームページの発表のものを使用し、表にまとめたとおりである[1]。 2020年4月の死者数は2013年-2019年の平均と比較しても10%程度高く、4月で死亡数が一番多かった2019年よりと比較しても7%程度高い。しかし、イン

          【超過死亡の分析】東京都の死亡数の推移(〜2020年4月)

          旭川市の死亡数の推移(〜2020年5月)

          旭川市より5月の人口動態が公表されたので、旭川市の死亡数の推移グラフを更新する。 グラフを見てわかるように5月は2013年から2019年の平均に較べても死亡数は少ない。また、旭川市では4月17日の判明以降、新規の感染者は報告されていない。 さて、死亡者数が抑えられていてことは、感染が広がっていなことの証拠になりうるだろうか。 日本国内での感染者の死者のほとんどは70歳代以上の高齢者である。既に体力の落ちて感染から回復する体力の無い方々を中心に亡くなっている。個人的な仮説

          旭川市の死亡数の推移(〜2020年5月)

          大阪市、豊中市、京都市、神戸市の2013年-2020年の死亡数の推移

          大阪府、京都府、兵庫県で緊急事態宣言が解除される可能性が報道されている。そこで、大阪市、豊中市、京都市、神戸市の超過死亡数をみるために2013年以降の死亡数の月間推移を年ごとにグラフ化した。統計情報は各市の公式ページに掲載されているデータを利用した。用いたデータをまとめたものを本記事の下部にまとめてある。 すべてのグラフで、赤い太線が2020年の推移で、黒い点線が2013-2019年の平均値である。ここに掲載した4市では2020年4月の死亡数は2013-2019年を上回って

          大阪市、豊中市、京都市、神戸市の2013年-2020年の死亡数の推移