【超過死亡の分析】東京都の死亡数の推移(〜2020年5月)

東京都の5月中の人口動態が発表されたので、超過死亡数の分析を更新する。

図1

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5月中の死亡者数は9316人で2013−2019年の平均並みである。2016年以降では最も少なく、高齢化や人口の増加とともに死亡数は年々増加する傾向にあることを勘案すると、今年の5月中の死亡数は少なく抑えられていると考えられる。

また、5月中に報告されたCOVID-19の感染中の死亡数は185人である[1]。東京都では7月4日までに325人が感染中になくなっていて、その半数以上が5月中に亡くなっていることになる。緊急事態宣言による自粛要請の影響でCOVID-19の感染以外が原因による死亡数は更に抑えられている可能性はある。しかし、結果的にはCOVID-19の影響による超過死亡数増大への影響を抑え込むことは成功していると言えるだろう。

結論としては、東京では5月に報告されているCOVID-19感染中の死者数は最大であるにも関わらず、超過死亡への影響は見られない。4月にCOVID-19感染中の死亡が105名ので超過死亡数もやや増大していたことと比較すると興味深い。

例えば、5月は医療体制の充実により、より感染中の死亡者が捕捉されるようになった可能性や、COVID-19の感染以外が原因による死亡数は更に抑えられている可能性などが考えられる。

考察できることもいろいろありそうだが、興味深い事実なのでとりあえずグラフを公開することにする。


[1] 東洋経済オンラインのでの5月31日の累計死亡数から4月30日のデータを引いたもの。
https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

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