琉宇

天儀にある神楽の都にすんでいる吟遊詩人。背後さんはシオン=ソルトさん。 僕の肖像を描い…

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天儀にある神楽の都にすんでいる吟遊詩人。背後さんはシオン=ソルトさん。 僕の肖像を描いてくれたのは由。さん。権利はクラウドゲートさんが持っているみたい。

最近の記事

第51回 倍音関係をあらわす記譜法に触れてみよう

📚[⌁音響物理学]倍音 📚[🌌現代音楽]ヘルムホルツエリスノーテーション、微分音  第43回にこんな臨時記号が出てきたよね。  これは基調に対する倍音関係を五線譜上であらわすもので、「ヘルムホルツエリスノーテーション」と呼ばれる記譜法なんだ。  この、ちょっと特殊な記譜法を、今回は紹介していくよ。  この記譜法を考案したのはドイツに住む2人の作曲家、マーク・サバトさんとヴォルフガング・フォン・シュヴァイニッツさん。2000年から2004年頃にかけて記譜法をまとめていった

    • 第50回 2種類の分数コード

      📚[🎶コード理論]分数コード、ポリコード、オミットコード、パワーコード 📚[🧩様式論]ポリモード  和声法では転回形という言葉があって、ベースが和声構成音の根音以外になるときは転回形と呼ぶことになっていたよね。  コード理論でも「転回形」という言葉はあるし、第34回でやったようなベースの機能がコード理論にもあることは変わらない。  今回はそんな、コードネームにおけるベースのことを取り上げていくよ。  コードネームでは、特に何もことわりが無ければ、ベースは構成音の根音を奏で

      • 第49回 テンションノートとアドノート

        📚[🎶コード理論]ナインス、イレブンス、サーティーンス、テンションノート、アドコード  和声法にはに和声音と非和声音というものがあって、非和声音も使っちゃいけないことはないんだけど、それは経過音だったり偶成和音だったりというのが一般的だった。  コード理論では、ものすごくおおざっぱに言ってしまうと、よく使われそうな和音はどんな和音でも書きあらわすことができるようにしようという考え方が根っこにあって、例えば、3度ずつ音を重ねて和音ができるならば、最大で第13音まであるよね、と

        • 第48回 コードネームの第6音と第4音

          📚[🎶コード理論]メジャーシックススコード、マイナーシックススコード、サスペンデッドフォースコード、ドミナントセブンスサスペンデッドフォースコード  一般に和声法では三和音と言えば長三和音、短三和音、減三和音、増三和音の4種類しかないし、四和音も長三和音や短三和音に第7音の乗ったものと属七や減七の和音くらいしかなくて、そういった和音のコードネームでの呼び方や書き方は前回までに紹介したんだけど、でもコードネームは和声法とは違って、機能ではなく構成音をあらわすものなんだ。  と

        第51回 倍音関係をあらわす記譜法に触れてみよう

          第47回 四和音のセブンスコード

          📚[🎶コード理論]ドミナントセブンスコード、メジャーセブンスコード、マイナーセブンスコード、マイナーメジャーセブンスコード、ディミニッシュドセブンスコード、ドミナントセブンスオーグメンテッドフィフスコード、マイナーセブンスフラッテッドフィフスコード  前回はコードネームの基本、トライアドコードについて勉強したね。  今回は四和音、「セブンスコード」を紹介していくよ。  「セブンス」とは「7つめの」という意味で、コードネームでは「第7音」のこと。第7音のある和音、つまり「四

          第47回 四和音のセブンスコード

          第46回 コードネームに触れてみよう

          📚[🎶コード理論]コード理論全般、メジャートライアドコード、マイナートライアドコード、ディミニッシュドトライアドコード、オーグメンテッドトライアドコード 📚[🎼和声法]変位音(下方変位、上方変位)  よく楽譜の上に、こんな感じの英数文字が書かれているのを見たことはないかな。  これは「コードネーム」と呼ばれるもので、20世紀になって生み出された、和音をあらわす記号のひとつなんだ。現代の和声記号とも言い換えられるかな。  今回は、この「コードネーム」の基本について、お話する

          第46回 コードネームに触れてみよう

          第45回 減三和音と減七の和音

          📚[🎼和声法]減三和音、減七の和音 📚[🎶コード理論]ディミニッシュドトライアドコード、ディミニッシュドセブンスコード 📚[🧩様式論]ディミニッシュスケール  第36回の頃からときどき出てくる「減三和音(げんさんわおん)」。  これには、四和音になった「減七の和音(げんしちのわおん)」と呼ばれる仲間があるんだけど、今回はこの2つの和音を勉強していこう。  C音を根音としたとき、「減三和音」「減七の和音」はそれぞれ、こんな構成音になっているよ。  三和音の場合は「減三和音

          第45回 減三和音と減七の和音

          第44回 アコーディオンを弾いてみよう

          📚[📖楽典]五度圏 📚[🎻楽器法]アコーディオン、蛇腹楽器 📚[🎼和声法]長三和音、短三和音、属七の和音、減三和音 📚[🎶コード理論]メジャートライアドコード、マイナートライアドコード、ドミナントセブンスコード、ディミニッシュドコード  和音の勉強をしているので、今回はそんな和音に特化した楽器のお話をしてみようかな。  鍵盤楽器のひとつにアコーディオンというのがあるのは、みんなも知ってるよね。  アコーディオンにもいくつか種類があるんだけど、ここでは「アコーディオン」と

          第44回 アコーディオンを弾いてみよう

          第43回 和声音と非和声音と協和音と不協和音

          📚[⌁音響物理学]協和音、不協和音 📚[🎼和声法]和声音、非和声音、増三和音 📚[🎶コード理論]オーグメンテッドトライアドコード 📚[🌌現代音楽]微分音、ハーフフラット、ナチュラルシンメトニックコンマ、シャープシンメトニックコンマ、13リミット四分音  前回、「和声音」と「非和声音」という言葉が出てきたよね。  でも、例えば「ド」と「ミ」と「ソ」の和音があるとしたら、それ以外の音、つまり「レ」「ファ」「ラ」「シ」の音や半音は非和声音だというのは何となくわかるとは思うけど、第

          第43回 和声音と非和声音と協和音と不協和音

          第42回 開離配置と密集配置

          📚[🎼和声法]開離配置、密集配置、和声音、非和声音 📚[🛡音楽史]ルネッサンス時代、4声コラール 📚[🎤声楽]コラール、斉唱、合唱、パート  第41.2回でも紹介したように、和声法には禁則やきまりごとがあって、「この音はこう動かさないといけない」とか「こう動いてはならない」みたいなルールがいくつもあるんだけど、その前に、和声法ができるまでの歴史を簡単に説明しておくね。  まず、一般に和声法と呼んだとき、第41.2回のさいごのほうでも触れたように「バス」「テナー」「アルト」

          第42回 開離配置と密集配置

          第41.2回 【補講】芸大和声

          📚[🎼和声法]芸大和声、禁則(第3音欠如、第3音重複、連続5度、連続8度) 📚[🎶コード理論]パワーコード 📚[👤人物]島岡 譲 📚[🎻楽器法]ギター  今回はちょっと脱線して、この音楽教室での「和声法」に関係する注意点について、お話しておきたいんだ。  音楽之友社から出ている和声法の本に『和声 理論と実習』というのがあって、これは島岡譲さんをはじめとした音楽家、音楽研究家の人たちが書いた本で、1冊の別巻を含む合計4巻からなっている。  第1巻は表紙が赤いことから「赤本(

          第41.2回 【補講】芸大和声

          第41.1回 【補講】どうしてB音はドイツ音名ではH音なの?

          📚[🎼和声法]旋法和声、悪魔の音程 📚[🛡音楽史]音名、悪魔の音程、ルネッサンス時代、グレゴリオ聖歌、調律の変貌 📚[🧩様式論]グレゴリオ聖歌 📚[⌁音響物理学]調律 📚[🌌現代音楽]微分音和声 📚[🎻楽器法]ラッパ  第41回ではドイツ語音名について勉強したけれども、そこで誰もが必ずといっていいほど思う、こういう質問が出てきたね。  じつはこれっていろんな説があるんだけど、ひとつだけはっきりしているのは、最初から「H(ハー)」と呼ばれていたわけじゃないってことなんだ。つ

          第41.1回 【補講】どうしてB音はドイツ音名ではH音なの?

          第41回 ドイツ音名と和声記号

          📚[📖楽典]ドイツ音名、長調、短調 📚[🎼和声法]和声記号、ドミナントモーション、4度進行、強進行 📚[🎶コード理論]ディグリーネーム、ドミナントモーション、4度進行、強進行  これまで、僕の音楽教室で使われてきた「ⅠⅡⅢⅣⅤⅥⅦ」や「ⅰⅱⅲⅳⅴⅵⅶ」といったローマ数字で音をあらわすものを、「ディグリーネーム」とか「ディグリー」と呼ぶことがある。  もともと「ディグリー」とは階級や度合いを意味する言葉で、つまり音楽ならば音階をあらわすことになるんだけど、大文字を使った「ⅠⅡ

          第41回 ドイツ音名と和声記号

          第40回 連符とポリリズム

          📚[📖楽典]連符 📚[🖋記譜法]連符 📚[🧩様式論]ポリリズム  第6回で勉強したように、音価は基本的に全音符に対して何倍の長さ、または何分の一の長さかをあらわすもので、それは2倍、4倍、8倍とか、1/2倍、1/4倍、1/8倍のように倍々の関係になっている。そして、そうした音価では表現できない長さは、第7回で出てきたタイを使うのだけど、ところがこれでも、あらわすことのできない音価があって、それが第22回で出てきた「連符(れんぷ)」と呼ばれるもの。  ここまでは覚えていると思

          第40回 連符とポリリズム

          第39回 奏法で音におしゃれをしてみよう

          📚[📖楽典]装飾符 📚[🖋記譜法]グリッサンド、ポルタメント、トリル、トレモロ、ロール、前打音、ピチカート、スタッカート、テヌート、フラッターツンゲ 📚[🎻楽器法]グリッサンド奏法、ポルタメント奏法、トリル奏法、トレモロ奏法、ロール奏法、短前打音、ボウイング、ピチカート奏法、スタッカート、タンギング、フラッターツンゲ奏法  前回、『桃太郎』の劇伴を作ってみるということでオーケストラの楽譜を3枚ほど紹介したけれども、よく見ると、まだこの教室では勉強していない記号がいくつかある

          第39回 奏法で音におしゃれをしてみよう

          第38回 進行と動機と

          📚[📖楽典]進行、動機 📚[🎼和声法]和声進行、ドミナントモーション 📚[🎶コード理論]コード進行、ドミナントモーション 📚[🧩様式論]主題、ライトモティーフ  第29回で音の動きのことを「進行」と呼ぶと説明したけれども、この「進行」には大きく2種類があって、ひとつは「順次進行(じゅんじしんこう)」、もうひとつは「跳躍進行(ちょうやくしんこう)」と言うんだ。  「順次進行」とは半音や全音といった、音階的な音の動かし方のことで、たとえばこんな感じだね。  これに対して「跳

          第38回 進行と動機と