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ユニクロのウイグル問題をリスク管理の観点で見る!

 今回は、ユニクロのウイグル問題をリスク管理の観点で書いていきたいと思います。
※今回は国際的な問題でもありますので歴史問題、人種問題などセンシティブな内容は割愛しております。

こんにちは、佐々木正人です!
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はじめに

新疆ウイグル自治区とは?
新疆(しんきょう)とは清の時代に中国が獲得した土地であり、新しい土地という意味になります。

今、メディアでも大きく報道されていますが、日本企業14社を含む大手グローバル企業83社の中国国内のサプライヤー工場で、新疆自治区のウイグル族が中国政府の監視下に置かれ、移動や信仰などの自由を奪われた状態で強制労働させられていることを示す調査報告書をオーストラリア戦略政策研究所(略称:ASPI)が発表した事から世界的に大きな問題に発展しています。

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出典:アジア動向年報

新疆ウイグル自地区問題の背景
新疆ウイグル自地区は、中国北西部に位置しております。歴史的にも特産品であったコットンの輸出を交易路でもあるシルクロードを使い西側中心に行われていた事もあり、中国とは言葉も文化も違いますし、宗教もイスラム教徒が多い事で知られており、漢民族とはまったく異なる民族であることが分かります。

島国に住む我々日本人にはピンと来ない部分もありますが、中国で国境を接する国々は全部でなんと14 もあり、その辺境地に位置するウイグル、チベット自治区などそれぞれ言葉、文化、思想、宗教の違う自治区を統制したい中国との軋轢は絶えません

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出典:Newsweek

ウイグル問題と日本企業
ASPIのレポートによるとウイグル族強制労働に関連した日本企業は14社あり、精密機械、半導体、アパレル企業が中心ですが、今回はユニクロを運営するファーストリテイリングについて掘り下げていきたいと思います。

今年の5月、アメリカ税関からユニクロのコットンシャツの輸入が差し止めになったというニュースが報じられました。アメリカはバイデン政権に代わり、中国政府への少数民族に対する弾圧を厳しく非難し、ウイグル製コットンが使用されているユニクロに対して、その制裁を加えたようです。

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出典:朝日学情ナビ

難しい選択を迫られるユニクロ
現状、ファーストリテイリングは「政治的な質問に回答出来ない」との姿勢を貫いている。

それもそのはずで、ユニクロの中国本土における売上高は、コロナ禍の影響で僅かに減収したものの2020年8月期で4,559億円、近い将来1兆円を目指しており、グループ最大のマーケットです。

スウェーデンに本社を置くH&M社がウイグル製コットンを使用しない方針を決定した直後、中国国内で不買運動に発展し、地図上や通販サイトから同社の名前が消されるという事態に発展。

売上が、28%減少(-211億円)している事から分かるように、簡単な決断が出来ない状況下にあります。

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またアパレル業界において、世界24%を占める中国製コットンの約84%がウイグル製で、商品製造においても大きな影響が出ると言われています。またウイグル製コットンは丁寧な作業で品質が良く、安価であることから良質な商品をより低価格で売るためには欠かせない素材でもあります。

店舗数では日本国内を上回る巨大マーケット中国と、コットン製品だけで影響は低いものの重要な北米市場への対応で板挟み状態になっています。ウイグル族の強制労働問題は、中国政府が管理する職業訓練所から2017年~2019年にかけて8万人が全土に送られており、日本企業がそれを把握する事も困難ではあります。

H&Mのような例もあるため、日本企業は明確な対応に二の足を踏んでいますが、今後この問題をどう着地させるのかにも注目です。

参考:ユニクロの事業戦略
出典:日本経済新聞

海外貿易によるリスク管理

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日本企業の多くは、海外との売買は切っても切れないものになっています。

しかし、世界では情勢不安は国が数多く存在しており、取引先の信用力以上に大事なのが、カントリーリスクです。
情勢の変化で、調達不能に陥り、製品が作れない、今回のウイグル問題のような人種問題、不買運動による売上減リスクなど、多くのリスクが潜んでいます。海外レポートの活用と貿易保険によるヘッジが必要不可欠です。

カントリーリスクにも対応した貿易保険NEXIの活用。
NEXIは、実質的に国が民間企業の海外展開をサポートするための保険という位置づけで、カントリーリスクの高い国でも政策的に保険を引き受ける場合もあります。

OECDカントリーリスク専門家会合において、国毎の債務支払い状況、経済、金融情勢等を議論し、それぞれ8段階で評価しています。
もっとリスクの低いのがA、高いのがHとなっています。GやHになると、引き受けできない国や地域も多いので注意が必要です。

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出典:NEXI 2021カントリーリスクマップ

まとめ

いかがだったでしょうか?
海外取引の難しさは、国内と比べると考える範囲がとても広い事です。

目先の取引先の調査だけではなく、戦争、紛争、人種問題など、常に国際情勢を把握して、業種、素材などで間接的なリスクが潜んでいないかも情報収集する必要があります。今回のテーマ、ウイグル問題は、日本の大手企業にも大きな影響があるため、今後も注視する必要があります。

中国企業の信用調査はこちら(ご参考まで)

本日は以上です。
次回もお楽しみに!では!

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