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ヤバいよ!ヤバいよ!「GC注記」

 6月29日の昨日は、上場企業の定時株主総会のピーク日でした。
今年の株主総会はオンライン参加できる「バーチャル総会」の実施や
アクティビスト(モノ言う株主)の動向、社外取締役の確保(3分の1)
など色々な対応が必要になり、従来みたいにシャンシャン総会とは
いかなくなっているようです。
ちなみにシャンシャン総会とは、形式的な議事進行で会社側の議案を
粛々と可決する株主総会のことを言います。

今回は、上場企業の有価証券報告書の『GC注記』にフォーカスしたいと思います。良く「取引先は上場企業だから大丈夫」とか「上場企業を管理するなんておこがましい」とか言う人がいますが、上場企業が安心という訳でも無いのです。

こんにちは、佐々木正人です。
是非、最後まで読んで持って帰って下さい!!
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【GC注記について】

皆さんは、上場企業の有価証券報告書に記載される「GC注記」をご存じでしょうか。GC注記とは、Going Concern(ゴーイング・コンサーン)
頭文字をとった略称で「継続企業の前提に関する注記」を省略した用語です。

企業は将来にわたって継続的に事業を行うものという前提があります。
3年後に廃業する前提で事業をされては、投資家は投資出来ないですから。
しかし、倒産リスクがあり事業を継続できない可能性がある場合は、
有価証券報告書にGC注記を記載、投資家に注意を促す事となっています。

 また、GC注記に似た言葉で「継続企業の前提に関する重要事象等」があります。「重要事象等」は、倒産リスクは発生したが解決の目途が立っている場合を指します。

では、どの様なケースでGC注記を記載しなくてはならないのでしょうか❓
以下のようなケースと覚えておきましょう。

<財務指標関係> 
・ 売上高の著しい減少
・ 重要な営業損失、経常損失又は当期純損失の計上
・ 債務超過

<財務活動関係>
・ 借入金の返済条項の不履行
・ 新たな資金調達の困難性
・ 債務免除の要請 

<営業活動関係>
・ 重要な市場又は得意先の喪失
・ 事業活動に不可欠な人材の流出

<その他>
・ 巨額な損害賠償金の負担の可能性 
・ ブランド・イメージの著しい悪化

(引用:日本公認会計士協会)

【GC注記のある企業はやばい】

GC注記のついた企業は実際にどうヤバいのかを見ていきましょう。
ヤバい理由は次の2つです。

1) 倒産するかもしれない! 
2010年以降の10年で倒産した上場企業32社のうち、倒産直前の四半期決算でGC注記を記載した企業は27社あり、重要事象を記載した企業は3社と計30を占めています。
残りの2社は粉飾決算により決算を訂正しないまま倒産した企業でした。
倒産した上場企業のほぼ100%がGC注記・重要事象を記載していたといえるでしょう。ちなみに、粉飾決算とは会社が不正な会計処理を行い、内容虚偽の財務諸表を作成し、収支を偽装して行われる虚偽の決算報告を指します。女性に例えて「化粧直し」「厚化粧」と言われることもあります。

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(出典:DIAMOND online 「経営悪化の重要サイン」が9年ぶりの高水準に、東京商工リサーチが解説)

2) 株価が下がる!
少し前の原発事業の不正会計が問題となっていた東芝が衝撃的でしたね。
2017年3月期の第三四半期報告書でGC注記が付きました。東芝の場合は、GC注記が付く前から経営が不安定で、株価が下がっていましたが、GC注記の報道を受けて、株価は前日比-4.5%となりました。

【2021年3月期のGC注記と新型コロナウイルス】

上場企業の好調な決算を背景に、GC注記と重要事象を記載する企業は減少し、2014年3月期以降、毎年50件~60件前後で推移していましたが、新型コロナウイルスの影響により、2020年3月期はGC注記・重要事象の記載をした企業は78社と2019年度より20社増加(34.4%増)と大幅に増えました。2021年3月期も89社と、前年度より11社増加していています。

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(出典:株式会社東京商工リサーチ 上場企業「継続企業の前提に関する注記」調査(2021年3月期決算))

新型コロナウイルスを要因の一つとした46社の業種別では、小売業が17社(構成比36.9%)で、このうち、外食産業が16社でした。
次いで、サービス業が14社(構成比30.4%)で続き、ホテルやレジャー施設運営など観光関連企業への影響大きいようです。

2021年3月期にGC注記・重要事象の記載をした企業89社のうち、82社は営業キャッシュ・フローのマイナスなどの「本業不振」を理由としています。

企業別でみると、しゃぶしゃぶ大手の木曽路はコロナ禍による売上減少・利益赤字をGC注記に、旅行業大手の近畿日本ツーリストのKNT―CTホールディングスが債務超過を重要事象にそれぞれ初めて記載しています。

【まとめ】

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GC注記や重要事象の記載のある有価証券報告書は、倒産リスクが高いことを示す重要な報告内容ですので、記載の有無と記載内容を必ず確認しましょう。『上場企業だから大丈夫』と言える環境ではなくなってきています。

GC注記や重要事象の記載により事業の継続に問題のある企業は増加していますので、引き続き新型コロナウイルスの収束状況を注視し、取引先の上場企業の有価証券報告書の記載内容を確認することが大切です。


本日の内容は以上です。
次回もお楽しみに!では!

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