世界最小にして世界最大・バチカン市国
旅にまつわる音楽を聞きながら、記事をお楽しみ下さい♪
訪問国7 バチカン市国
「世界で一番小さな国は?」
こうして日本人の私達が「バチカン市国」の存在を知るのは、地理の授業の時ではないだろうか。
みゆと私も、九州南部出身の地理の先生が、独特のイントネーションで
「ローマの中のここが、世界で一番小さい国、“バチカン市国“ですよ〜」
と教えて下さり、一時期「東京ドームより小さい国」として話題になったものだ。
そんなバチカン市国の観光も、イタリア旅行のツアーに含まれていた。
「バチカン市国♪あの先生のイントネーション、今でも覚えてる」
「みゆ、長嶋茂さんに似た、あの先生の大ファンだったもんね」
私達は「東京ドームより小さい国」を散歩できるのも、楽しみにしていた。
ヴァチカン美術館入館の待ち時間はなんと、?時間!
「今から入りますバチカン市国は、カトリック総本山として有名で、世界中の人々の憧れの地です」
添乗員さんもバチカン市国がお気に入りなのか、事前の説明でも気持ちがよくこもっておられる。
「ヴァチカン美術館に入るのは、通常3時間近くかかります」
「ええっ、遊園地より人気じゃん……」
私達がつぶやいていると、それは添乗員さんに聞こえていたのか、
「ただ、私達は朝早くから並びますので、2時間弱ほどで入れるかと思います」
と安心させて下さった。
添乗員さんの予想を超えて、私達は1時間半位で美術館に入場できた。
ミケランジェロの名画に圧倒されて
ミケランジェロのやわらかな天井画はとても美しく、私達は人ごみにつまずきながらも、天空に引き寄せられるかのように、絵ばかりを見上げて歩いた。
「日本の美術館とは、ケタが違うね……」
「カトリックの総本山だけじゃなくて、美術館でもここ、総本山なんじゃない?」
それだけ圧倒的な数の彫刻や絵画が、見事に飾られていた。
その後システィーナ礼拝堂にも入り、ミケランジェロの「最後の審判」をじっくりと見ることが出来た。
巨大で強いインパクトを残すその絵画にも、吸い込まれそうになった。
天国に引き上げられるて行く側と、地獄に引き下ろされて行く側。
この両者が、明確に、対照的に描かれていた。
「天国の方に行きたいね、絶対」
当時はまだ見慣れない「宗教画」だったが、この絵は比較的分かりやすく、キリスト教徒ではない私達も心から感動した。
ちょうど、リストの大曲「ダンテを読みて」の譜読みを、この旅の後に始める予定だったが、この絵画のおかげでモチベーションは大いに高まった。
ミケランジェロがこだわり続けたものとは
システィーナ礼拝堂の後は、いよいよカトリック総本山の「サン・ピエトロ大聖堂」にやって来た。
これまでに見たどの教会よりも広く、足が一瞬とまる。
「美しいにも程があるね!」
私達の瞳は、またもや輝いてしまった。
「これが有名な、ミケランジェロの“ピエタ“かぁ……」
「ミケランジェロは、ピエタに始まりピエタに終わった人だよね」
「マリア様とイエス様に、よっぽど思い入れがあったのかな」
ミッション系の大学に通い、必修だった聖書の講義も受けていた私達は、ピエタやミケランジェロの人生にも想いを馳せた。
天国に憧れて
王座の聖ペテロの銅像に行くと、添乗員さんが説明をして下さる。
「この聖ペテロの銅像の足を触ると、天国に行けると言われています」
その説明が終わると同時に、みゆと私はしっかり聖ペテロの足を撫で出した。
すると、他のツアーの方々も次々と後に続く。
「天国」が大好きな、私達だった。
他の見所もじっくり見ていると、みるみる内にお腹いっぱいの状態になった。
「“総本山“って、こういうのを言うんだね……」
「今日は圧倒されてばかりだわ、本当!」
私達は、宗教画の世界から抜け切れない気分で外に出た。
すると、堂々としたサン・ピエトロ広場が私達を迎えてくれた。
最小の国の広場とは思えない、サン・ピエトロ広場
「ガイドブックに載ってた所だね、ここ!」
「ヴェニスのサンマルコ広場も迫力あったけど、ここもスケール大きすぎ!」
「世界一小さい国だからか、この国はすべての場所が見所だね」
「それも、どの場所も世界最大級のインパクトを残してくれるし」
高さ25.5mのオベリスク、衛兵も、世界一の威厳を誇っているように感じた。
「世界最小にして世界最大」
この言葉は、バチカン市国にぴったりじゃないかと思う。
一日の滞在で相当なインパクトを私達に残してくれた、世界最小の国・バチカン市国だった。
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