ネガティブな感情を受け容れて、解放する”エクスプレッシブ・ライティング”とは?
ずっと私は” ジャーナリング=エクスプレッシブ・ライティング ”だと思っていた。どうやら、両者は似ているようで少し違うようだ。
調べてみた分かったことはエクスプレッシブ・ライティングが大元でそこからジャーナリングが派生しているということだった。
” エクスプレッシブ・ライティング ”は悩みや不安といった「ネガティブな感情」にフォーカスして書き出す手法。
一方” ジャーナリング ”は「全ての感情」を対象として書き出す手法だ。また、ジャーナリングはテーマを設けてから書き出す場合もある。
このようにジャーナリングはエクスプレッシブ・ライティングと比較して感情や書き方の幅が広い。
だから個人的な持論にはなるが
” ジャーナリング ≒ エクスプレッシブ・ライティング ”だと感じた。
なぜ今、エクスプレッシブ・ライティングをやるのか?
エクスプレッシブ・ライティングを始める理由は2つある。
最近感情を抑え込みがちな母に、私はエクスプレッシブ・ライティングを勧めた。それをきっかけに改めて方法や効果を調べた。
私自身もこの機会に挑戦して、母がエクスプレッシブ・ライティングにつまずいた時にアドバイスができる状態にしておきたいと感じたことが1つ目の理由だ。
2つ目の理由は感情の向き合い方のバリエーションを増やすためだ。
日々の感情はノートにその都度、書き出すようにしている。ジャーナリングの短いバージョンのようなイメージだ。
しかし、私はどんな出来事や感情も前向きに捉えるように意識しているからか、感情の記録はポジティブな内容に偏りがちだ。かといって、ネガティブな感情を全く感じていない訳ではない。
いつも見逃しがちなネガティブな感情に敢えて向き合って、解放することが今の私には必要だ。そうすれば感情のコントロールがしやすくなって、より毎日を穏やかに豊かに過ごせると感じた。
エクスプレッシブ・ライティングとは?
エクスプレッシブ・ライティングは「筆記開示法」とも呼ばれている。1980年代アメリカの社会心理学者ジェームズ・ペネベーカー氏が考案した心的外傷ストレス障害への対処法だ。
不安や悩みといったネガティブな感情を、仕事終わりや寝る前に20分間、紙にありのまま書き出す。シンプルな方法だ。
継続して行ったところ、被験者のうつや不安が改善されたり、血圧の低下や免疫力の向上など心身の健康に効果があることが示された。
また、脳の認知機能の1つであるワーキングメモリを向上させると言われている。ワーキングメモリは感情の制御を司る領域でもあるため、感情のコントロールにも効果があると言われている。
エクスプレッシブ・ライティングのポイント
エクスプレッシブ・ライティングをする際にはいくつかのポイントがある。
研究によると、単発ではなく継続して行うことでエクスプレッシブ・ライティングの効果が得られると言われている。
また人に見せるために綺麗に書こうとすると、自分の感情を抑える原因になるので、自分だけが見る前提でありのまま書き出すことが大切だ。
***
書くことの効果の中に、記憶力を向上させることも挙げられている。その際、過去のトラウマについて書き出すと、当時のネガティブな感情が書くことでより強く定着し、逆効果となる可能性も考えられる。
そのため、過去のネガティブな経験については自己流で触れるのは危険だ。特に強いトラウマを体験した方は、この部分に関してはプロのカウンセラーに頼る領域だと捉えておいた方が良い。
あくまで今自分がネガティブに感じていることや、未来に対して不安に感じていることを書き出し、向き合って解放することを目的にする。自分の心を守るためにも大切なポイントだ。
***
余力があれば感情を具体的に書き、そこから感じる自分の気づきや意味づけをするとネガティブな感情を次に活かすことができる。
書きながらでもいいし、書き終わった後に俯瞰して、客観的な視点で意味づけをしてみるのもオススメ。
また、ネガティブなことを書き出すと、一定時間気持ちが沈むこともあるそうだ。研究によると1時間〜2時間程度で消えるそうだが、書き終わった後は「良かったこと」や「できたこと」を書き出して良い気分になると、眠りも良くなるので併せてやることが心身の健康のためにも大切だ。
ひとまず、昨晩やってみた。
昨日の夜、エクスプレッシブ・ライティングに挑戦した。紙とペンを用意して、ひとまず10分間タイマーをかけて、その日感じたネガティブな感情や経験を書き出した。
雨で少し体がだるかったことや、満員電車で体が圧迫されてストレスを感じたこと、満員電車の疲れをひきずったまま仕事をせねばならず苦しかったこと、お金に対する不安……などを感じたままに書き殴っていく。
10分でも長いかなと思っていたが、意外とすぐに時間が経った。追加でもう10分やろうと思ったが、途中で猛烈な眠気がやってきたので5分を経過したところでストップして、そのあとはすぐ眠りについた。(眠気が無ければ、20分書くことができたと思う)
ネガティブな気持ちやストレスを書き出すことで、自分の嫌いなことや心地いいと感じる傾向が分かった。
ネガティブな感情と向き合い、自分の傾向を知ることで、次につながるアクションも見出せた。
ネガティブな感情と向き合うことは勇気がいることだが、根本にある原因や根拠が明確になると、不思議と気持ちが楽になった。
そして、次に活かす方法まで見出せるようになると安心感に変わった。途中で急に眠たくなったのも、安心したからではないかと考察する。
ネガティブな感情を書き出すだけだと、もしかすると不安を直視して不安定になる可能性もあるかもしれない。
ありのまま書き出したら、客観的な視点で次に活かすための学びまで見つけることが、エクスプレッシブ・ライティングの効果を高めるポイントかもしれないと1日やってみて感じた。
(※あくまで個人の感想です)
***
研究によると効果が現れるのは、4日以上継続した時とのことだ。残り3日やってみて、変化が分かったらnoteでまとめてみよう。
春はデトックスの時期。感情も日々、書き出して外に出していこう。
軽やかな気持ちで新緑の季節を楽しめますように。
2024.4.16. Rina
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?