大雨の日トンネルを越えて
小学3年生の頃、同じクラスの友達と遊ぶ約束をした。学校から家までの道のりは小さな歩幅で40分〜50分はかかるところを、早歩きと時折走って30分。
ランドセルを置いて、自転車に乗る頃には大きな雨粒が強く降り出して顔が痛かったけれど、その子のお家で遊ぶのは初めてで、そんなことは気にならないくらいご機嫌だった。
通学路でもある長くも短くもないトンネルは、坂と坂の間にあった。蛍光灯は仄暗く、その周りを虫が飛び回っていた。コンクリートの壁は黒、赤、蛍光緑の落書きだらけで音が反響し、