3328


預かりものだ、と思った。

産院で母子同室になった日の夜だったと思う。初めて2人っきりになり、腕に抱いてミルクをあげている時、彼がお腹にいたのも、私が母親であることも事実だけれど、何一つ【私の】ではなく、預かった大切な命だ。そう思った。

誰から預かったのか、それを考えると今はまだ泣くことでしか意思表示出来ない彼自身からとも言えるし、彼の寿命やなんかを神様が決めているんだとしたら神様から、そんな具合に。


3328gのやけに顔の整った男の子。


1ヶ月半経った今は5kgを越え、二重だった目は奥二重から一重に近くなり、むちむちとした頬は溢れんばかり。四肢を元気に動かし、大きな声でよく泣いている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?