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地味に続く介護

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故郷に残る一人親への対応を中心に、関連する話題を書いてまとめています。黄昏時のサラリーマンが直面しつつ、あまり会話に出てこない内容なので、斜め読みして頂くことで取っ掛かりとしてお…
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2020年12月の記事一覧

実家の維持⑭(結局、振り出しに戻る)

実家の維持⑭(結局、振り出しに戻る)

実家は古びる一方。
①その価値が更に下がる前の売却で、また水道光熱費等の負担をなくすことで、母の資産を守りたい。
②売却により空き家の失火リスク等を免れ、かつ我々姉弟の実家管理の手間を省きたい。

いずれも、人として真っ当な願望だと思う。だからこそ、その解決のために情報を収集、その過程で成年後見制度の存在にたどり着き、成年後見制度推進機関に対して問合せを行った。

成年後見制度利用の前提として、家

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実家の維持⑬(事務管理と代理と)

実家の維持⑬(事務管理と代理と)

成年後見制度の利用に係わり、成年後見人と代理される本人の間で代理権授受に関する意思表示はなされていない。特段の契約もなされてはおらず、それを擬制する制度だという見方もできる。

私の感覚で申し訳ないが、成年後見制度で認められている代理行為は、民法上の事務管理的な側面もあると感じている。

事務管理って何? という人も多いと思う。典型的なのは、空き家となった隣家の植木が伸び放題、門から玄関までも雑草

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実家の維持⑫(代わっての契約は事実上実施済だが)

実家の維持⑫(代わっての契約は事実上実施済だが)

前回のロジックをよくよく考えてみた。するとこのロジックの過程で、実は本人が自ら成年後見制度の利用を希望した、更にそれに関わる費用も自ら支払いたいとの意思を表示した、等ということはあり得ないことに気付いた(任意後見の場合を除く)。

この制度の根幹に関わる部分おいて本人意思が十分に踏まえられているとは言いがたい。ただ社会福祉や社会通念における必要性のみを根拠として本人の費用負担としている点は、その正

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実家の維持⑪(保護対象は誰か?)

実家の維持⑪(保護対象は誰か?)

なぜこのようなことになるのだろう?
その原因を考えるには、成年後見制度の趣旨まで遡る必要がある。

その趣旨は即ち後見される人の保護であり、それのみを目的として制度設計がなされているから、ということになる。

実は、天涯孤独となった人について、その福祉を図るために特に必要があると認めるときは、市町村長も後見開始の審判等の請求ができる。このように本人には厚い一方で、逆に天涯孤独でない=子や兄弟姉妹、

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実家の維持⑩(本末転倒とまでは言わないけれど)

そもそも私達姉弟の目的は、人が住まなくなった実家の更なる劣化により資産価値が目減りする前に売却すること、そして水道光熱費等の管理コストを下げるorなくすこと。そうすることで、母の財産を守ろうというのである。

更に言えば、使いもしない不動産=「負動産」を手放して身軽になりたいという気持ちもある。漏電火災リスク、劣化窓サッシ雨水吹込リスク、雑草繁茂近所迷惑リスク等はいずれもあって、しかも経年劣化や放

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実家の維持⑨(当然プロは無料じゃない)

前回の記事に記載した、成年後見制度推進機関の方からの回答内容。これを総合的に理解するなら、当方の目論見である「私が母の成年後見人に選任されるだけ」との審判結果を得られる確率はかなり低そうだ。恐らく、成年後見監督人がつく確率が高い。

しかも、私が確実に成年後見人に選任される保証はない。その審判結果には、申立人のコントロールが全く及ばない。

私より近くに住む姉はもちろん、見ず知らずの「士業」の人等

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実家の維持⑧(それって目隠しポーカーでは?)

当方の疑問を尋ねていく。

「成年後見人等を監督する成年後見監督人などが選ばれることもあります」→後見監督人は、ある程度財産を持つ人について選任される場合が多い。なお、この点は地域差があって一概には言えないものの、東京の場合は成年後見制度への取組みが進んでいて、実績として成年後見人の7割超が専門職(弁護士・司法書士・社会保健福祉士等)の成年後見監督人による監督を受ける。逆に、親族の成年後見人のみと

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実家の維持⑦(成年後見制度推進機関に電話を掛ける)

実家の維持⑦(成年後見制度推進機関に電話を掛ける)

私は、自分の居住する自治体の成年後見制度推進機関への相談を思い立ち、電話を掛けた。相談するにしても、いきなり行って……では双方準備が足りずに無駄が多くなるだろうし、そもそもどの程度の繁忙度合いなのかもわからないため、いつ頃だと相談に伺えるのかを確認すべきと考えたのである。

電話応対に出た方に自分の意図をストレートにお伝えしたところ、割と受容的な受け答えであった。しばらくお話をしているうちに、気が

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実家の維持⑥(成年後見制度推進機関への相談を思いつく)

実家の維持⑥(成年後見制度推進機関への相談を思いつく)

実家の売却について、念のため姉にも意向を確認する。

前々から姉とは、いずれ家を売ることになるんだよね、という程度には合意ができていると認識していた。しかし売却を現実化するために、一度始めたらやめられない成年後見制度を本当に利用するか? について検討が必要な段階に至り、独断専行はまずいと考えた。

姉も母の介護の一翼を担っており、意思の明確なすり合わせは不可欠である。もしかしたら、姉の気が変わって

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実家の維持⑤(本人情報シートの記入は?)

成年後見制度は、法務省、最高裁判所もそれぞれパンフレットや手引を作って普及に努めている。国も力を入れていることが感じられる。

法務省のパンフレットの3ページ上部に記載された青地の事例は、まさに家の売却を取り上げている。成年後見制度の利用に加え、家庭裁判所から居住用不動産の処分に関わる許可の審判を受ければ、実家の売却もできるっぽい印象を持った。

審判申立に必要な書類の一部は、一連の相続手続で取り

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実家の維持④(成年後見制度は、始めたらやめられない)

実家の維持④(成年後見制度は、始めたらやめられない)

前回のハンコに関わる議論は、ここでの本質とはズレるので、元に戻す。

母の老化や認知症の進展により、本人による売却意思の持続と署名が難しくなっている。しかし、これがないと実家の処分が進まず、その維持経費が垂れ流されることになる。

何とか売る方法はないものか? そう思った私は、この点についていろいろと調べてみた。すると、成年後見制度を使えばできるかも知れない、と考えるようになった。

法務省のサイ

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実家の維持③(多分、認知症には打ち勝てない)

実家の維持③(多分、認知症には打ち勝てない)

実家の売却について母と話合い、その納得を得てから改めて不動産仲介業者に来てもらうと仮定する。

でも、契約本番となるその時までの数日間に、記憶はかなり失われてしまうだろう。その喪失が「どの家の話か」或いは「なぜ家を売るのか」といったレベルで留まれば、何とかリカバーできるかも知れない。しかし、断言はできないものの、そのような話をしたこと自体を忘れてしまう可能性の方がはるかに高いと思われる。

この点

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実家の維持②(母所有の家の処分を考える)

実家の維持②(母所有の家の処分を考える)

普通に考えれば、今の状態で家を持ち続けるメリットを見い出せない。率直に言えばムダだろう。

ただ、実家の所有権者は母である。ゆえに、私のこのような検討自体が僭越ではないか? との批判もあるだろう。私は母の子ではあるけれど、だからと言って家を売る権限はないからだ。

母の認知症が進む前に、家の売却話を母に持ちかけていたとする。そうであれば、「まあ、しょうがないね」と言って承諾してくれたと思われる。

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実家の維持①(戻る可能性がないとして…)

実家の維持①(戻る可能性がないとして…)

認知症が進んでいる母。それでも老人ホームにいる分には、ほとんど生活には困らない。直接、対外的なやりとりをすることがないからだ。

しかしこの状況では、老人ホームを退去して元住んでいた実家に戻るというかすかな可能性も、完全になくなったと考えざるを得ない。最近のできごとを記憶できないとなると、実家での一人暮らしはリスクが高過ぎる。

とりわけ、ガスに火を点けたことを忘れてしまうのであれば、かなり危険で

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