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実家の維持⑪(保護対象は誰か?)

なぜこのようなことになるのだろう?
その原因を考えるには、成年後見制度の趣旨まで遡る必要がある。

その趣旨は即ち後見される人の保護であり、それのみを目的として制度設計がなされているから、ということになる。

実は、天涯孤独となった人について、その福祉を図るために特に必要があると認めるときは、市町村長も後見開始の審判等の請求ができる。このように本人には厚い一方で、逆に天涯孤独でない=子や兄弟姉妹、甥・姪等が存在する場合に、彼らが事実上背負うこととなる負担については、ほぼ全くと言ってよいほど考慮されていないと感じる。

このような実情を踏まえると、成年後見制度は本人の保護を錦の御旗にした個人の尊厳についての理想追求と、本人の子等の性悪説で成り立っているのではないか、と懐疑的に受け止めてしまう。うがった見方だとの批判を覚悟のうえで、ぶっちゃけ

本人(老人や障害者等)はあらゆる手段を講じて守るべき存在
         ↓
子等を成年後見人にするだけだと、その地位を基に悪さをする可能性がある
         ↓
それを防ぐために、士業等の成年後見監督人をつけなければならない
         ↓
成年後見人をその監督下に置けば、悪さを抑えられる
         ↓
なお、そのための費用は、当然本人が払わなければならない

というロジックを読み取れると思うのだけど、これには大きな疑問があるように思う。

読んで頂いただけでも十分嬉しいです。サポートまで頂けたなら、それを資料入手等に充て、更に精進致します。今後ともよろしくお願い申し上げます。