実家の維持⑩(本末転倒とまでは言わないけれど)

そもそも私達姉弟の目的は、人が住まなくなった実家の更なる劣化により資産価値が目減りする前に売却すること、そして水道光熱費等の管理コストを下げるorなくすこと。そうすることで、母の財産を守ろうというのである。

更に言えば、使いもしない不動産=「負動産」を手放して身軽になりたいという気持ちもある。漏電火災リスク、劣化窓サッシ雨水吹込リスク、雑草繁茂近所迷惑リスク等はいずれもあって、しかも経年劣化や放置により更に増すばかり。遠隔地に住む姉弟としては、これらリスクの考慮も必要である。

しかしその所有者は母であり、実家の売却には成年後見制度の利用が必要になる一方、その利用によって新たな報酬支払を背負い込むというジレンマに陥ってしまう。成年後見制度は諸刃の剣なのだ。

それでも、現状の管理コストの積上げと比較すれば、多少はコスト削減が見込まれる。しかしそれは、あくまでも売却がうまくいった場合に限られる。

もしかすると、家の売却が進まないまま後見監督人に対する報酬支払のみ続く、という最悪の場合もあり得る。そもそも実家は引く手あまたの地域にあるわけでもなく、加えてコロナ禍による日本経済の悪化が昨今の不動産市況にも影響を及ぼしていることを考えると、決して楽観はできない。

更に、成年後見人としての家庭裁判所に対する報告等の作業増もあり、とても成年後見制度の利用については踏ん切りがつかない。

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