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2019年7月の記事一覧

『girl』ーララと、そして全ての祝福されるべき女の子のためにー

ララ、15歳。トランスジェンダー。性別認識が、身体と合致しない。体は男性だけど自己認識は女性でしかない女の子。ホルモン治療を開始し、適合手術を受ける予定だが、未だ思春期で第二次性徴を迎える成長期のため、身体が安定するだろう2年後まで待たなければならない。

見た目は美しい少女でしかないララ。バレリーナを夢見ている。いろんな悩みがあるけれど、最大の理解者でありララを心から愛してくれるパパーにつぶやく

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思春期少女の心の旅ーオギリマサホ『斜め下からカープ論』(文春文庫)ー

オギリマサホーという文字の並びを初めて見たのは、昨年ー2018年のことである。ツイッターで展開されている掟破りの野球コラムアカウントー  

「文春野球」の中にみつけた。不思議なイラストが添えられた、広島カープに関するコラムの作者の名前だった。

オギリマサホ…どこまで苗字でどっから名前なんだろう…。 

オギリ マサホ? オギ リマサホ? オギ・リ・マサホ?

おそらくは、オギリマ サホさんだ

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虹色の道を歩めー女の子と野球を繋ぐものーファイターズの前に、北海道にはプロ野球チームがあった!伝説の女子プロ野球チーム、スイート・メイプルズを君は知っているか?

北海道のプロ野球といえば北海道日本ハムファイターズ。今や多くの道民に愛される人気球団なのですが、かつてこの北の大地に、もう一つのプロ野球チームがあったことを、あなたはご存知だろうか。

その名も「スイート・メイプルズ」ー『メイプル戦記』(川原泉 白泉社刊)1991年少女マンガ誌「花とゆめ」に掲載され描かれたドリーム・チームのお話だ。
野球マンガは数あれど、少女マンガのそれは少ない。ましてやプロ野球

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『新聞記者』が、語るものとは何か。観る側に問われる答えーでも、わたしが涙したのは、ただ一人の女についてだった。

今のところ最も信頼できると思われる、映画の語り部・町山智浩さんのこの言葉に、映画『新聞記者』を見ようとする価値は、凝縮されている。

わたしが付け加えることは何もない。ストーリーをなぞる紹介も必要ない。見たいと思った方は是非、観に行かれてください。

そして、ここからは、わたしが映画を見て、心を打たれた事柄について語りたい。W主演の一人である、シム・ウンギョンー吉岡エリカについて。

吉岡エリカは

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