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FACTFULNESS④

FACTFULNESS(ハンス・ロスリング)

〇第4章
恐怖本能

・人はみな恐怖に包まれると、判断力が鈍る。

・めったに起きないことの方がニュースになりやすい。こうして私たちの頭の中は、めったに起きないことの情報で埋め尽くされていくことで、それがあたかも世界ではしょっちゅう起きていると錯覚してしまう。

・身体的な危害・・・暴力、危険動物、鋭利な刃物、自然の脅威など
拘束・・・なにかに閉じ込められたり、誰かの支配下に置かれたり、自由を奪われるなど
毒・・・目に見えない有毒物質など
進化の過程で発達した恐怖心は、役立つどころか逆に足を引っ張ってしまう。

・大災害がまさに起きている最中に、「世の中は良くなっている」というのは場違いだ。
危機を脱するまで、事実や全体像について語るのは控えた方がいい。だが、状況が落ち着いたら私たちは再び「事実に基づく世界の見方」に沿って行動しないといけない。

・シカゴ条約は、人類史上最高のチームワークの産物と言っても過言ではない。共通の恐怖があれば、人はいとも簡単に手をとりあえる。

・東日本大震災での、原爆事故による被爆で亡くなった人は、執筆時点では1人も見つかっていない。避難後に亡くなった人の多くは高齢者で、避難の影響で体調が悪化したり、ストレスが積み重なって死亡した。人々の命が奪われた原因は被爆ではなく、被爆を恐れての避難だった。

・わたしは、物事を批判的に考えることが大好きだし、「本当かな?」と疑うことも大事だと思っている。しかし大前提として、動かぬ証拠があれば、それをないがしろにしてはいけない。

・「どんな証拠を見せられたら、わたしの考えが変わるだろう?」と自分に聞いてみよう。「どんな証拠を見せられても、ワクチンに対する考え方は変わらない」と思うだろうか?もしそうだとしたら、それは批判的思考とは言えない。証拠を無視したら、批判的思考は成り立たないからだ。

・規制が厳しくなる理由の多くは、死亡率ではなく恐怖によるものだ。物質そのものよりも規制のほうが多くの被害を及ぼしている。

・恐怖本能は、正しい使い方をすれば役立つこともある。しかし、世界を理解するにはまったく役に立たない。恐ろしいが、起きる可能性が低いことに注目しすぎると、本当に危険なことを見逃してしまう。

全死亡数の0.1%を占める自然災害、0.001%を占める飛行機事故、0.7%を占める殺人、0%を占める放射線被ばく、0.05%を占めるテロなどだ。
どれも年間死亡者の1%にすら届かないにもかかわらず、メディアは大々的に取り上げる。
もちろん、それぞれの死亡率を減らすための努力は必要かもしれない。しかし、恐怖本能が人々の判断力を鈍らせることは、忘れてはいけない。
本当に危険なことを察知し、大切な人を守るためには、恐怖本能を抑えて、死亡者数を見極めることだ。

・「恐怖」と「危険」は全く違う。
恐ろしいと思うことは、リスクがあるように「見える」だけだ。
一方、危険なことには確実にリスクがある。


・リスク=危険度×頻度。
「恐ろしさ」はリスクと関係ない。

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