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今日のうんち

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食べたら、でるもの。なにかを食べては、今日も出す。 2018年4月16日よりまいにち更新される、白川烈が書くエッセイです。 クサいときもあるかもしれませんが、それはご愛嬌で。… もっと読む
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2021年9月の記事一覧

去る者は追わず?

「去る者は追わず、来るものは拒まず」ということわざがある。原文はどうやら、孟子が申していたそうだ。まあ聴こえのいい言葉だし、何度も大事にしようと思ったり自分に言い聞かせたことは、きっと皆さんも一度くらいあるでしょう。去る者は追わず、来るものは拒まず。猿、桃は追わず、鶴、桃は拒まず。

実際にみんなも一度は言い聞かせたことがあるだろうし、思い浮かべたことがあるはずだ。つまり、去る者か来るもののどちら

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さをり織りという織物。

*今日は、やさしいてをめぐる旅、対談の最終回です。最終回のお相手は、windfall LABのあかいさん。「さをり織り」という織り方でひとつひとつ手作りの商品を織られていて、ぼくはさをり織りが大好きなんですね。じつはHPのコピーなども作らせてもらったりしているのですが、これがほんっとに良いんです。人の手でつくったものが、こうまで人の心に触れるものなのか、と実感します。

さをり織りが持つ哲学に「キ

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ご紹介、というもので

*絵本『やさしいて』の出版にかけて、2日前から様々な人たちとの対談がスタートしています。テーマソングをつくってくれた the caves×SHUさんからはじまり、手作り石鹸のしほさん、今日はぼくの大好きなお芝居ユニット 芝居紳士さんとの対談がお昼頃に公開されます。芝居紳士さんとの対談では、この絵本のもうひとりの著者である、森元 明美という人物が初めて登場します。

絵本の原案は、ぼくじゃなく彼女に

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人間図鑑、其の一

*そういえば昔、my地蔵と「人間図鑑」なるものを作ったらおもしろいのではないか、とおしゃべりしたことがあった。昆虫とか動物とか、その生き物はこんな形をしていて、こういう性格で、こんなものを好んでいたり、これこれこういう習性があります、みたいなのはあるでしょう?でも、人間はないじゃない。心理学的なものやステレオタイプといったのはあるけれど、人間以外の生物が人間を見たときに、同じように人間図鑑なるもの

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インターネットの両端には、

*「インターネット」という現代の産物を考えるときに、ぼくは「情報」ではなく「感情」が渦巻いているものだと考えます。とくに、SNSなんてのはそうです。情報が飛び交っているように見えるけれど、あれはよくよく観察すれば「情報」に紛れた「感情」がシェアされているんですよね。SNSの中でできる人だかりを観察すれば、そのことがよくよく分かります。

ぼくは芸能人でも有名人でもありませんが、何度か炎上というか、

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よってらっしゃいみてらっしゃい。

*発売する絵本『やさしいて』のオンラインショップが、もうすぐオープンします。今回、繋がりのある書店やお店で絵本はご購入いただけますが、基本的にはネットで注文していただくことになると思います。それを考えたときに、ただのネットで購入できるためのシステム的なサイトではなくって、「売り場」を作りたいなあと思ったんですね。「求めているもの」だけを買いに来る場所じゃくって、そこにいけばなんか色々良いものがあっ

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紙一重のアウトとセーフを。

*新作を作り続けること。あたらしいものをつくる、というよりも、今の自分の足跡を、どんな形であれ残すこと。大事だと分かっていながら、これがなかなかにむずかしい。拙いものは出したくないし、かといって100点を目指していたらいつまでたっても完成しない。70点あたりで公表する勇気と諦めを持って、やるしかない。ま、だからこそ〆切というのがあるんだろうね。〆切がない作り手はまだまだ二流だろうし、〆切がなくとも

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離れたところから見るプロ。

*きのうから、絵本『やさしいて』の特設サイトがオープンしました。絵本について、テーマソングについて、印刷・製本を担当してくださった藤原印刷さま、装丁を担当してくださった出版社さりげなくさまについて、『やさしいて』と一緒に、絵本に関わってもらった方々をご紹介しています。ほんのちょこっとだけですが、立ち読みもできますよ。あとあと、今回はちいさいちいさいサイズの絵本なので、それを伝えるためのイメージ写真

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サイレントなサイレンと。

*「サイレント」というのは、音がないこと、沈黙のことだ。無音、音を発さない状態のこと、と言っていい。しかし「サイレン」は警報なので、音はもちろん光もくるくるついて回る。大きな音で、知らせなきゃいけないことを知らせる。サイレンはうるさいものだが、サイレントは無音だ。「さいれんと」とことばで聞いたとき、うるさいのとしずかなのと、どっちを思い浮かべるだろう?ちなみにあたしは、どっちでもいい。

「凡人」

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やさしくなりたい。

*昨日、絵本『やさしいて』のPVが公開されました。1分ほどの短い動画ですが、PVのキモは音楽でね。今回、友人のミュージシャンにお願いして、絵本のテーマソングをつくってもらったんですよ。これがもう、ひいきたっぷりにほんっといい曲なんです。PVではサビ部分のみですが、絵本についてあるおまけから、フルでお聴きいただけます。この曲を聴くために絵本を買っていただいても、お釣りがくるぐらいですよ。

さて、1

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また会う人と、また会わない人。

*よく漫画の中で、面接やらなんやらに向かう途中、困っている人がいて…なんてシーンがある。その困っている人を助けたら、面接には間に合わない。さあ、それを見過ごすか否か。主人公はだいたいその見知らぬ困った人を助けて、案の定面接に遅れてしまう。しかし、実はその面接をするところのお偉いさんがさっき助けた人で…ま、使い古されたシーンなんだろうけど。

このとき、主人公は見知らぬ困った人を、面接するところのお

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買い物ってのは迷う時間も含めて。

*今日は朝から、絵本の取材でござんした。今回の絵本『やさしいて』は「手」に関するものがたりなんだけど、せっかくだし「手」に関する周りの好きな知り合いと、一緒になんかやったらおもしろそうだなぁ、なんてことを思いつき、むり言って関わってもらってるんですね。簡単に言えば、ぼくの好きな友人の、ぼくの好きな商品がたまたま手に関するものだから、一緒に売ってくれませんか?という感じ。ぼくとしては、売り場をもっと

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生を撮る

*10月から発売する絵本『やさしいて』のイメージ写真を撮りたいんです、と、仲良くしてもらっているご夫婦にお願いして、そのお子さんにモデルになってもらった。ちょうど、撮影が昨日でね。まだ3歳だし、緊張するかもしれないからお家で撮影をさせてもらうことになった。場所どうこうよりも、ぼくがその子に憶えてもらっているかどうか、憶えていてもらってたとしても、ぼくは熊みたいに大きいし、髭もあるしロン毛だし、怖が

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つくるは観賞力を高める

*仕事で謎解きゲームを制作することになって、ここ最近あれやこれやと謎解きのことを考えている。謎について考えているんじゃなく、謎を解く方法についてあれこれ思案しているのだ。謎解きをつくるのって、やってみて分かったけどめちゃくちゃむづかしい。絶妙な難易度設定、謎同士が連動する仕組み、それに何より解くことにワクワクするような謎をつくんなきゃなんない。や、当たり前っちゃ当たり前なんだけどさ。

ぼくはボー

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