去る者は追わず?

「去る者は追わず、来るものは拒まず」ということわざがある。原文はどうやら、孟子が申していたそうだ。まあ聴こえのいい言葉だし、何度も大事にしようと思ったり自分に言い聞かせたことは、きっと皆さんも一度くらいあるでしょう。去る者は追わず、来るものは拒まず。猿、桃は追わず、鶴、桃は拒まず。

実際にみんなも一度は言い聞かせたことがあるだろうし、思い浮かべたことがあるはずだ。つまり、去る者か来るもののどちらかがいたのだろう。しかしこのことわざは「去る者」から始まっているし、来るものについてあまり思い入れを抱くことは少ない。去る者という別れの瞬間に、このことわざを思い出すのではないか。では、ここでいう「去る者は追わず」って、いったいどんな状態なんだ。

「去る者」、つまり今までお側にいた人物のことだ。親しくしていた人物が、なんらかの理由によって去る。しかし、自分が去るわけではなく、相手が自分から離れていく、ということだろう。このとき、変に戻そうとしたり相手の心を変えようとすると上手くいかないと言いたいのだろう。しかし、ぼかぁ言いたいよ。去る者は追わず、というのは確かに、できたことなのかもしれないが、心の中では追ったっていいじゃないか、と。そう簡単に、オンオフみたいに切り替えらんないよ、と。

心はきみに向けながら、反対へ行く。別れってのはそういうものじゃないのかなぁ。そういう別ればかりだよ、おいらの人生は。

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