インターネットの両端には、

*「インターネット」という現代の産物を考えるときに、ぼくは「情報」ではなく「感情」が渦巻いているものだと考えます。とくに、SNSなんてのはそうです。情報が飛び交っているように見えるけれど、あれはよくよく観察すれば「情報」に紛れた「感情」がシェアされているんですよね。SNSの中でできる人だかりを観察すれば、そのことがよくよく分かります。

ぼくは芸能人でも有名人でもありませんが、何度か炎上というか、ネット上で叩かれたりした経験もあります。ま、ボヤ程度ですよ。ただそのとき、なかなかに厳しい物言いで責められたりするんですよね。これはもちろん、そういう人がいる、というのを言いたいわけでもなくて、誰しもそういうことをしてしまう性質があるんだと思っています。人間は本来、動物なもんだから攻撃的なもんだし。その性質が出やすいのが、インターネットって場だとも思うんですよ。

忘れちゃいけないのは、それがコミュニケーションである以上、どれだけ長い長い糸を辿っても、その両端にいるのは人間です。ネットだと目に見えているのは画面だけで、その先に人間がいることを、どうしても忘れがちなんですよね。でも、こうしてぼくが書いた文章を読むのもあなたという人間だし、あなたが書いたものを読むのもまた誰かという人間です。このことは、インターネットでも変わらない事実でしょう。

インターネットを介したやりとりというのは、相手が誰だかわからないし、どのくらい強く押したら痛がるのか、これを見た人がどんな顔をしているのかが分からないから、ついつい言いたいことをそのまま言ったり、より効果的な意見を言おうとすると、相手の嫌がるような言い方をしてしまうもんだよなぁ。でもね、やっぱりそれはね、良くないよ、というより逆効果だよと言いたい。あなたが本来したいことは相手を怒らせたり傷つけたりすることじゃあないでしょう、と。

もう一度書いてみよう。ネットだろうがリアルだろうが、それがコミュニケーションである以上、その糸電話の両端には人間が必ずいる。誰かは分からなくても、必ずいるんです。ぼくもゆめゆめ忘れないようにしなきゃいけないことなので、ちゃんと書いてみたかったんだ。人がいるんだよ、そこにゃあ。


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