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今日のうんち

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食べたら、でるもの。なにかを食べては、今日も出す。 2018年4月16日よりまいにち更新される、白川烈が書くエッセイです。 クサいときもあるかもしれませんが、それはご愛嬌で。… もっと読む
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2020年12月の記事一覧

よく聞いた年だった。

*そういえば大晦日なので、今年を振り返ってみようかなと思うものの、毎年思うんだけどぼくは誕生日が1ヶ月ほど前で、そのさいに1年間を振り返っているので、じつはあまりたいした振り返りにならないんだよなぁ。あれ、そういや前も思ったぞ、ってのがもういちど出てくる。新しかったとしても、ここ1ヶ月のことだったりするから、あまり”今年感”はすくない。ま、そんなもんか、と思いながら、今年を振り返ってみる。

今年

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じょうずにだまされる

*「信じる」ということは、「じょうずに騙される」ことなんじゃないか。

小説、映画、音楽、アニメ、お笑いに建物やアクセサリー、もしかすると、宗教だってそうかもしれない。つくられたものを見ているとき、ぼくたちはどこか無意識で「信じる」ことをおこなっている。架空の、他人の物語や作品であるのにかかわらず感情移入したり、驚いてみたり、感動したりする。つくりものだとわかっているのに、だ。だとすると、ぼくたち

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楽器は人を選ばない

*ここ近年、街のどこかピアノがぽつんと置かれているのを見かけることがある。あるときは木造だったり、黒い大きなものだったり、機械的なやつだったり、場所によって置かれているピアノたちは違うけれど、なんだかんだ1カ月に1つくらいは発見しているので、よく置かれているのだろう。ぼくの家からすぐにあるスーパーにも、ピアノが置かれていた。

そんな街中に置かれているピアノを演奏している人の姿を見ると、なんだか涙

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深さよりも太さ

*ひきつづき、死に関する本を読んでいて、思ったこと。死について、死にまつわることを考えるための回路が、なんとも痩せ細っているなぁと感じた。これはぼく自身はもちろんのこと、もしかすると世の中という単位に広げてみても、そうなのかもしれない。死をタブーとして置いたからこそ、死がけっこう距離のある遠いものになった。そのため、なかなかその場所へと行き来することがなくなった。

出た結果、つまり考えや思考がな

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いまのじぶんがそのまま

*今日、 ひと月ぶりにMy地蔵と話をした。ひと月ぶりならそこまでじゃないか!と言われるかもしれないけれど、ひどいときは1週間に一度は朝まで飲みながら話していたもんだから、けっこう久しぶりなのよ。色々話したんだけど、中でも「今の自分がそのまま歳をとったらどうなると思う?」ってのが、おもしろかったな。

「人間ってさ、改善していくわけじゃない。こんなふうになりたくない、こんなふうになりたいと思って、今

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恥ずかしさの足跡

*きゅうに、求めてもいないのに、何年も前に書いた自分の文章が目の前にあらわれた。びっくりしつつ、ヤダなぁと思いながらも目を通す。どうにかこうにか読み終わり、やっぱりヤダなぁと思う。今でもへただけど、今以上に文章はへただし、なんかかっこつけた言い回しをしているし、リズムもちぐはぐだし、やけにひらがなも多い。恥ずかしさで、穴があったら入ってぬくぬくしていたいよ。おれ、よくこんなので文章を書く仕事やって

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人間、誰しもの心の一部分がサンタクロースである

*サンタクロースは存在するのか?という、命題がある。さまざまな人たちがこの命題について、意見を述べたり実体験を話したり、素敵な仮説を作り上げたり、さんざんしてこられただろう。ぼくもこれまで、拙いながらもいろんな角度から考えてきたし、1年にこの2日間はとくに考える。サンタクロースは、果たして存在するのか?

今年は、こう考えてみることにした。「サンタクロースが実在しているしていないではなく、人間、誰

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好きな人の好きなものを好きになる

*自分で、自分の分からないところがたくさんある。どうしていつもこうなっちゃうんだろう、みたいな情けない悪めいた部分もありゃ、どうしてこううまくいっちゃうかなぁみたいな、良い意味でふしぎな部分もある。ちょっとした自慢になるけれど、ぼくは、好きな人から好かれることが多い。ただ、ぼくが好きなのは分かるけれど、どうして好きな人がぼくを好いてくれるんだろうと、おこがましくも不思議におもうことがたびたびある。

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攻めてる?

*ふと、考えてみた。今の自分の人生は、攻撃(オフェンス)か?それとも、守備(ディフェンス)か?試合時間がどれくらい経って、どれくらい残っているか分からないけれど、今の今、オメエの人生は攻めてるのか?守ってんのか?どっちだ?と、どこからともなく声が聞こえてきた、なんてことはない。ふつうに、なんとなしに考えてみただけである。

例えてみるならば、野球などの攻守交代がはっきり分かれているのではなく、サッ

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夜に外で本が読みたくなって

*夜に外で本を読みたくなって、日付が変わるまで開いている2つ駅が隣の喫茶店に駆け込んだ。机の上に並べられた何十冊の本の中からピンときたものに手を伸ばし、カバンに入れて家を出る。在宅医療を専門とする小堀先生と、糸井さんの『いつか来る死』という対談本だった。

在宅医療、つまり家で死を迎える判断をした方への医療を中心に行う小堀先生に、糸井さんが質問をくり返してゆく。もう、序盤からマーカーを弾きまくりで

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おいしそうな石けん

*先日、知り合いの人が阪急に出展していると言うので、用事のついでに遊びに行った。知り合いの方は、せっけんや練り香水など、香りにまつわるものたちを手作りしている方で、ぼくはその方のSNSを見ながらいつも「おいしそうだなぁ」と思っていた。もちろん、食べれる石けんというわけではないですよ。でも、せっけんを手づくりしている過程がチョコレートみたいで、なんともおいしそうなのである。

その人との会話の中で「

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レモンサワーの胸の中で

*ぼくはこう、幼い頃からなんでも器用にこなせるタイプだったし、なにかとやらせてみりゃ平均点は取れるような男だった。べつに、自慢したいわけじゃなくって、ただの器用貧乏なんでござんす。今も独り身で仕事をすることが多いし、わりとのびのびやれる仕事を選びがちなので、しょうじき怒られることも叱られることも少ない。けど、そんなぼくだって、年に数回は怒られてへこむことがある。

きのう、まあいわゆる勘違いってや

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すごいなぁ大国

*恥ずかしながら、ぼくは4年前まで料理をまったくしたことがなかった。もう、びっくりするくらいないんです。お米の研ぎ方も知らない。いちおう、包丁で切るこちはできるよってレベルだった。しかし、同棲し始めたことをきっかけに、どんどん料理にのめり込んでいった。今では料理をするのは大好きだし、料理が好きだからよけいに食べ物もすきになったくらい。

ある時期、彼女のお弁当をつくっていた時期があった。朝早く起き

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ぼくは名前を呼んでいる

*ぼくはけっこうめずらしい名前をしているので、苗字ではなく名前で呼ばれることのほうが多いのです。2文字だし、呼びやすいしね。で、ぼくの変わった名前は小さい頃からけっこうお気に入りでございました。だって、みんな名前で呼んでくれるんだもん。小さい頃なんて特に「苗字じゃなくて名前で呼ばれるのは、他の人より仲良くなった気がするぞ」なんてことを思ったりしてた。海外の人が言う「ファーストネームで呼ぶな!」の反

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