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【簡単あらすじ】高校入試(微ネタバレ)【湊かなえ/角川文庫】

県下有数の公立進学校・橘第一高校の入試前日、新任教師の春山杏子は教室に「入試をぶっつぶす!」と書かれた貼り紙を見つける。

迎えた入試当日。

スマホの使用が禁止されているにも関わらず、ネット掲示板に次々と試験内容が実況中継されていく。
試験会場でも、学生のスマホが鳴るというトラブルが発生。
しかし、一番の問題は試験終了後に明らかになる…




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『はじめに』
私は自他共に認める出不精です。さらに今年は花粉症が大変厳しく、外出する頻度が減っているのですが、それに反比例して読書量は増加しています。
ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。
このレビューを読んだことで、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。


他記事でも記述しているように、私は現在、ある学習塾を不定期にお手伝いしております。

私の在住している自治体でも、今月の頭に公立高校の入試が行われ、まさに昨日結果が発表されました。

多くの塾生が志望校に合格したという報告と本人との会話を経て、少し感傷的になっていた状況でこの本を見つけてしまったならば…… 当然購入し一気読みしてしまいますよね笑

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巻頭の「人物相関図」を見ると、登場人物は23人もいます。
そして、ほとんどの人物は、どこにでもいるような普通の親・普通の先生・普通の学生です。

こう書いてしまうと、「そんな作品が面白い訳がない」という結論にたどり着いてしまうのですが、それにも関わらず、各人の内面を少しずつ丁寧に描き・絡ませることによって、素晴らしい作品に仕上がっています。

一言で言うと「湊かなえワールド」に満ちている作品です。

各人が自分の信じた正義を貫いた行動と、それによってもたらされた結果。
私もこの年になるとそれなりの場数を踏んでいますので、第9章・第10章で描かれている、ある二人のセリフが心に沁みます

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一つのミスが若者の将来を左右しかねない入試での採点トラブル、存在感の大きすぎる親、多感な時代を過ごしている学生。

そういったものにプレッシャーを感じながら、毎日授業を行っている学校の先生たちには、いくら労いの言葉をかけても足りません。

学校教育に関係している全ての皆様、いつもお勤めご苦労様です。
私も微力ながら、学生の学力と人間性の向上に努力させて頂きます。

この作品は、初めはTV局の有料ドラマとして制作されたものを、湊さん曰く「ドラマを観ていた人も見ていなかった人も、また“別もの”として楽しめるもの」として書かれたものですので、映像が好きな方はドラマも観るのもいかかでしょうか?

「高校入試は、通過点に過ぎない それよりも今と、この先を見つめたい」

https://ddnavi.com/interview/148196/a/

こちらの湊かなえさんのインタビュー記事では、ドラマ制作の際の裏話などを読むことが出来ますので必見です!

また、noteでの小説レビューで何度も書いていますが、湊かなえさんと伊坂幸太郎さんの作品は本当に面白いので、皆さんも是非お読みください。

読書に苦手意識のある方・これから読書を始めようとする方にもおススメです!


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