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【簡単あらすじ】未来(微ネタバレ)【湊かなえ/双葉文庫】

「こんにちは、章子。私は20年後の貴方、30歳の章子です。あなたはきっと、これは誰かのイタズラではないかと思っているはず。だけど、これは本物の未来からの手紙なのです」
という内容の手紙が届いた少女・章子。

未来からの手紙なんてあり得ないとは思いつつも、将来の自分に対して手紙を書いていく章子。

章子と章子をとりまく人々を待つ未来とは。

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『はじめに』
とにかく暑い毎日が続き、時季も読書の秋ではないですが、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいた本の感想を書こうと思います。
このレビューを読んだことで、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。

「20年後の自分からの手紙」
「未来のことを記載されているあるはずの無いパンフレット」
この二つが、10歳の章子の元に送られてきました。

章子は小学四年生のとき、大好きだった父親を亡くしてしまい、その後、母親と二人で生きていくことになります。

いじめがあった小学・中学での学生生活や、プライベートでは母親の再婚など、様々な出来事が起こりますが、その中で章子は足掻きながら生きています。

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私は、ある登場人物が直面した、


自分ではどうしようもないくらいの大問題(と思っていたこと)が発生し、それに対応するために行なったことが、将来的に自分にマイナスな事として跳ね返ってきてしまった。
そして、自分ではどうしようもないくらいの大問題(と思っていたこと)は、自分の周りの人の助けによって、実はそれほど大きな問題ではなく、解決することが出来ていた…

という部分に、大変共感しました。

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人生において、自分自身が絶望してしまうような状況に置かれてしまうことは、恐らくですが、かなり多くの方にあると思います。

私にもありました。

その時に、この登場人物のように、その状況を「自分の力だけで何とか(解決)しよう」とすると、良い結果につながることはほとんど無いのではないでしょうか。

どんな問題に対しても立ち向かい、自分の力で解決しようとする、その姿勢はとても良いものです。

ですが、「子供時代から自分一人で生き、一人立ちした」という方はほとんどいないと思います。

問題解決のために誰かに助けを求めるというのは、その当時は後ろめたく感じるかもしれませんが、その状況が解決し自分に余裕が出来てきた際に、皆さんに恩返しをすれば良い、と私も年を取るにしたがって考えられるようになりました。

あとがきを読むと、湊さん自身も悩まれている状況にあるということですが、私自身、後押ししたい作者さんです。




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