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【簡単あらすじ】夜行観覧車(微ネタバレ)【湊かなえ/双葉文庫】

幸せを夢見る・手に入れようとしている方へ問題です。

憧れの住宅地に一軒家を建てた家族は、必ず幸せになれるものなのでしょうか?

それに対する、ある家族の答えが記載されている作品です。

『はじめに』
Noteで「読書の秋」コンテスト開催ということで、最近読んで印象に残ったり、買ったままで積んでいた本の感想を書いていこうと思います。
このレビューを読んだことで、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたいのですが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』がありますので、ご注意ください。


この物語は、「遠藤家」「高橋家」「小島さとこ」の各視点を転々と機械的に移動することで、ひばりヶ丘という住宅地で起こった殺人事件をめぐる動きを、言葉は悪いのですが、とても淡々とした記述で進んでいきます。

その途中で、小さなものから大きなものまで色々な『無理』が暴かれていきます。

1.「遠藤家」は、ある人物の理想の実現のために、無理に周り(家族)を巻き込んでいます。

2.「高橋家」は、ある人物が、今はいない人に無理に対抗(勝とうと)していました。

3.「小島さとこ」は、今まで好きだった環境に、無理やり他の人が入り込んできてしまいストレスを溜めています。

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本作品は「各家庭」「職場」「学校」「ファミレス」等、とても狭い舞台が中心に進むため、一歩下がって(俯瞰して)作品全体を見ることが難しい作りになっています。

また、各登場人物の主張や考えを中心に進んでいくため、人物評や人物の日常的な行動等が客観的なものではなく、その結果、読者の予想が正しいのかどうかの答え合わせが出来ず、もどかしさを感じます。

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また、終盤では登場人物が一堂に会し、自分たちが持っている情報を開示しあうことになるのですが、それをしても(答え合わせをしても)、大逆転と言えることは無いと思います。

ただ、上記のように物語のテンポが淡々と進むため、「どこかで一時休憩する」という選択肢を与えてくれませんので、一気に読了するしかありません。

物語が終わり各々の無理が暴かれ、その内容を他人と共有することになった今、登場人物各々の行く末がどうなるかがとても気になり、本をしまうことに後ろ髪をひかれる思いにさせてくれる作品でした。

この作品もドラマ化されましたが、人気になった理由が分かる内容です。



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今回の画像は【初夏(はつか)】さまからお借りしました。ありがとうございます。

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