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【簡単あらすじ】Nのために(微ネタバレ)【湊かなえ/双葉文庫】

超高層マンションの一室で、そこに住むある夫妻の変死体が発見された。
現場に居合わせたのは、20代の男女四人。

それぞれの思惑を持ちながら話す証言を紐解くと、驚くべき真実が明らかに…

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『はじめに』
季節が変わり、読書の秋ではないですが、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいた本の感想を書こうと思います。
このレビューを読んだことで、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたいのですが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』がありますので、その点にご注意ください。

今作も、「湊かなえさんの作品」らしく、ある出来事(某会社課長である夫の野口貴弘とその妻の野口奈央子が、自宅マンションで死亡している)について、それに関わった様々な人間の視点(独白)を中心に進んでいきます。

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そこには、20代の男女四人が居合わせていました。

1.杉下希美 大学四年生

成瀬と同じく、人口五千人にも満たない田舎の島出身。
「野バラ荘」という木造のボロアパートに住んでおり、同じアパートの隣の部屋に西崎がいる。

2.成瀬慎司 大学四年生

東京では有名なフレンチレストランでアルバイト中。
出張サービスで野口家を訪問し、事件に居合わせる。
杉下とは、地元(田舎の島)での同級生。
杉下とは、高校時代の交流が元でつながりを持つ。

3.西崎真人 24歳、大学四年生(自称作家)

野バラ荘に住んでおり、杉下とは隣同士。
色白で線が細く、鼻筋が通り切れ長の目が涼し気という、王子様みたいな外見。
物書きであり、某文学賞で一次予選を通過。
野口奈央子へ抱いている感情や、ある考えから事件に居合わせる。

4.安藤望 社会人一年生

某会社(野口貴弘と同じ)に勤務している23歳。
貴弘とは同じ課に所属。貴弘とはプライベートでも親交があり、自宅に招かれ将棋を指すことも多い。
就職して会社寮に住むまでは、野バラ荘に住んでおり、杉下や西崎とは、ある台風の出来事から仲良くなった。

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全ての容疑者が、全ての容疑者のために(若干他の人が絡んできますが)、情報を集めたり・行動を起こしたり・警察に嘘をついたり何も話さなかったり。

そして、全ての容疑者が、「ある人物のためにはこうしたほうが良い(だろう)」という、言葉は悪いですが、勝手な思い込みで行動を起こします。

こういったことの積み重ねによって、中心となる事件が起こり結末を迎えることになります。

題名の「Nのために」がとてもしっくりくる、そして読了後には何とも言えない寂しさを感じる作品でした。

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今作品も、周りから見ると小さなことから、その人の人生を左右する影響を持つような大きなことまで、様々なことが絡み合いストーリーが進んでいきます。

湊かなえさん(や伊坂幸太郎さん)の作品は、いわゆるハズレ(=自分に合わない)の作品が無く、いつも楽しく読ませて頂いております。




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