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【簡単あらすじ】リバース(微ネタバレ)【湊かなえ/講談社文庫】


ついに「あのこと」を話すときが来てしまったのか…


最後のページまでじっくりと読まなくてはいけない作品です。

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『はじめに』
Noteで「読書の秋」コンテスト開催ということで、最近読んで印象に残ったり、買ったままで積んでいた本の感想を書いていこうと思います。
このレビューを読んだことで、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたいのですが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』がありますので、ご注意ください。


あまり陽キャとは言えないながらも、趣味のコーヒーがきっかけとなり、

1.勤務先では先輩等に頼られるという居場所が出来、
2.コーヒー店のマスター夫婦と良い関係になり、
3.そのつながりで出会った女性と恋愛がスタートする
 

など、それなりに充実したサラリーマン生活を送っていた深瀬に、ある時、その恋人から一枚の紙が渡されます。

「深瀬は殺人者だ」


深瀬と同様に普通の社会人生活を送っていた大学時代の友人3人、浅見・谷原・村井にも、同じような内容の紙が(様々な方法で)送りつけられており、そのせいで四人とも(理由は薄々分かりながらも)モヤモヤした生活を送ることになります。

それを解消するため、深瀬がその紙の送り主を見つけ出すという、探偵役を買って出るところから物語がスピードアップします。

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上記の主要登場人物だけでなく、ある人物の地元で出会うことになる同級生のキャラも、チョイ役のような扱われ方をされず、きっちり立っているところがとても良かったです。

そして、ある物(者)を見つけたときに一気に終わりに近づきます。

物語の詳細が解明され、終盤では、「色々あったけど未来に向けて皆前向きに頑張っていこうね」という流れになったところでの、最後の最後での逆転は必見です

最後の一ページ、最後の一文まで目が離せない傑作だと思います

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私の好きな作家である伊坂幸太郎さんは、
「小説の設定内容は日常ではありえないものなのに、登場人物や風景描写などの巧みさによって、感情移入し物語世界へ引き込まれる」作品なのですが、この作品は、読者が過ごしている日常と、そう変わりの無い日常生活が舞台となり登場人物の設定も突飛さがあるわけではありません。

ただ、ストーリーが「誰もが、もしかすると自分自身にも当てはまってしまう可能性があるもの」であり、「日常生活で別の選択肢を選んでいた場合には、もしかすると自分自身が登場人物の一人になってしまうかもしれない」と感じてしまいます。

「ストーリーの魅力によるわくわく感と少々の怖さを持ちながら引き込まれる」作品と感じました。


湊さんの作品が、ドラマ化されても人気という理由が分かる作品です。

これからも時間が出来たときに追いかけようと思う作者さんです。




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画像は【ごるちき】さまからお借りしました。ありがとうございます。

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